お知らせ
先日拙著「プロを目指す人のためのRuby入門 改訂2版(通称・チェリー本)」が増刷されました!🎉
【Rubyを知れば,Railsはもっと楽しくなる】伊藤淳一さん 執筆の『プロを目指す人のためのRuby入門[改訂2版] 言語仕様からテスト駆動開発・デバッグ技法まで』が好評につき第3刷の増刷が決定!あのチェリー本がRuby 3.0に完全対応しました!https://t.co/5wMqpobn08
— 技術評論社販売促進部 (@gihyo_hansoku) 2024年4月24日
いやあ、嬉しい!いやあ、めでたい!
本書を買っていただいたみなさんのおかげです。どうもありがとうございます!
そもそも「増刷」って何なん?
増刷(ぞうさつ)というのは、簡単に言うと「本の在庫がなくなってきたから、在庫を補充するために追加で印刷すること」です。
「え、それだけ?」と思われるかもしれませんが、商業出版の場合、一回につき、かなりまとまった冊数を印刷します。
つまり「増刷される=それだけ本がたくさん売れている」ということを意味するので、「増刷しますよ」の連絡は本の著者にとって、大変嬉しいニュースになります😄
ところで、Ruby 3.0で学習を進めてもいいの?
さて、話は変わりますが、本書の対象バージョンはRuby 3.0です。
出版当時(2021年)は最新バージョンでしたが、Rubyは毎年12月25日バージョンが上がります。
2024年5月現在の最新バージョンはRuby 3.3です。
そして、定期的に古いバージョンからサポートが切れていきます。
Ruby 3.0は2024年4月23日にリリースされたバージョン3.0.7が最終バージョンとなり、現在はサポートが切れた状態(EOL = End of Life)になっています。
では、このサポートが切れたRuby 3.0でRubyの学習を進めてもいいのでしょうか?
筆者の答え:Ruby 3.0でもいいし、Ruby 3.1以上でもOK!
最初に結論を言うと、学習目的で使用するならRuby 3.0でもいいし、Ruby 3.1以上でも構いません。
詳しい話は以下に書きます。
Ruby 3.0を使う場合
公式サポートが切れると、Ruby本体のバグ修正やセキュリティパッチのリリースがなくなります。
もしRuby 3.0を使って、外部に公開するようなアプリケーションを開発している場合はこれが深刻な問題につながる可能性があります。
ですが、チェリー本のサンプルプログラムはローカルマシン内に閉じた簡単なものばかりです。
なので、学習用として使うのであれば、Ruby 3.0を使い続けても問題はありません。
Ruby 3.0の問題点
ただし、Rubyのバージョンが古くなっていくと、「最新の開発環境にうまく対応できなくて、インストールにすごく苦労する」という現象がときどき発生します。
今はすんなりインストールできると思いますが、数年すると「Ruby 3.0をインストールしようとしたらエラーが出た」みたいな問題が起きるかもしれません。
その際は無理に頑張らず、新しいバージョンのRubyをインストールして学習することを検討してください。
また、最新のRubyでは本書の説明と異なる部分もいくつかあるため、業務で新しいバージョンのRubyを使ったときに「あれ、こんな構文あったっけ?」と疑問に思うことが出てくるかもしれません。
そうならないように、Ruby 3.0で学習が終わったら今度は次の項で紹介する説明記事を参考にして、Ruby 3.1以上の新機能や新構文もチェックしておきましょう!
Ruby 3.1以上を使う場合
Ruby本体はバージョンが上がっても、大半の部分で後方互換性が維持されています。
ですので、Ruby 3.1以上のバージョンでチェリー本を勉強したとしても、9割以上の内容は有効です。
ただ、そうは言っても「100%同じ」というわけにはいきません。
そんなに数は多くないものの、中には「チェリー本に書いてある内容と、実際に動かしたときの挙動が異なる」という部分もところどころに出てきます。
そういうときのために、Ruby 3.1、3.2、3.3の各バージョンについて、チェリー本の説明との差異をまとめています。
Ruby 3.1以上のバージョンを使って学習する場合は、事前にこれらの記事に目を通しておくと、安心して学習が進められると思います。
- Ruby 3.1で発生する「プロを目指す人のためのRuby入門 改訂2版」との差異について #Ruby - Qiita
- Ruby 3.2で発生する「プロを目指す人のためのRuby入門 改訂2版」との差異について(注目の新機能もあわせて紹介!) #Ruby - Qiita
- Ruby 3.3で発生する「プロを目指す人のためのRuby入門 改訂2版」との差異について #Ruby - Qiita
このような最新バージョンとの差異の説明は、今後も引き続き行っていく予定です。
なので、書籍のRubyバージョンが多少古くても気にせず本書を手に取っていただけるとありがたいです!
チェリー本に関する書評ブログあれこれ
最後に、読者のみなさんが書いてくださった書評ブログ(一部)を掲載させてもらいます。
まだ本書を持ってない方はこちらの書評も参考にしてみてください。
engineer-umd.hatenablog.com
torihazi.hateblo.jp
engineer.crowdworks.jp
qiita.com
neco3s.hatenablog.com
あなたの書評もお待ちしています!
書評を書いてくださったみなさん、どうもありがとうございます!
どんな内容であれ、書評を書いてもらえるのは著者としてとても嬉しいです。
簡単な内容でも良いので、みなさんぜひ「プロを目指す人のためのRuby入門」を読んだ感想を教えてください!
まとめ
というわけで、このエントリでは「プロを目指す人のためのRuby入門 改訂2版」が増刷されたお知らせと、サポートの切れたRuby 3.0で学習を進めても良いかどうかについて書いてみました。
これからもたくさんの人に本書を読んでもらえると嬉しいです。
引き続き「プロを目指す人のためのRuby入門」をよろしくお願いします!