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西脇.rb&神戸.rbの活動内容と、やってみてわかったIT勉強会運営のコツ

はじめに

僕は毎月、西脇.rbとしてRubyの勉強会を開いています。
厳密には西脇.rb単体としてではなく、Akiさん(@spring_aki)の神戸.rbと合同で勉強会を開催しています。


最近このブログであまり西脇.rbの活動報告をしてこなかったので、久々に活動内容をまとめてみようと思います。
あと、勉強会を自分で開催するようになって1年が過ぎたので、コミュニティ活動を通じて感じていることや、運営のポイント、コツ等についても書いてみます。


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備考: 東灘.rbは「神戸.rb」に名称変更しました

2014年7月に東灘.rbは「神戸.rb (Kobe.rb)」に名称変更しました。
このあとの内容やリンク先のページに「東灘.rb(Higashinada.rb)」が出てきたら、「神戸.rb」のことだと読み替えてください。


最近の活動内容

最近3ヶ月の活動内容はこんな感じでした。

Ruby/Rails設計相談会 (2014-07-26)

ソニックガーデンのCTO、松村氏(@mat_aki)がちょうど神戸に帰省していたので、松村氏をフィーチャーした勉強会を開催しました。


この勉強会では西脇.rb/神戸.rbのメンバーが普段Railsアプリケーションを開発しているときに困っていることや、確信がないまま実装を進めている内容について、「みんなどうしてるの?」「本当はどうするのがいいの?」といったことを松村氏に尋ねたり、みんなでディスカッションしたりしました。


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懇親会はビアバッシュ形式でした。
途中で即席のLT大会をやったりして、懇親会も盛り上がっていました。


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なお、この勉強会はこれまで僕たちの勉強会に参加したことのある人だけが参加できる「プライベート勉強会」として開催しました。
なので、告知ページはありません。


ペアプログラミング In Action with Shinosaka.rb (2014-06-28)

6月の勉強会はShinosaka.rb(新大阪.rb)のむらじゅんさん(@murajun1978)の発案で、Shinosaka.rbのみなさんと一緒に勉強会を開催しました。


内容はペアプログラミングでTDDBCの自販機問題を解く、というものです。
ペアプログラミングでは西脇.rb/神戸.rbのメンバーとShinosaka.rbのメンバーがペアになるようにしました。


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懇親会もShinosaka.rbのメンバーと合同で開きました。
普段あまり会うことのないRubyistと一緒に技術的な会話ができて、とても楽しい一日でした。


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告知ページ: ペアプログラミング In Action with Shinosaka.rb - Doorkeeper


リファクタリング Dojo (2014-05-31)

5月の勉強会は「リファクタリング」をテーマにした勉強会をしました。


この勉強会は事前に参加者が共通のプログラミング問題を解いてもらい、当日そのコードを全員でレビューしながらどこをどうリファクタリングすればいいかをディスカッションする勉強会です。


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簡単なプログラミング問題でもみんなそれぞれ書き方が違うし、コードレビューをする中で「なるほど、そんな書き方できるのか!」という発見もあったりして、Rubyプログラミングの奥深さを実感できる勉強会でした。


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告知ページ: リファクタリング Dojo - Doorkeeper


その他、過去のイベントについて

Doorkeeperのコミュニティページで過去のイベントを確認することができます。
「他にどんなことやってるんだろう?」というのが気になる方はこちらを参考してみてください。

西脇.rb&神戸.rb - Doorkeeper



西脇.rb&神戸.rbってどんなRubyコミュニティなの?

「西脇.rb&神戸.rb」といっても全国的な知名度は全然ないと思うので、簡単にコミュニティ紹介をしておきます。

主な活動内容
  • だいたい1ヶ月に1回のペースでRubyに関する勉強会を開いています。
  • 原則、土日祝日に開催しています。
  • 会場は神戸近辺が多いです。ただし、毎回決まった会場があるわけではありません。
  • 少人数で開催します。いつも10人前後です。
  • 「お昼頃に集まって昼食会 → 昼過ぎから夕方まで勉強会 → 晩は懇親会」という流れが定番です。
  • 「誰かの発表をみんなで聞く」というセミナー形式ではなく、みんなでコードを書いてお互いにコードレビューし合うなど、参加者のアウトプットやディスカッションを重視しています。
  • 勉強会を開催していないときでもyouRoom内で随時Rubyに関する情報共有や質問、相談などが行われています。(顔の見えるメーリングリストみたいな感じです)

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Ruby未経験 or 初参加でも大丈夫?
  • 大丈夫です!実際、「Ruby未経験」や「今回初参加」という方もたくさん参加してくれてます。
  • みんなフレンドリーなので、初心者の方がおいてけぼりにされるという心配はありません。
  • 最低限、RubyとGit/GitHubのセットアップが終わっているラップトップPCがあれば十分です。
  • 初参加してくれた方のコメントはこんな感じです。

初めてのpair-programmingでした。Rubyは初心者で足手まといになると悪いなと思いながら出席させてもらいましたが,参加者の皆さんはとても気さくで話しやすく親切な人ばかりで大変楽しかったです。またぜひ参加したいと思います。

初参加で最初は緊張しましたが、昼ご飯を一緒に食べることで和らぎました。
コードレビューしてもらえたのはとてもありがたかったです。
いろいろな考え方、実装方法が見れて刺激になりました。
とにかくテンション上がりまくりです!ありがとうございます。

勉強会に参加する前の勉強会のイメージは、一部のITマニアやなんちゃってプログラマーが自己満足でやっているというイメージを持っていました。(そういう勉強会しか知らなかったんですね。すみません。)
勉強会を終えて、この西脇.rb & 東灘.rbには色んな分野の人が集まってて、それぞれの分野でも志高くてruby以外の部分でも色々勉強になりました。
今の会社に入って5年が経つのですが、IT関連の技術には本当に遠ざかっていてこのままではダメだなーって思ってたところだったので、勉強会のお陰で闘志に火が点きました!
参加して本当に良かったです。

こうした参加者のコメントや感想は、開催したイベントごとにGitHubのWikiページにまとめてあります。
興味のある方は覗いてみてください。

Home · nishiwaki-koberb/meetup Wiki · GitHub



1年間、Ruby勉強会を運営してみた感想や気付いたこと

西脇.rb&神戸.rbの勉強会は2013年3月にスタートしました。
なので、1年以上Ruby勉強会を運営したことになります。


いろいろやってみて、思ったことや気付いたことを以下にまとめてみます。

いろんな人と知り合えた

勉強会を開催する前は「本当に人が集まるんかな?」と結構心配でした。
とりあえず、僕とAkiさんの二人は主催者として参加するので、「最低でも二人集まれば勉強会だもんね~」みたいなことを冗談半分で言ってました。


しかし、実際やってみると、ありがたいことに思った以上の参加者が毎回集まりました。
しかも、いろんなバックグラウンドを持った人たちが集まってくれます。


自分で会社を起業した方だったり、インターナショナルスクールの先生だったり、中学生の男の子だったり、普段の業務ではまったくRubyと無縁の仕事をしている方だったり、本当に十人十色な感じです。


たぶん、この勉強会をやっていなかったらこんなにいろんな人たちと出会うことはなかっただろうな~と思っています。


少人数&ディスカッションを重視しているからこそ人脈が広がった

単に勉強会を開いたから人脈が広がった、というわけではありません。
人脈が広がったのは少人数でディスカッションを重視している影響も大きいと思います。


僕の過去の経験からして、セミナー形式の大規模な勉強会は気軽に参加できるというメリットがある一方、新しい出会いが生まれる可能性はあまり高くありません。
以前、200人規模の勉強会に参加したことがありますが、そのときは

みんな無言でエレベーターに乗る
 ↓
席に着いたらみんな無言でPCを見つめている
 ↓
発表中はみんな無言で発表者の発言をPCに打ち込む
 ↓
勉強会が終わったらみんな無言で解散する

・・・みたいな感じで、誰とも全く話さないまま終わりました。


一方で、その昔参加したSendagaya.rbでは、まさに少人数&ディスカッション形式の勉強会になっていて、みんなで技術的なネタを話し合うのがとても楽しかったですし、少人数なのに(少人数だから?)知り合いも増えました。
そのときのメンバーとは今でもTwitterやFacebookでやりとりしています。


こういう対照的な勉強会に参加した過去の経験があるので、「自分が勉強会を開くならSendagaya.rbのようなタイプの勉強会にしよう」と思い、西脇.rbの勉強会を始めました。
実際、思い描いていたとおりの結果になっているので、自分の選択は間違ってなかったと思っています。


参加メンバーに感謝されると嬉しい

首都圏に比べると神戸方面のRubyist人口はまだまだ少ないと思います。
なので、「RubyやRailsを使っているけど、情報交換する場所がなくて独学になってしまっている」という方が時々います。
そういった方が僕たちの勉強会に参加すると「こんな場所があったなんて!!」と大喜びしてくれます。


そんなふうに参加メンバーの方に喜んでもらったり、感謝されたりするのは勉強会の運営者として純粋に嬉しいです。


コードへの意識、知識が深まって、Qiita等へのアウトプットが増えた

僕たちの勉強会ではコードを書いたりレビューしたりすることを重視しているので、いろんな人が書いたいろんなコードを読んだりします。
なので、「そんな書き方があるとは知らなかった」と勉強になることもありますし、「初心者の人はよくこういう間違いをするな」と気付くこともあります。


そういうことを繰り返すうちに、今まで以上に「良いコード」「悪いコード」への意識や知識が深まった気がします。
その結果、自分が学んだことや気付いたことを他の人にも知ってもらいたいという欲求が高まり、Qiita等への投稿が増えました。


以前Qiitaに投稿したこの記事なんかは、まさに西脇.rbをやっていたからこそ書けた記事なのでは、と思っています。


[初心者向け] RubyやRailsでリファクタリングに使えそうなイディオムとか便利メソッドとか


だんだん「少人数」で収まらなくなってきたのが最近の悩み

贅沢な悩みなのかもしれませんが、だんだんと参加メンバーが増えつつあるので、勉強会の開催を告知すると「定員オーバー」になることが増えてきました。
とはいえ、参加者全員に対してコードレビューしようとすると、コードレビューの時間だけで何時間も必要になってしまうので、簡単に定員を増やすこともできません。


この問題についてはまだ「これ」という良い解決策が見つかっておらず、Akiさんと「どうしようかな~」と悩んでいるところです。


毎月開催するのは結構大変

月1回の勉強会開催は少ないように見えて、意外と多いです。
ぼーっとしているとあっという間に次の開催日が近づいてきます。


勉強会のテーマを考えたり、告知ページを作ったり、当日の流れを考えたり、なんやらかんやらやってると、そこそこ時間が取られます。
幸い、運営者は僕とAkiさんの二人なので、ある程度負荷分散できているのが救いですが、毎月これを一人でやれと言われるとかなりハードだと思います。
あ、でも最近はそれに加えて参加メンバーにも懇親会の幹事役をお願いしたりして手伝ってもらっていますね。


また、土日を使って開催するので「え~、お父さんまた出かけるの~?」と子どもたちに白い目で見られるのもちょっと父親として辛いところかな。。。
もちろん、出かけてる間は妻にも負担をかけちゃうので、それも申し訳ないところです。
そのぶん、別の土日で極力家族サービスしてバランスを取ってるつもりなんだけど、どうなのかな~??(誰か聞いておいてくださいw)



1年やってみてわかった勉強会運営のポイントやコツ

1年前は僕も「運営初心者」でしたが、1年やってみていろんなことがわかってきました。


勉強会を開いてみたいと思っていたり、勉強会を運営してるけどなかなかうまくいかないと思っている方たちのために、「こんな地方のIT勉強会でもこうやって楽しくやれてますよー」というポイントやコツみたいなものをまとめてみます。


運営者が二人いると負荷分散や相談ができて良い

前述の通り、僕はAkiさんと二人で毎月勉強会を開いています。
二人でやるとお互い負荷分散ができるので、片方が忙しいときでももう片方の頑張りで勉強会を開催できます。


また、困ったときの相談ができるのも助かるところです。
勉強会が終わったら、毎回二人で「ふりかえりミーティング」をやっているのですが、これも一人じゃできないポイントです。


二人で運営する大きなデメリットはこれといって思いつかないので、二人で運営するのは結構オススメです。
でもやる気や方向性は同じじゃないと、ケンカ別れしちゃうかもしれませんね。


日程は早めに決めて会場をおさえる

いい会場は早く埋まります。
1ヶ月前に予約しようと思っても、すでに取られてしまっていることも多いです。


最低でも2ヶ月先、できれば3ヶ月先までの開催日を決めて、早めに会場をおさえておくのがいいと思います。
早めに日程を決めておくと、他の参加メンバーも予定を調整できるので喜ばれます。


勉強会3種の神器 = 「電源」「無線LAN」「プロジェクタ」

勉強会で絶対必要なのが「電源」「無線LAN」「プロジェクタ」の3つです。
最低この3つがあれば勉強会は開催できますし、逆にどれか欠けると開催は厳しいです。


というわけで新しい会場を探すときはまず「電源」「無線LAN」「プロジェクタ」を確保できるかどうかを確認するようにしています。


参加費について

赤字にまでして勉強会を運営する必要はないと思います。
会場代がかかるのであれば、それをまかなえるだけの参加費は徴収して良いと思います。
幸い、今のところリーズナブルな会場を使ってきているので、参加費は一人1000円以内に収まっています。


収支的には毎回「ちょっと黒字」なので、だんだんとプール金が貯まってきました。
このプール金を何に使うか、どうやったらメンバーに公平に還元できるか、というのが最近のちょっとした課題になっています。


告知や拡散について

勉強会を告知する際の方法は主に以下の4パターンです。

とはいえ、公式TwitterアカウントやFacebookページはたいしてフォロワーやいいね!が付いていないのであまり効果があるようには思いません。


「インターネットで神戸近辺の勉強会を検索してたら見つけた」とか「メンバーのツイートを見てたまたま気付いた」というようなパターンが多い気がします。


全く参加したことのない人からすると、「とりあえず勉強会の存在は把握したけど、中でどんなことをやっているのかわからなくて参加しづらい」と思われることがあるようです。
なので、主催者やメンバーがブログ等で開催レポートや参加レポートを積極的に書いた方が、初参加のハードルを下げられると思います。
今回このエントリを書いているのも、そうした目的の一環です。


参加者のドタキャンについて

勉強会を運営していると、参加者のドタキャンが悩みの種だ、みたいな話を時々耳にしますが、幸いなことに僕たちの勉強会では無断欠席のようなひどいドタキャンは発生したことがありません。


これは少人数で開催するぶん、ドタキャンに遭遇するリスクが下がっているのと、勉強会開催前にyouRoomでメンバー同士で自己紹介を交わしたりしているのがいい効果をもたらしたりしてるんじゃないかなーと思っています。
最初から参加者同士のつながりをできるだけ強くすることが大事ですね。


コミュニティのビジョンやポリシーを明確にする

ビジョンやポリシーなんてなくても勉強会は開催できますが、明確になっていると新しい勉強会のテーマを考えたりするときの「良い物差し」になってくれます。


たとえば西脇.rb&神戸.rbでは「アウトプットとコードレビューを重視する点」と「みんなで平等にディスカッションする(参加者を講師とオーディエンスに分けない)点」を大事にしています。



まとめ

というわけで今回は西脇.rbの最近の活動や、1年間運営してみた感想、勉強会運営のポイントやコツなどをまとめてみました。


西脇.rb&神戸.rbの活動に興味を持っている方や、自分で勉強会を開いてみたいと思っている方の参考になれば幸いです!


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