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RubyプログラマによるEIZO EV2785(27インチ・4Kディスプレイ)使用レビュー

はじめに

僕は2019年1月末に、EIZOのEV2785-BKという27インチ・4Kディスプレイを購入しました。

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このディスプレイを購入して2ヶ月ほど経ったので、実際に使ってみた感想をあれこれ書いてみようと思います。

なお、僕の使用環境は以下のとおりです。

使用PC
MacBook Pro 2017 13-inch, Touch Barありモデル
主な用途
プログラミング(職業は在宅で働くRubyプログラマ)
その他
EIZO EV2736Wからの買い換え

【もくじ】

それでは以下が本編です。

購入の動機

最初に、EV2785を選んだ動機を説明します。
このディスプレイを購入しようと思った理由は、主に以下の3つです。

動機その1:4Kディスプレイがどんなものが気になって仕方なかった!!

先ほども書いたとおり、このディスプレイに買い換える前は同じEIZOのEV2736Wという27インチモニタを使っていました。

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以前使っていたEV2736W(EV2785に似てるけどフレームがちょっと太い)

このモニタも解像度は2560x1440なので十分な広さがありますし、日常的に使う上で大きな不満があったわけでもありません。
ですが、巷で聞く「4Kディスプレイ」なるものがいったいどんなものなのか、仕事で使うとどんなふうに印象が変わるのか、といったことがずっと気になっていました。

「4Kディスプレイ、気になる、気になる、気になる・・・!!」と4Kディスプレイのことが気になりすぎて、だんだん精神衛生面で支障をきたし始めたので、思い切って購入することにしました😅

参考:4Kディスプレイとは

ちなみに「4Kディスプレイってそもそもなんやねん」と思っている方もおられるかもしれませんが、4Kディスプレイとは画面解像度が3840x2160となるディスプレイのことを指すそうです(EV2785の解像度も、やはり3840x2160です)。
で、横方向の解像度が3840なので、「3840 ≒ 4000 = 4K」と呼ばれるみたいですね(参考)。

もっと雑に言うと、僕の中では「RetinaディスプレイのPCモニタ版みたいなもん」だと思ってます。

iPhoneを使っている方はわかると思いますが、最近のiPhoneは非常に画面の解像度が高くなって、液晶のドットがほとんど目に見えなくなっています(=Retinaディスプレイ)。
4Kディスプレイもそれと同様に、液晶のドットがわからないぐらいの高い解像度を備えています。

動機その2:USB-Cケーブル1本で電源周りをスッキリさせたかった!!

僕は普段MacBook Pro 2017(MBP)をディスプレイにつなげています。
現行のMBPは電源の供給や外部ディスプレイとの接続を全部USB-Cケーブルで行います。

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MBPは電源供給や外部ディスプレイ接続をUSB-Cで行う

ふつうのディスプレイでは電源とディスプレイで計2本のケーブル接続が必要になりますが、EV2785(4Kの方)を使うと、USB-Cケーブル1本で電源供給とディスプレイ接続が完了します。

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Image: https://www.eizo.co.jp/products/lcd/ev2785/

プログラムもケーブル類も、どちらもシンプルであればあるほど嬉しいので、USB-Cケーブル1本でセットアップが完了するのは非常に魅力的です。

動機その3:EIZOディスプレイを使い続けているので、4KディスプレイもEIZOを使いたかった!!

4KディスプレイはEIZOだけでなく、いろいろなメーカーから発売されています。
また、販売価格も以下のLGのディスプレイのようにEIZOより安いものが大半です(LGは機能的にEV2785とほぼ同等の製品が7万円台で買えるが、EV2785は10万を超える)。

ですが、僕はこれまでEIZOのディスプレイを使い続けています。
外出先ではたまに他のメーカーのディスプレイに接続したりしたことがありましたが、画面の発色等の面で「やっぱりEIZOの方がいいな〜」と思うことが多かったです。

僕はプログラマなので、ほとんど1日中モニタを見ながら仕事をしています。
ですので、「安かったけど失敗した〜!」と後悔するよりは、多少高くても安心できるブランドの方が良いと考えました。


・・・と、動機だけで長々と書いてしまいましたが、ここからいよいよ本題の使用レポートに入っていきます。

EV2785の第一印象:目が疲れない✨

EV2785を使い始めたときの第一印象はズバリ、「目が疲れない」です。

いや、「おまえはその前もEIZOのモニタを使ってただろ、そのときはそんなに目が疲れとったんかい!」と突っ込まれるかもしれませんが、ちょっと詳しく説明させてください。

たしかに、EV2736W(4Kじゃない方)も十分良いディスプレイでした。
EV2736Wを使っていて極端に目が疲れるとか、不満だらけだったということは全くありません。

が、こうやってEV2785に買い換えてみると、4KディスプレイのEV2785はめちゃくちゃ自然に見えます。
例えるなら「まるで印刷物を見ているよう」「カラーになった電子ペーパーみたい」といった印象です。

なぜそう感じるのか?僕が考える3つの理由を以下に述べます。

理由その1:液晶のドットを脳内で補正しなくて済むようになった

まず、当然のことながら4Kディスプレイにすると液晶のドットがほぼわからなくなります。
そして、こうやって液晶のドットが見えないレベルになって初めて、「あー、今まで僕の脳みそはがんばって液晶のドットを脳内で補正してたんだ」ということに気づきました。

なので、液晶のドットが見えなくなるだけで、「無意識にやっていた脳内の補正処理」が不要になって、目の疲れが軽減されます。

写真で見る4Kディスプレイの違い

百聞は一見にしかず、ということで、がんばってiPhoneで画面の写真を撮ってBefore/Afterを比較してみたんですが、違いがわかりますかね・・・??
(たとえば、1行目右端の「言」という文字を見ると違いが明確かも)

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EV2736W(4Kじゃない方)
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EV2785(4K)

こちらも同じく、EV2736WとEV2785の比較写真です。

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EV2736W(4Kじゃない方)
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EV2785(4K)

RubyMineの小さな文字もボケずにくっきり表示される

僕は普段、RubyMineというIDE(統合開発環境)を使ってプログラムを書いているのですが、RubyMineは画面中にいろんな情報が表示されています。

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RubyMineの表示例(画面解像度は2560x1440)

たとえば、画面の右下にはすごく小さな文字でメモリの使用量等が表示されているのですが、EV2785では高い解像度のおかげでボケずにくっきり表示されます。

こちらもBefore/Afterを比較してみましょう。

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EV2736W(4Kじゃない方)は、にじむようなボケ方をしていた
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EV2785(4K)だと小さな文字もつぶれない

EV2736Wを使っていた頃は特に不満を感じなかったところも、EV2785を使うようになって初めて「あ、4Kディスプレイにするとこんなに変わるんだ」と気づかされました。

理由その2:発色がソフトで温かみのある色合いになった

次に、EV2736Wに比べてEV2785では液晶の発色がソフトで温かみのある色合いになりました。
EV2785はなんか機械っぽくない色合いなんです。

EV2736Wも十分発色は良かったと思うんですが、EV2785はその発色の良さに加えて「自然さ」や「温かみ」を感じます。
言葉だけでは伝わりにくいかもしれませんが、この機械っぽくないナチュラルな感じが、目を疲れさせない要因の一つになっていると僕は感じます。

理由その3:画面の映り込みがさらに軽減された

最後に、EV2736WもEV2785も、どちらもアンチグレア(非光沢)処理が施されているのですが、EV2785に買い換えてからは画面の映り込みがさらに軽減されたように思います。

たかが映り込み、されど映り込み。
僕は自宅で仕事をしていることもあって、昼間は日光の差し込む場所や角度が結構変わります(季節によっても変わります)。
なので、映り込みの問題は意外と重要です。

EV2736Wも画面は非光沢だったので、使っていた当時は大きな不満はありませんでした。
ですが、EV2785はさらに映り込みが減ったため、目の疲れもより軽減されました。

もう少し詳しく言うと、EV2736Wは多少プラスチック感のある、やや硬い反射で、ときどき「今このへんがぼんやり光っているな」というのがわかりましたが、EV2785は画面が紙のような質感になって、反射している箇所がほとんどわからなくなりました。


このような理由から、僕はEV2785に対して「目が疲れない」「まるで印刷物を見てるみたい」といった印象を持っています。

さらに:USB-C接続でケーブル類がスッキリ

「購入の動機」でも書いた通り、EV2785はUSB-Cケーブル1本で電源の供給とディスプレイ接続を実現できます。

実は以前使っていたEV2736WでもUSB-Cハブを駆使しながら「USB-Cケーブル1本接続」を実現していました。
しかし、あまりシンプルな配線ではなかったために、ケーブルボックスの中はぐちゃぐちゃになっていました(詳しい話は以下のブログに書いています)。

blog.jnito.com

ですが、EV2785にしてからはUSB-CハブやMBPの大きなACアダプタがいらなくなったので、今までぎゅうぎゅう詰めだったケーブルボックスの中に余裕ができました。

下の写真はケーブルボックスのBefore/Afterです。
真上から撮っている&全体的に黒っぽいので少し分かりにくいですが、よく見ると全体的に空間的な余裕が増えています。

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Before
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After

EV2785があればUSB-Cハブいらず

ちなみに僕は外付けキーボードとしてHappy Hacking Keyboard(HHKB)を使っているのですが、HHKBのUSBケーブルはEV2785のUSB端子に接続しています。
つまり、EV2785がUSB-Cハブの代わりもしてくれます。

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本体側面のUSB端子にHHKBを接続しています
Happy Hacking Keyboard Professional2 Type-S 白(英語配列) PD-KB400WS

Happy Hacking Keyboard Professional2 Type-S 白(英語配列) PD-KB400WS

参考情報:解像度(画面サイズ)は変更できます

4Kディスプレイでたまに勘違いされるのが、「解像度が3840x2160もあったら、文字が小さすぎて見えないのでは?」という懸念です。

しかし、その点は心配ありません。
Mac本体のディスプレイと同様、EV2785の解像度もシステム環境設定から変更することができます。

僕は普段、左から2番目のサイズを使っています。

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このモードだとこれぐらいの大きさで表示されます。
(以前使っていたEV2736Wと同じ2560x1440相当です)
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一番右のモード(3840x2160で最大のモード)にするとこれぐらい画面が広くなります。
が、これはさすがに文字が小さすぎて日常的に使うのはしんどいです。
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逆に一番左のモード(1920x1080相当)の解像度はこれぐらいです。
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このように4Kディスプレイでは、自分の好みに合わせて解像度を変えることができます。

追記:32インチではなく27インチを選んだ理由

はてなブックマークのコメントで「なぜ27インチにしたのか」という質問があったので、追記しておきます。
まず、予備知識としてEIZOの4KモニタにはEV3285という32インチ版の4Kモニタがあります。
解像度はEV2785と同じ3840×2160です。

FlexScan EV3285 | EIZO株式会社

もちろん32インチモデルの購入も検討したのですが、結局僕は27インチモデルを購入しました。
理由は以下のとおりです。

理由その1:単純に高い

EV2785が10万〜11万ぐらいで購入できるのに対して、EV3285は18万前後します。
僕の中で10万ちょいならギリギリ許容できるけど、18万はちょっと躊躇した、という個人的な経済事情が理由の一つとしてあります😅

理由その2:設置スペースが足りない

じゃあ、お金さえあれば買ってたのかというと、それだけでも無理です。
カタログ上のサイズを参考にして今使っているデスク上の配置を検討したところ、横幅がちょっと足りないという事実が発覚しました。

まあ、がんばれば置けなくはないのですが、体の真正面ではなく、少し左にずらしてモニタを置かないといけないので、ちょっと気持ち悪いなあと思いました。

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Macをデスクの右側に配置している関係上、32インチを置くのはちょっと苦しいんです。。

理由その3:あまり大きすぎると視界に収まらない(らしい)

じゃあ、お金と設置スペースさえあれば32インチモデルを買っていたのかというと、それも微妙です。
巷の噂では、あまりディスプレイが大きくなりすぎると、ディスプレイの四隅が視界に収まらないそうです。

実際、梅田のヨドバシカメラでEV2785とEV3285を比較してきたんですが、EV3285の方はたしかに「これだと視界にちゃんと収まらないかも」という予感がしました。

もしかすると、「使い始めてみたらそうでもなかった」と思う可能性は無きにしも非ずですが、前述した理由その1とその2があるので無理に冒険する必要はありません。
また、これまでEV2736Wを使ってきて27インチモニタの大きさ自体には特に不満はなかったので、僕は27インチモデルのEV2785を購入することにしました。

まとめ

というわけで、このエントリでは先日購入したEIZO EV2785の使用レビューを書いてみました。

EV2736Wからの買い換えだと同じ27インチモニタなので、機能的に劇的な変化があったわけではありません。
ですが、前述のとおり、画面がよりきれいになって目が疲れなくなったという実感は確実に得られます。

決して安い買い物ではない(僕が購入したときはAmazonで10万5000円ぐらいだった)ので、買うのにはなかなか勇気がいります。
とはいえ、僕みたいに仕事で毎日モニタを使う人にとっては十分に価値のある出費だと思います。

一日中モニタを見ながら仕事をしている方は、お近くの家電量販店やPCショップでEV2785をぜひチェックしてみてください!

影響を受けた3冊、というテーマで直感的に思い浮かんだ本を挙げてみる

はじめに

先日開催されたRails Developers Meetup 2019で、登壇者の方々が「影響を受けた3冊」を挙げられていたそうです。

上記のQiita記事を見てると、なかなか興味深い内容になっていたので、僕もちょっと考えてみました。

あまり深く考えずに「影響を受けた3冊」というキーワードだけで、直感的に頭に浮かんだ本を挙げてみます。

16/1.2013 - amazon haul

1冊目:CODE COMPLETE

最初に入ったSIerで1〜2年ほど過ぎた頃、なんとなく感じていた「いいコードと悪いコードの違い」がこの本の中にきれいに明文化されていて「うお〜っ!!」と衝撃を受けた本です。

それまではただの「感覚」だったコードの良し悪しに、ちゃんと理由が付けられるということを知って非常に感動しました。

つまりこれは、「あの書き方、なんか変だよなー」と思っていた先輩プログラマのコードに対して、「これはこうこう、こういう理由であまり良くない書き方ですよ。こっちの方がいいですよ」と明確な理由を付けて、ダメ出しができるということです(苦笑)。

たとえば、こんな感じです。

ここで変数を宣言すると、スコープ(変数の寿命)が広すぎますよね。だから、そこよりもここで宣言する方が適切ですよ。

この本を読んで以来、僕は「きれいなコード(=可読性と保守性の高いコード)」を追求するのが大好きになりました。

CODE COMPLETE 第2版 上 完全なプログラミングを目指して

CODE COMPLETE 第2版 上 完全なプログラミングを目指して

CODE COMPLETE 第2版 下 完全なプログラミングを目指して

CODE COMPLETE 第2版 下 完全なプログラミングを目指して

ただ、CODE COMPLETEは2冊構成で、値段も高いし、読むのも時間がかかるので、今だったら「リーダブルコード」を読む方が手軽かもしれません(僕がCODE COMPLETEを読んだ頃はまだ発刊されていなかった)。

リーダブルコード ―より良いコードを書くためのシンプルで実践的なテクニック (Theory in practice)

リーダブルコード ―より良いコードを書くためのシンプルで実践的なテクニック (Theory in practice)

  • 作者: Dustin Boswell,Trevor Foucher,須藤功平,角征典
  • 出版社/メーカー: オライリージャパン
  • 発売日: 2012/06/23
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
  • 購入: 68人 クリック: 1,802回
  • この商品を含むブログ (140件) を見る

ちなみに、CODE COMPLETEを読んだ影響で、「先輩が書いたコード、全然ダメじゃん」と思って書いたのが、こちらのブログエントリです(苦笑)。

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2冊目:MY JOB WENT TO INDIA(情熱プログラマー)

現在は「情熱プログラマー」というタイトルで発売されていますが、僕が読んだ頃は「MY JOB WENT TO INDIA」というタイトルが付いていました。

僕は「MY JOB WENT TO INDIA」というタイトルの方が刺激的で好きです。
だって、「俺の仕事はインドに取られちまった」ですから。

「MY JOB WENT TO INDIA」には「オフショア時代のソフトウェア開発者サバイバルガイド」というサブタイトルが付けられています。
まさにサバイバル、ソフトウェア開発者として生き残るにはどうすればいいか、というテーマで、ITエンジニアのあるべき姿が論じられています。

こうやって目次を並べるだけでも、「うんうん、ほんまにそうだわ」と思う内容が満載です。

■ 第1章 市場を選ぶ
1 先んずるか、やられるか
2 需要と供給
3 コーディングはもう武器にならない
4 一番の下手くそでいよう
5 自分の知性に投資しよう
6 親の言うことを聞くな
7 万能選手になろう
8 スペシャリストになろう
9 自分の人生を他人任せにするな
10 愛せよ、さもなくば捨てよ

■ 第2章 製品に投資する
11 魚の釣り方を学ぶ
12 ビジネスの仕組みを学ぶ
13 師匠を探す
14 師匠になる
15 一に練習、二に練習
16 プロセスを大切にする
17 巨人の肩の上で
18 自動化によって仕事を確保する

■ 第3章 実行に移す
19 今すぐに
20 読心術
21 デイリーヒット
22 誰のために働いているのか思い出す
23 今の職務を全力で
24 今日どれだけうまく仕事ができるか?
25 自分にどれだけの価値があるか?
26 バケツ一杯の水の中の小石ひとつ
27 保守作業の真価を知る
28 8 時間燃焼
29 失敗する方法を学ぶ
30 できないことは「できない」とはっきり言う
31 あわてるな
32 言って、成して、示す

■ 第4章 マーケティングスーツ族だけのものじゃない
33 視点が違えば認識も異なる
34 アドベンチャーツアーガイド
35 オレ、作文的なのは得意っすよ
36 そこに居ること
37 スーツ語
38 世界を変えよう
39 業界で名前を売ろう
40 自分のブランドを築こう
41 自作のコードをリリースしよう
42 目立つこと
43 コネを作る

■ 第5章 研鑽を怠らない
44 既に時代遅れである
45 君は既に職を失っている
46 終わりのない道
47 自分のロードマップを作る
48 市場に気を配る
49 鏡の中の太った男
50 南インドのサル捕獲トラップ
51 ウォーターフォール式のキャリア計画はやめよう
52 昨日よりよく
53 独立する
楽しもう

この本を読んだものやはり、最初に入ったSIer時代です。
あれから20年近く経ち、35歳定年説なんかどこ吹く風で今でも楽しくコードが書けているのは、この本を読んで技術者としての方向性をしっかり見定めたおかげかもしれません。

My Job Went To India オフショア時代のソフトウェア開発者サバイバルガイド

My Job Went To India オフショア時代のソフトウェア開発者サバイバルガイド

情熱プログラマー ソフトウェア開発者の幸せな生き方

情熱プログラマー ソフトウェア開発者の幸せな生き方

ちなみに、最近出た本の中で「MY JOB WENT TO INDIA / 情熱プログラマー」に比較的近い本は、「SOFT SKILLS」です。

SOFT SKILLS ソフトウェア開発者の人生マニュアル

SOFT SKILLS ソフトウェア開発者の人生マニュアル

「MY JOB WENT TO INDIA」に比べると、ハッカー臭が薄く、お金やビジネス面の話題がやや多いところはありますが、それでもやはり「技術者が生き残るには」を考える上では有益な情報がたくさん載っています。

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3冊目:人を動かす

上の2冊はプログラミングやプログラマとしての生き方に関連する本でしたが、この本は人生全般に関わる本です。
というか、何かに付けて僕はこの本の名前を挙げているので、僕のブログを以前から読んでいる方は「あー、またか」と思われているかもしれません(苦笑)。

いや、でも本当にこの本は僕の人生を変えました。
たとえば、前回書いた「約20年ぶりの初対面」というエントリでは、えーじさんの大好きなB'zの松本を僕がdisるエピソードが出てきますが、今だったら絶対こんなことは言いません。

この本を読んで以来、「人が言われて嬉しいこと」と「人が言われて嫌なこと」が想像できるようになりましたし、頭に浮かんだことをすぐ口にする(もしくはTwitterに書き込む)のではなく、一呼吸置いて「発言すべきかどうか(相手のメンツを潰さないかどうか)」を考えるようになりました。

僕は特定の宗教を深く信じている人間ではありませんが、あえて自分が信仰している宗教を挙げるなら「人を動かす教」かもしれません。
仕事でもプライベートでも、僕は常にこの本の教えに従って行動しています。

人を動かす 新装版

人を動かす 新装版

このブログや過去のスライドにも「人を動かす」が役に立ったエピソードをたくさん載せているので、興味がある人はチェックしてみてください。

blog.jnito.comblog.jnito.comblog.jnito.comblog.jnito.com


まとめ

というわけで、このエントリでは僕が影響を受けた本を3冊挙げてみました。
どれも良い本なので、もし「まだ読んだことがない」という本が入っていた場合はぜひチェックしてみてください!

CODE COMPLETE 第2版 上 完全なプログラミングを目指して

CODE COMPLETE 第2版 上 完全なプログラミングを目指して

CODE COMPLETE 第2版 下 完全なプログラミングを目指して

CODE COMPLETE 第2版 下 完全なプログラミングを目指して

My Job Went To India オフショア時代のソフトウェア開発者サバイバルガイド

My Job Went To India オフショア時代のソフトウェア開発者サバイバルガイド

情熱プログラマー ソフトウェア開発者の幸せな生き方

情熱プログラマー ソフトウェア開発者の幸せな生き方

人を動かす 新装版

人を動かす 新装版

あわせて読みたい

オススメ本を紹介するエントリは過去にもいくつか書いているので、こちらも参考にしてみてください。

blog.jnito.comblog.jnito.com

おまけと宣伝

オススメ本を紹介している僕自身も技術書を1冊書いています。
何年後かにまたRails Developers Meetupのようなイベントで「影響を受けた本3冊」をアンケートしたときには、「プロを目指す人のためのRuby入門」を挙げてくれる人がいたら嬉しいな〜と思います😊

約20年ぶりの初対面

このブログを以前から読まれている方はご存じかもしれませんが、僕はもともと音楽大好き人間で、学生の頃は本気でミュージシャンになりたいと思っていました。
(今は株式会社ソニックガーデンでRubyプログラマとして働いています)

学生時代はプログラミングとはまったく無縁の生活を送っていたのですが、パソコンを触るのは大好きで、

  • ネットサーフィンを楽しむ
  • バンドのホームページを作成する
  • DTMでバンドのデモ音源を作る
  • レコーディングした音源をCD-Rに焼いてデモCDを作る

といった用途でパソコンを使っていました。

そんなころ(今から17〜18年ぐらい前の話です)、きっかけは何だったか忘れましたが、僕は当時、ネットで知り合った音楽好きの男性と、ときどき音楽談義をしていました。

「ネットで知り合った」といっても、今みたいにTwitterのようなSNSがあった時代ではありません。
おそらく「音楽好きが集まる掲示板(当時はみんなBBSと呼んでいた)」か何かで、たまたま意気投合したんじゃないかと予想しています。

また、音楽談義をするのも、ただのテキストメールです。
あの頃やっていたのは「メールを使った文通」と言った方が適切かもしれません。

当時の記憶をたどると、相手の男性の年齢は僕とそんなに違わなかったと思います。
顔はわかりません。
そのときはお互いに好きなギタリストの話をしたり、自作曲を聴いてもらったりしていました。
(どうやって音源を交換していたのかは記憶にありません。あの当時だとReal Playerか何かを使っていたのかなあ?)

ですが、何度かメールのやりとりをしたあと、文通関係は自然とフェードアウトしていきました。
期間としては数ヶ月あったか、なかったかぐらいだと思います。

いや、自然とフェードアウトと書きましたが、本当は嫌気が差したんだと思います。
僕が「いい曲ができた!」と思って自作曲を聴いてもらったのに、その男性からは「このコード進行、クリシェ(ヒネリのないお決まりパターン)ですね」と言われて、ムッとしたのを覚えています。

しかし、僕は僕で、「B'zの松本が大好き」って言っているその人に向かって、「でもB'zの松本って、ペンタトニックスケール(ロックギターの基本音階)しか弾かないですよね(苦笑)」と言い放っていたりしました。
そのあと、その男性から「ペンタの何が悪い!ペンタトニックスケールというのは〜」と長文の反論メールをもらった記憶があります。

こんなやりとりがあったので、きっとお互いに「こいつ、なんかムカつく」と思って、自然に離れていったんだと思います。


まあ、こんな話は今思えば「若気の至り」みたいなもので、「当時は僕も生意気なことばっかり言ってたなあ」と思うぐらいの、ささいなエピソードです。
「だからなんだ」ということもないですし、それから現在に至るまで、当時のやりとりをわざわざ思い出すことも滅多にありませんでした。

そんなある日。

僕が普段通りTwitterのタイムラインを何気なく見ていると、あるツイートがリツイートされてきたのを目にしました。
そのツイートの発言者はEiji Kitamura(えーじ)さんです。

えーじさんはGoogle社でデベロッパーアドボケイト(Developer Advocate)として働いておられる方です。
僕は過去にGoogle公式ブログの執筆者としてお名前を何度か見かけたことがあるので、僕にとってえーじさんは「会ったことはないけど、名前だけは一方的に知っている人」になります。

が、そのときはたまたま "@agektmr" というTwitter IDに目が行きました。

「"きたむらえいじ" だから "Eiji" で "age" か・・・。ん?そういえば、むかし音楽談義をしてたあの人も "えいじ" さんで、自分のことを "age" って名乗ってたな」

ということを、ふと思い出しました。
「Eiji = age」というハンドルネームは、なぜか僕の中で強く印象に残っていたからです。

「いやー、まさかねぇw」

と思いながら、「agektmr ギター」みたいなキーワードでTwitterを検索してみると、こちらの "ageさん" も結構音楽好きかつ、ギター好きな方である様子。

「・・・うーむ、これはもしかして、もしかするのか?そういえば、あの人も名字が "北村" だったような気がする。いや、違ったかな・・・まあ、いいや、とりあえず!!」

と思って、僕はえーじさんにDMを書きました。

どうも初めまして。株式会社ソニックガーデンという会社でRubyプログラマをやっている伊藤淳一といいます。
突然のメッセージすいません。

ところで、いきなり変なことを質問しますが、もしかしてEijiさんは昔僕がギターや音楽の話で一時期やりとりしていたageさんではないでしょうか?


(以下、当時の記憶や、前述のエピソード等を伝える)

こんな内容を一通り書いたあと、もし人違いだったらそのときは「すいません、この話は忘れてください」と言えばいいや、と思って送信ボタンをクリックしました。

しばらくすると、えーじさんから返信が返ってきました。

伊藤さん、こんにちは。それは多分僕ですね。当時は大分ひねくれてたので、あまり良い印象がないのも無理もない気がします(笑)

おお〜っ、マジか〜!!

20年近く前にメールで何度かやりとりしただけの人と、再びネット上で再会できた!
すごいぞインターネット!すごいぞSNS!!

ちなみに、えーじさんは弊社ソニックガーデン代表の倉貫ともお知り合いでした。
いやあ、世の中は狭いなあ。

お互いに「いやー、これは一度会わないといけませんね」という話になり、ちょうどその頃、僕がTokyoGirls.rbの運営スタッフとして東京に行く用事があったので、そのついでに六本木ヒルズにあるGoogleのカフェで一緒にランチを食べることになりました。


というわけで、約20年ぶりに再会?初対面?した2人の写真がこちらです。

えーじさんとは当時の思い出(といっても、メールも残っておらず、お互いに記憶が薄いのですが)や、音楽好きだった人間がなんでIT系の仕事を選んだのか、最近の仕事や生活はどんな感じなのか、といったことについておしゃべりさせてもらいました。

また、Googleのオフィスに行くのは初めてだったので、簡単なオフィス見学もさせてもらいました。

社内にはこんなふうに、コントローラを使ってグリグリと地球上を飛び回れる装置(?)もありました。
(すごい!けど、乗り物酔いしちゃうw)

それにしても、若い頃は本気で音楽に熱中していて生意気なことを言い合っていた2人が、その後どちらもIT関係の道に進み、20年近く経ってから、ふとしたきっかけでSNS上で再会するというストーリーには、我ながらビックリしました。


ちなみに、Googleのカフェでは出会ってすぐに、

「あのときは本当にすいませんでした」

「いやいやいや!こちらこそごめんなさい!!」

みたいなをやりとりをしていましたw

お互い、昔は生意気だったのに、いい歳になってすっかり丸くなりましたね(当たり前か)。


えーじさん、このたびはどうもありがとうございました。
そして、今後ともよろしくお願いします!😄