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【書評】RSpecの初心者から上級者まで役立つ!「Effective Testing with RSpec 3」を読みました

はじめに

数ヶ月前、RSpecコミッタのYuji Nakayamaさん(@nkym37)から突然連絡がきて、「リードメンテナのMyron Marstonが今度RSpecの本を出版するんだけど、Myronが日本人のレビュアーを探している。なので伊藤さん、レビュー記事を書いてみない?」というお話を受けました。
「はい、興味あります!書きます!!」ということで、二つ返事でオファーを受けることにしました😄

というわけで、今回読んだのがこちらの「Effective Testing with RSpec 3」です。

Effective Testing With Rspec 3: Build Ruby Apps With Confidence

Effective Testing With Rspec 3: Build Ruby Apps With Confidence

このエントリではこの本の概要と僕個人の感想をいろいろ書いてみます。
(本を提供してくれたMyron Marstonさん、どうもありがとうございます!日々進めてくれているRSpecの開発にも感謝します!)

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僕はEPUB版をiPadに入れて読みました。

本の構成

本書は5つのパート、15の章に分かれています。
対象となるRSpecのバージョンは3.6です(2017年9月時点での最新バージョン)。

以下に各パートの概要を述べていきます。

パート1 「さあはじめよう」

簡単なRubyプログラムをRSpecでテストしながら、RSpecの基本を学ぶパートです。
3章ではテストの種類や良いテストや悪いテストについて説明しています。

  • 1章 RSpecをはじめよう
  • 2章 Specを書いて実行する
  • 3章 RSpec Wayとは
パート2 「RSpecでアプリを作る」

SinatraとSequelで簡単なWeb APIを開発し、それをいろいろなレベルごとにテストするパートです。
パート1よりもさらに実践的なテクニックが学べます。

  • 4章 外側から作る: 受け入れスペック(Acceptance Specs)
  • 5章 個別にテストする: ユニットスペック(Unit Specs)
  • 6章 実物に近づける: 統合スペック(Integration Specs)
パート3 「RSpec Coreについて詳しく」

it/example/specify、describe/context、before/afterフック、メタデータ、spec_helper.rbの設定など、RSpecに用意されている各種機能を掘り下げて説明するパートです。

  • 7章 exampleの構築と整理
  • 8章 メタデータでスペックをさらに便利に
  • 9章 RSpecを設定する
パート4 「RSpec Expectationsについて詳しく」

エクスペクテーションが動作する仕組みやデフォルトで用意されているマッチャの仕様、独自のマッチャの作成など、データを検証するための機能やテクニックを詳しく解説するパートです。

  • 10章 RSpecのエクスペクテーションを詳しく知る
  • 11章 RSpec Expecationsに含まれるマッチャ
  • 12章 カスタムマッチャを作成する
パート5 「RSpec Mocksについて詳しく」

単にモックの使い方を説明するだけでなく、モックやスタブの違い、モックの正しい使い方なんかも詳しく説明してくれるパートです。

  • 13章 テストダブルを理解する
  • 14章 テストダブルをカスタマイズする
  • 15章 効果的にテストダブルを使用する

全体的な感想

僕個人の感想としては非常に良かったです!いや、ほんとに。お世辞抜きで。
さすがRSpecのリードメンテナが執筆に携わっているだけあって、すごく詳細にRSpecの機能が紹介されています。
RSpecにはそれなりに詳しい僕でも知らない機能がいくつかありました。

また、機能を説明する際のユースケースやサンプルコードもかなり実践的なものが多かったです。
本を読みながら「うん、たしかにそういうケースはよくある!」と大きくうなずけるポイントが多数ありました。
なので、本で学んだ内容の多くはすぐに実務のテストコードで適用できるはずです。
僕も早速この本で知った"filter_run_excluding"を使います!

さらに、この本が説明するのはRSpecの機能だけではありません。
どんなテストコードが良くて、どんなテストコードが悪いのか、という「効果的(effective)なテストコードの書き方」についても説明してくれています。
僕の周りでも「どんなテストを書けばいいのかわからない」という声はよく聞くので、そういう人たちには打ってつけの内容になっています。
(「何をテストしないか、を検討すべし」とか、初心者の人はあまり考えたことがないのでは?)

もちろん、高度な内容だけでなく、最初のパートではRSpecの基本から説明してくれるので、RSpecをまったく知らない初心者も付いていけるようにちゃんと配慮されています。
RSpecの設計思想なども要所要所で語られているので、「RSpecは難しくて嫌い」と言っている人たちもこの本を読むとRSpecに対する考え方が少し変わるかもしれません。

というわけで、RSpecの初心者でも上級者でもすごくためになりますし、RSpecに限定されない「テストコードのベストプラクティス」や「モックの使用ガイドライン」まで説明されているところも素晴らしいと思いました。

細かい部分の感想など

パート2ではRailsではなく、あえてSinatraとSequelを使っているところが興味深かったです。
Railsを使わないのは「Railsは機能が多すぎるのと、ジェネレータがあるためにテストのセットアップ手順の勉強にならないから」ということでした。

最初は「えー、なんでRailsじゃないの?」と思ったのですが、普段あまり使わないSinatraとSequelの使い方がわかって、思わぬところで勉強になりました。
というか、いかに普段Railsのおかげで自分たちが楽をしているか(悪く言えば、いかに甘やかされているのか)ということを痛感しました。

ちなみに、本書の最後に出てくる付録パートで、rspec-railsの基本はさらっと説明されています。

あと、本文を読みながら思ったのは「RSpecってやっぱり、英語として読めるテストコードを強く意識してるんだなあ」ということです。
もちろん、ある程度までは「英語として読めるテストコード」は僕たち日本人にとっても嬉しいのですが、行きすぎるとそのこだわりがいまいちピンと来ないところが出てきます。

たとえば、本文の中で、

expect([]).to start_with( be_within(0.1).of(Math::PI) )

と書くよりも、

expect([]).to start_with( a_value_within(0.1).of(Math::PI) )

って書けた方が英語として読みやすいでしょ?という説明がありました。
ですが、日本人の僕からすると、「え?ああ、そう言われてみれば、そう・・・かな??🤔」と思ってしまいました。
この点はRSpecを読み書きする上で、英語ネイティブの人と非英語ネイティブの人の壁を少し感じる部分ですね。

本文の英語は平易で読みやすい

さて、この本はまだ翻訳されていないので英語で読む必要があります。
普段洋書を読まない人は「洋書なんて無理無理!!」と思うかもしれませんが、本書の英語は全体的に平易で読みやすいです。
コードも多いので、コードと一緒に英語を読めば、だいたい意味はつかめるんじゃないでしょうか。

洋書を読む上で必要なのは、

  • 「この技術が知りたい!」という強いモチベーション
  • 全部理解しようとせず、わかりにくいところがあっても立ち止まらずに読み進める勢い

の2つです。
これがあればなんとか読破できると思います。

公式サイトで販売している電子書籍版であれば、思い立ったときにすぐ手に入れることができるので、勇気を出して購入してみてください!

まとめ

というわけでこのエントリでは、先日発売された「Effective Testing with RSpec 3」の書評を書いてみました。

RSpecそのものにフォーカスした技術書といえば、これまで「The RSpec Book」しか選択肢がありませんでした。

The RSpec Book (Professional Ruby Series)

The RSpec Book (Professional Ruby Series)

  • 作者: David Chelimsky,Dave Astels,Zach Dennis,角谷 信太郎,豊田 祐司,株式会社クイープ
  • 出版社/メーカー: 翔泳社
  • 発売日: 2012/02/22
  • メディア: 大型本
  • 購入: 7人 クリック: 141回
  • この商品を含むブログ (19件) を見る

「The RSpec Book」もRSpecを学ぶ上では非常に良かったのですが、バージョンが古いのと、RSpec以外のテストフレームワーク(Cucumber)が占める割合が高い点がちょっと残念でした。

今回登場した「Effective Testing with RSpec 3」は、今までの定番だった「The RSpec Book」を見事にリプレースする出来になっていると思います。
「今風のRSpecの書き方を体系的に学びたい」という人にとっては最適な一冊になっているので、ぜひ一度読んでみてください。

Effective Testing With Rspec 3: Build Ruby Apps With Confidence

Effective Testing With Rspec 3: Build Ruby Apps With Confidence

最後に宣伝: 「プロを目指す人のためのRuby入門」もよろしくお願いします🙇

このブログでも何度か紹介していますが、僕も現在本を書いているところです。
「プロを目指す人のためのRuby入門」というRubyの入門書で、「Effective Testing with RSpec 3」に負けないぐらい実践的な内容を書いたつもりです。
2017年11月に発売予定ですので、こちらもぜひよろしくお願いします!
blog.jnito.com

あわせて読みたい

伊藤さんはいつもどんなふうに洋書を読んでるの?という質問を受けたので、それに対する回答をつらつらと書いてみました。
blog.jnito.com

MacBook Pro 13インチ(タッチバーなし)を選んだ理由と使ってみた感想

はじめに

最近妻が「このMacBook Air、遅くてイライラする~!!」とご立腹なので、梅田のヨドバシカメラへ新しいMacを探しに行きました。
まあ、MacBook Airを買ったのは5年前(2012年)だし、買った当時も一番低スペックのモデルだったので、そろそろ買い換え時だろう、と思い、新しいMacを買ってきました。

じゃーん!

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MacBook Pro 13インチ(タッチバーなしモデル)です。
というわけで今回はこのモデルを選ぶまでの経緯や、使用感等をレポートしてみます。

どのMac買うの問題

「よし買い換えるぞ!」と思っても、どのモデルのどんなタイプを買うのかはなかなか悩ましい問題です。
僕と妻が新しいMacに求める要件は次のような感じでした。

小さくて軽いこと
  • 今まで使っていたのがMacBook Air(11インチモデル)だったので、これと変わらないサイズや重量である方が嬉しい。
  • 日常的に家の中でMacを持ち歩いてテーブルの上で使ったり、ソファに座りながら使ったりする。
速いこと(日常的な用途で)
  • 日常的な用途で必要十分なスピードを出してほしい。
  • 最低でもYouTubeを見ながらネットサーフィンをしたり、ブログを書いたりするのにまったくストレスを感じないレベルの速さが必須。(MacBook Airはそのレベルでも怪しくなってきたので)
安いこと(というか高すぎないこと)
  • 予算は税込み20万以内。
iMacも一緒にリプレースできること(できれば)
  • MacBook Airの買い換えが一番の目的だが、できればもう1台あるiMacも処分して2台のMacを1台に減らしたい。
  • iMacはハイスペック(CPU=3.1GHz Core i7、メモリ=16GB、ストレージ=1TB)なので、これも一緒にリプレースしようとするとちょっとハードルが上がる。
  • iMacではたまにiMovieで動画の編集をしたりする(年に数回程度)ので、そのときは若干マシンパワーが必要。

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動画編集中の我が家のiMacさん

買い換えの候補

買い換えの候補に挙がったのは以下の3台です。

  • MacBook
  • MacBook Pro 13インチ(タッチバーなし)
  • MacBook Pro 13インチ(タッチバーあり)

スペックで比較するとこんな感じになります。

CPU メモリ SSD 重量 税込価格
MacBook 1.2GHz Core m3 8GB 256GB 0.92kg 154,224円
MBP(TBなし) 2.3GHz Core i5 8GB 256GB 1.37 kg 177,984円
MBP(TBあり) 3.1GHz Core i5 8GB 256GB 1.37 kg 214,704円

で、要件に対する評価はこんな感じです。

小さい 速い 安い iMac
MacBook
MBP(TBなし)
MBP(TBあり)

上の評価を軽く補足します。

  • MacBookは値段は一番低価格だが、CPUの性能を考えるとちょっと割高。なので「〇」。
  • iMacのリプレースを目指すと、メモリ=16GB、SSD=最低でも512GBが欲しいが、このオプションを付けると4万以上値段が上がる(かつ、ネットでしか買えなくなる)。なのでMBPでもiMacのリプレースは「〇」。

あと、上の評価には現れませんが、実物を見てみると同じRetinaディスプレイでもMacBookよりMacBook Proの方が発色がきれいだったように思います。

結論

上の表を見ればわかるとおり、全項目に「◎」を付くモデルはないため、いろいろ悩んだ結果、総合バランスが一番よい「MacBook Pro 13インチ(タッチバーなし)」を選ぶことにしました。

メモリやSSDがiMacに比べると少ないので余裕を持ってリプレースすることはできませんが、ギリギリなんとかなるのでは?と思い、このモデルにしました。

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あと、タイプCのUSBを従来のUSBに変換するアダプタも一緒に買いました。

Apple USB-C - USB アダプタ MJ1M2AM/A

Apple USB-C - USB アダプタ MJ1M2AM/A

それにしてもMacって最近高くなってませんか?
昔はもっと手ごろな価格でハイスペックなマシンが買えた気がするんですが。
5年前に買ったMacBook Airもたしか10万円しなかったと思うんだけどなあ。。

実際に使ってみた感想

実際に使ってみた感想はこんな感じです。

  • iMacに保存していたデータを整理して、なんとかデータは移行できた。SSDの空き容量は現時点で30GBぐらい(iPhone、iPadのバックアップデータが思いのほか容量を食う)。
  • メモリは起動直後で空き容量が2GBちょっと。
  • スピード的には今のところ十分(動画編集とかヘビーな使い方はしていないので)。
  • キーボードは思ったよりも打ちやすい。押し込む量が減った割にカチッカチッというクリック感(?)があって、従来のMacのキーボードより好きかも(妻はまだ慣れないと言ってるけど)。

というわけで、今のところ性能的には必要十分な感じですね。
ただ、SSDもメモリもそこまで余裕はないので、この先「やっぱりケチらなければ良かった~!!」と思う可能性は無きにしも非ずです・・・。

電源コネクタとUSB-Cの使い勝手はあまり良くない

ところで、性能面よりも実際に使って気になったのは電源コネクタ兼USB-Cの使い勝手です。
以前のMacBook Air/Proは磁石でピタッとくっつくMagSafeコネクタだったのですが、最近のMacはコネクタ部分がUSB-Cになっています。

うーん、これはMagSafeの方が絶対良かった。
着脱のしやすさでいえばMagSafeの方がはるかに上です。

我が家の場合、Macを片手に家の中をウロウロすることも多いので、結構頻繁に電源コネクタは抜き差しします。
MagSafeは片手で気軽に付けたり外したりできますが、USB-Cは片手でマシンを押さえながらじゃないと抜き差しするのが怖いです。

あと、充電済みかどうかの表示がなくなったのも地味に困ります。
MagSafe時代はあのオレンジやグリーンのランプが付くことで、「あ、ちゃんと充電できてるな」「よし、満タンになった」というのが目で見てわかりました。
でも、USB-Cにはそれがない。
なかったら死ぬ、というほどのレベルではないですが、それでもランプがあった方がはるかに便利でした。

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そもそもこのタイプCのUSBコネクタですが、少なくとも我が家にはひとつも対応機器がない。
なので、変換アダプタが必須になります。
機器とMacを直結できないのは面倒だし、見た目にもあまりスマートじゃない。
そのうちタイプCで直結できる機器も世の中に増えてくるのかもしれませんが、感覚的にはあまり増えてる気がしないんですよねえ。

ちなみに、我が家にはThunderboltからイーサネット(有線LAN)に変換するアダプタがあるのですが、新しいMacBook Proではこれもそのままでは使えません。
ここも不便だなあと思ったポイントのひとつです(データ移行時は有線LANでつなぎたかったのにできなかった!)。

Apple Thunderbolt-ギガビットEthernetアダプタ MD463ZM/A

Apple Thunderbolt-ギガビットEthernetアダプタ MD463ZM/A

そしていやらしいのが、タッチバーのなしのMacBook Proには本体右側にUSBポートがないところです!
「右側にUSBをつなぎたいなら、さらにお金を払ってタッチバーありのモデルを買いなさい」とAppleに言われているようで、「いやーな気分」になりました(それでもタッチバーなしを買ったけど)。

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左がタッチバーなしモデル、右がタッチバーありモデル

というわけで、電源コネクタとUSB-Cについては、正直言って「昔の方が良かった」と思わざるを得ません。

データ移行のコツ?

旧マシンからのデータ移行はTimeMachineにバックアップしたデータを、「移行アシスタント」を使って新しいMacBook Proに移行しました。

最初はマシンを起動した直後に表示されるセットアップ画面からいきなりデータ移行を実施したのですが、何度トライしても途中で止まってしまいました。
そこで、いったん普通にログインして、通常のデスクトップ画面から「移行アシスタント」で移行させてみたところ、うまくデータ移行できました(200GBちょっとのデータで約5時間)。

セットアップ画面から直接データ移行するのと何が違うのかよくわかりませんが、新しいMacへのデータ移行がうまくできない人は一度普通にログインしてからデータ移行させると良いかもしれません。

おまけ

今までに買ったラップトップマシンを一堂に会してみました。

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左から、

  • 旧MacBook(Late 2009)
  • MacBook Air 11インチ(Mid 2012)
  • MacBook Pro 15インチ(Mid 2015)
  • MacBook Pro 13インチ(2017)

です。

ちなみに白い旧MacBookは妻の実家で活躍していたMacですが、このたびMacBook Airとリプレースされ、旧MacBookちゃんは引退となります。
白くてカワイイやつだったんだけど、古すぎてそろそろ厳しくなってきましたねえ。

そういえば昔のMacはスリープ中に「寝息を立てているかのようなランプの点滅」をしてたんだけど、最近のMacではランプが点滅しなくなりました。

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背面のりんごマークも光らなくなって、Macらしい遊び心がだんだん減ってきている気がします。
ちょっと寂しいです。

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あ、そういえば起動音の「ジャーン!」っていう音もしなくなってますね。
やっぱりいろいろ寂しいなあ。

そしてこの4台のMacに対し、電源コネクタはなんと3種類!
さすがに変わりすぎじゃないですかね、Appleさん?

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まあ、どんどん便利になっていくのならまだ許せるのですが、前述のとおりUSB-Cは抜き差しの不便さがいかんともしがたい感じです。。

まとめ

というわけで、このエントリでは最近購入したMacBook Pro 13インチ(タッチバーなし)の紹介をしてみました。

不満も結構書いたので、「じゃあMacやめれば?」と思った人もいるかもしれませんが、なんだかんだで便利な部分もたくさん残ってるし、見た目にもオシャレなので、Mac(というかApple製品全般)からはまだまだ卒業できないな~と感じております。

これからもMacを使い続けるので、とりあえず電源コネクタだけはなんとかしてほしい!
MagSafeの復活を心から願ってます、Appleさん!

あわせて読みたい

過去に書いたMac関連の記事あれこれです。
Macを買ったときは何かしらブログを書いてます。

blog.jnito.com
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Mateus Asatoのギタークリニックに行きました(2017年8月24日 三木楽器アメリカ村店)

はじめに

2017年8月24日、三木楽器アメリカ村店で開催されたMateus Asatoのギタークリニックに行ってきました。
このエントリではこのギタークリニックの様子と僕の感想を書いてみます。

【20名様限定】Mateus Asato ギター・クリニック@三木楽器アメリカ村店(大阪) | Peatix
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Mateus Asatoって誰?

Mateus Asato(マテウス・アサト)はブラジル出身の日系人ギタリストです(本人のツイートによると、父方が完全に日本人の家系とのこと)。
1993年生まれの23歳(2017年8月時点)で、現在はアメリカのロサンゼルスを拠点に活動しています。

InstagramやYouTube、Facebook等のSNSで卓越したテクニックと繊細さを兼ね備えたギタープレイを積極的に発信し、多くのフォロワーを獲得しています(Instagramのフォロワーは35万人、YouTubeのチャンネル登録者は12万人)。

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僕とMateusとの出会い

僕がMateus Asatoを知ったのはFacebookでした。
たしか「この人のギタープレイはギタリストから見てすごい!と思わせるだけでなく、ギターを弾かない人からもいいね、と思われるようなギタープレイ」というコメントとともにMateusの演奏動画が紹介されていました。

どの動画だったか、はっきり覚えてはいませんが、たぶんこんな感じの動画だったと思います。


The Bridge - Mateus Asato

本当にそのコメントのとおりで、めちゃくちゃテクニカルなのは間違いないんだけど、メロディやハーモニーがすごく美しくて純粋なインストゥルメンタル曲としても聴いてて心地よい。

「うおー、この人すごい!!」と一気にハマり、Mateusの大ファンになってしまいました。

しかし、Mateusはアメリカで活動しているギタリスト。
SNS上では世界中でカリスマ的な人気を誇っていますが、日本国内の知名度はまだまだ低いです。
「生でギタープレイが見られる機会なんてないんだろうな~」と思っていたら、なんと突然アジアツアーの発表が!!

これは何が何でも行かねば!!ということで、速攻でチケットを予約したのでした。

ギタークリニックの様子

僕は当日、2番目に会場に着いていたので、Mateusのど真ん前に座ることができました。
こちらはMateusが登場する前に撮った写真です。

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この距離であのMateus Asatoが見られるなんてすごすぎる・・・!!!

Mateusの登場前にスタッフの方から説明があり、「写真撮影、動画撮影OK、SNSへの拡散もどんどんやってMateusを盛り上げてください」とのこと。
なんとSNS拡散までOKとはびっくり!
こんな太っ腹なライブ(正確にはギタークリニックだけど)は初めてです。

そしていよいよMateusが登場し、参加者全員で拍手でお出迎え。
「うおー、本物だ!!すげえ!!」と、年甲斐もなく大興奮してしまいました。

「と、とりあえず、写真を一枚・・・」と、演奏前にギターのチューニングをするMateusをパシャリ。

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この日のギタークリニックは最初に2~3曲デモ演奏し、それからギターを始めてから現在に至るまでのギター歴(ギターにまつわるエピソード)をMateusが語り、その後、Q&Aタイムとデモ演奏を2回ほど繰り返して終了、という構成でした。
(ちなみにMateusは英語でしゃべって、主催者の方が通訳していました)

こちらはギタークリニック当日のデモ演奏の一部です。


印象に残ったMateusの話

SNSではギターを演奏している様子しか見ていないので、人となりはわからなかったのですが、本物のMateusはとてもフレンドリーで気さくに話してくれる好青年でした。

Mateusはいろんな話をしてくれたのですが、その中から印象に残っている話をいくつかピックアップします。

  • エレキギターが弾きたかったのに最初に渡されたギターはアコギだった。当時9歳か10歳ぐらいだったMateusはFがうまく押さえられなくて泣いたことがある。
  • 19歳の時にアメリカへ渡り、ロサンゼルスのMI(Musicians Institute、有名な音楽学校)に入学した。MIに行った意味は非常に大きかった。理論を学ぶことで自分の音楽の幅をすごく広げることができた。
  • MIで最初に習ったのは指板上のドの音を全部覚える、というレッスンだった。今まではフォーム(形)で弾き方を覚えていたので、指板を縦(1弦から6弦の方向)に動くことが多かった。しかし、このレッスンを受けてからは指板の上を横方向(ネック側からブリッジ側)にも動けるようになった。
  • 曲を作るときは思い浮かんだメロディをループさせながら、意外性のあるコードをいろいろ重ねて実験をする。(実際にやってみましょう、とその場で実演もしてくれた。これがすごくMateusの曲っぽかった!)
  • 音作りはオーバードライブが基本。ディストーションは使わない。ギターのボリュームやピッキングの強さ、選択するピックアップで同じセッティングのまま、クリーンサウンドからオーバードライブサウンドまでを弾きわけている。(これは僕が出した質問に対する回答です!)

Mateusの話を聞いて感じたこと

Mateusの話を聞いて感じたのは、「あ、この人も同じ人間なんだ」ということです。

「Fがなかなか押さえられなかった」とか、「MIに入る前はフォームで弾き方で覚えていた」みたいなことはギターを弾く人なら誰でもよくある話です。
Mateusのギタープレイはたしかに「指板の上を自由自在に動くな-」と思っていたのですが、それも「MIで習ったレッスンが役に立っている」と聞いて、「ああ、なるほど」と思いました。

作曲に関しても「どうやったらあんな曲が作れるんだろう?」と思っていましたが、その場で曲作りのやり方を実演してもらうと、「あ、こんなふうにして作るとたしかにMateusっぽくなるなあ」と思いました。
しかも曲作りの実演中、メロディに当てたコードがちょっと外れておかしな響きになってしまい、「実験だからこんなふうに失敗することもあるんだよ」と笑っていたのも「あ、普通の人やん」と感じたところです。

1%の才能・センスと99%の努力

InstagramやYouTubeで見えるのは「完成されたギタープレイ」なので、そこに至るまでの過程は見えません。
なので、「突然現れた天才ギタリスト!!」とか「曲も空から降ってきてるのでは!?」と思ってしまいがちです。

でも、こうやってギターで苦労したエピソードや曲作りの裏話を教えてもらうと、そこに至るまでの過程が見えるので、「努力したからこれだけ弾けるんだ」「試行錯誤を繰り返しながら曲ができるんだ」ということを理解できました。

もちろん生まれ持っての才能やセンスも大きいとは思いますが、エジソンが「天才は1%のひらめきと99%の努力」と言ったのと同様に、Mateusのギタープレイも「1%の才能・センスと99%の努力」の結果なのかもしれません。

本物のMateusに会って、本人の話を直接聞くことで、「天才・神・仙人」みたいなイメージだったMateus Asatoから、自分と同じ「人間」のMateus Asatoに印象が変わったのが、僕にとって一番大きな収穫でした。

最後にツーショット写真とサインをもらった

ギタークリニックが終わった後に全員で集合写真を撮り、それから一人ずつツーショット写真を撮ってもらいました。

ちなみに僕は仕事で使っているパソコンのキーボードの裏にサインを書いてもらいました。

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なんでパソコンのキーボード?と思われるかもしれませんが、キーボードの裏ならずっと使っていても消えにくいだろうと思ったからです。
あと、仕事で使っている道具なので、いつでもすぐに見ることもできますし。

何はともあれ、大満足の1時間半でした。
Thank you, Mateus!!

まとめ

というわけで、このエントリでは三木楽器アメリカ村店で開催されたMateus Asatoのギタークリニックの様子と感想を書いてみました。

Mateus Asatoを知らなかった人はぜひInstagramやYouTubeで彼のギタープレイをチェックしてみてください!

www.youtube.comwww.instagram.com

参考:このブログを書いている人・伊藤淳一

普段はWebプログラマーとして働く、ギター好き・音楽好きの元バンドマンです。
ギターは学生時代に弾いていて、しばらくブランクがありましたが、最近またギター熱が高まりつつある今日この頃。

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東京会場のレポート記事です。
こちらも興味深い話がたくさん載っているのでオススメです!

youngguitar.jp