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新卒者に何か言葉を贈るなら

はじめに

こちらのブログをはじめ、季節柄最近ちょくちょく新卒者向けのメッセージを書いたブログを目にするようになってきました。


これまで新卒者に贈るメッセージなんてわざわざ考えたこともなかったのですが、もし自分なら何て言うんだろうなあと考えてみました。
最初は全然思いつかなかったのですが、しばらく考えて「おいらだったらこう言うかな」と思ったのが、下の2つです。


現場を疑え。先輩の言葉を鵜呑みにするな。
世間で通用する職人を目指せ。


なんでこんなことを言うのか?
その理由を以下に述べます。

現場を疑え。先輩の言葉を鵜呑みにするな。

いきなり毒々しいメッセージですね。
でも実際、日本のIT業界で何もかも恵まれた職場なんてきっとほんの一握りなんじゃないかと思います。
プログラマやSEをやったり、IT関連の会社を経営したりするのに、何か特別な資格が必要になるわけじゃありません。
みんな「自称プロフェッショナル」です。
まあ、そんなこんなでぶっちゃけ、「それってどうよ?」って言いたくなるような現場の方が多いと思います。


おいらの場合もそうでした。
今でも印象に残っている言葉をいくつか挙げてみます。

  • 似たようなプログラムを見つけてコピペしろ
  • デバッグはコーディングがすべて終わってからやれ
  • 俺たちはIT土方だから


こういうことを当時(7〜8年前)、リーダー級の先輩から言われたわけです。
今となっては「何てことを言ってたんだあの人たちは」と思えますが、新人だったころは右も左も分かりませんから、「へ〜、そうなんだ」と思ってしまいますよね。


OJTとかほんと要注意ですよ。
その現場でのルールは習得できるかもしれませんが、世間で通用するスキルまで身に付くとは考えない方がいいです。
現場にはいっぱいおかしなプロセスやコーディングルールなんかが転がっています。
「変数名は連番にしろ」とか、今考えたらほんとありえないですから。*1


あと、現場のレベルが全体的に低いと、相対的にそこそこできる人が「一番できる人」って呼ばれていることもあります。
周りから一目置かれているので、本人もその気になっているつもりになります。
ところが、よく見てみると全然基本がなっていない「お山の大将」状態だった、なんてこともあります。*2
こういう人からアドバイスを受けたりすると、「この人が言うんだから間違いないだろう」っていう催眠術にかけられやすくなります。
その人の上司やマネージャですら、コロッとだまされちゃいますからね。
わあ、こわ〜い・・・。


ただし、先輩や現場のやり方に逆らえと言っているわけではないのでご注意を。
仕事ですからね。協調性もそれはそれで重要です。
入社早々、新人が先輩に反抗するのもそれはそれでどうかと思いますし。


あと、ちゃんとした現場や先輩だっていると思います。
全部が全部おかしいと言っているわけではありません。


要はクリティカルシンキングっていうんですかね、現場のルールや先輩の言葉に対して「本当にそれでいいのか?」と問いかけ、自分で調べたり考えたりするようにしてほしい、ってことが言いたいわけです。


じゃあどうやって調べるのか?
これはこれで難しいです。


個人的には色んな本を読んでみるのがベストかなと思います。
本にも当たりハズレがありますが、現場のルールや先輩の言葉よりは正しいことを言っている可能性が高いです。
このエントリの終わりにおいらの考える参考文献もいくつか載せておくのでチェックしてみてください。

世間で通用する職人を目指せ。

このメッセージは最初のメッセージに通じてます。
その会社やそこの現場で「すごい人」になっても、それがそのまま「世間でもすごい人」だと評価されるとは限りません。


またおいらの体験談になってしまいますが、最初入った会社ではVisual Basic(VB)を使った業務アプリケーション開発がメインでした。
しかし、当時はすでにJavaや.NETが台頭してきている時代で、レガシーなVBはもはやバージョンアップされない状況でした。


この状況でもしおいらがVBを極めて、今現在「その現場のすごい人」になっていたと仮定したらどうでしょう?
おいらは世間でも通用するでしょうか?


レガシーなVBがもはや主流な開発言語じゃないってことは、この業界の方ならよくご存知だと思います。
「その現場のすごい人」であるおいらがリストラされちゃったら?もし会社が倒産しちゃったら??
もしくは30をすぎてから転職したいと考え始めたら???
・・・いったいどうなるんでしょう?


せっかくプログラマやSEになるんだったら、ちゃんと手に職を付けておかないともったいないです。
また、この業界でメシを食って、家族を養っていかなければならないのなら、なおさらです。


自分の身(+家族の身)は自分で守る。
そのためのスキルがちゃんと身に付いているか、常日頃から自分に問いかけるようにしてください。


もちろん、現場で思い通りの案件にアサインされるとは限りません。
「レガシーなVBなんてやりたくな〜い!!」って思っていても、仕事ですからダダをこねるわけにはいきません。


そんなときはどうしましょうか?
う〜ん、どうしましょう?


まずは直属の上司に自分のチャレンジしたいことを常日頃から伝えておきましょう。
そういう案件があればうまくアサインされるかもしれません。


また今は便利な世の中ですから、ほとんどの開発環境は自宅でフリーでそろえられます。
なので、プライベートな時間を使って、自習をすることもできます。
オープンソースソフトェアのコードを読んだりすることもできますし、がんばればコードを投稿することもできます。


メルマガやRSStwitterなんかを活用してインターネットでイマドキの情報を収集することも可能です。
勉強会やセミナーに自分で足を運ぶのもアリです。
自分から情報を発信すれば色んな人と交流できたりもします。


もちろん本を読むことも忘れちゃいけません。
現在の業務と全然無関係な本も読んでみましょう。
意外な場面で応用できたりすることもありますよ。


・・・などなど、やろうと思えばやれることはいくらでもあります。
そういう前向きな姿勢があれば、「現場の仕事しかやらない人」よりも世間は高く評価してくれるはずです。
自分の知識やスキルを日々研鑽し、世間で通用する職人を目指しましょう。

最後に

新卒者へのメッセージといいながら、ちょっと脅しめいた言葉ばっかり並べちゃった気もしますね (^_^;


でもおいらはなんだかんだ言いながら楽しんでますよ。
仕事なんで楽しいことばっかり、というわけにはいきませんが、設計やプログラミングといったアクティビティ自体は、創造性や謎解きのような面があって面白いです。


前の会社にいた頃のエピソードをいくつか挙げましたが、悪いことばかりだったわけではなくて、今思い返してもエキサイティングな面白いプロジェクトにも参加させてもらったこともあります。
素敵な先輩にもたくさん出会いました。


だから「悪いことは言わないからやめとけ」みたいなことを言うつもりは毛頭ありませんのでご心配なく。


こんなことを書いてると、他にも色々と言いたいことが出てきましたが、キリがなくなってしまうのでこのへんでおしまいにしておきます。
じゃあ、がんばってね〜☆

参考文献

入社していきなり読む必要はありませんが、半年から1年ぐらいして何本かプログラムを書いた後に、下の本を読んでみてください。
そしてそこに書かれている内容と自分の現場や先輩の言葉、現場で目にしたプログラムを比較してみてください。
全然違うことが書かれていると思います。たぶん・・・(苦笑)。

Code Complete第2版〈上〉―完全なプログラミングを目指して

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Code Complete第2版〈下〉―完全なプログラミングを目指して

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Code Craft ~エクセレントなコードを書くための実践的技法~

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達人プログラマー―システム開発の職人から名匠への道

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ピープルウエア 第2版 ? ヤル気こそプロジェクト成功の鍵

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当たりもハズレも含めて、おいらは今までこんな本を読んできました。


中でも特にオススメなのはこのあたりです。


おいらはこんな感じで情報収集やってます。


ひどい現場の例も挙げておきます。
こんな現場やこんな上司(三浦マネージャ)に遭遇したら要注意!

*1:ちなみに現場の変なプロセスやルールには歴史的な経緯が深く関わっていることが多いです。

*2:こういう人のことをCode Craftという本では「似非グル」と呼んでいます。