はじめに
ネットを見ていると、誰かが見知らぬ別の誰かを批判しているのを時々見かけます。
批判の対象は人間だけはなく、組織であったり、社会であったりするときもあります。
「xxはおかしい、xxであるべきだ」という感情があるからこそ、批判するのだと思います。
みんなそれぞれ好きなことや正しいと思っていることがあるので、「お前はこうあるべきだ」だという感情があること自体は全く自然な話です。
ただ、「お前のここがおかしい。正しくはこうあるべきだ。」とストレートに言ってしまうと、相手は反発し、余計に考えを硬直させてしまいます。
僕も学生の頃ぐらいまではよく他人に吠えて、よく噛みついていました。
理屈をいっぱい並べて相手を打ち負かそうとしていました。
しかしそんなことをしても議論はずっと平行線ですし、くたびれてイヤな気持ちになるだけで、相手は何も変わってくれませんでした。
最近では直接的に人を批判して相手を変えようとすることは避けています。
年を取って人間が少し丸くなったというのもありますが、7〜8年前に読んだ「人を動かす」という本の影響がそれ以上に大きいです。
この本の冒頭にあった「どんな凶悪犯でも、自分が悪人だとは思っていない」という話に僕はすごい衝撃を受けました。
冒頭の話だけでなく、この本に載っていることの全てが、攻撃的だったかつての僕の考えを180度変えてくれたように思います。
この本を読み終えた後、僕は本の内容をマインドマップにまとめて、事あるごとに読み返してきました。
このマインドマップはあくまで自分用のメモなのですが、もしかすると「攻撃的で批判的になりやすいネット世界」への示唆になるかもしれないので、その内容をここでリストアップしてみます。
「人を動かす」から抜粋した行動指針
人を動かす
- 批判、非難、苦情はNG。
- 率直で誠実な評価。
- 重要感を与える。
- 強い欲求を起こさせる。
- 人の立場に立つ。
人に好かれる
- 誠実な関心。
- 笑顔。
- 名前を覚える。
- 名前は大切な響き。
- 聞き手にまわる。
- 相手の関心を見抜く。
- 心から褒める。
- 重要感を与える。
- 誠意を持って接する。
人を説得する
- 議論を避ける。
- 議論に勝とうとしない。
- 誤りを指摘しない。
- 敬意を払う。
- 自分の誤りを認める。
- ただちに、快く。
- おだやかに話す。
- イエスと答えられる質問をする。
- 即座に答えられる。
- 相手にしゃべらせる。
- 相手に思いつかせる。
- 人の身になる。
- 同情を持つ。
- 相手の考えや希望を知る。
- 美しい心情に呼びかける。
- 演出を考える。
- 対抗意識を刺激する。
人を変える
- まず褒める。
- 遠回しに注意する。
- 自分の過ちを話す。
- 命令をしない。
- 意見を求める。
- 顔をつぶさない。
- 顔を立てる。
- わずかなことでも褒める。
- 心の底から、惜しみなく。
- 期待をかける。
- 激励する。
- 自信を持たせる。
- 喜んで協力させる。
まとめ
いかがだったでしょうか?
「人を動かす」に共通する考え方を一言で表すなら「北風よりも太陽であれ」ということだと思います。
つまり、人に厳しく当たるよりも、相手の立場や考えに理解を示し、相手の自発的な変化を期待すべきだということです。
この本の内容は対人関係だけでなく、僕の子育てに対する考え方にも大きな影響を与えています。
たとえば、頭ごなしに子どもを叱って、無理やり考え方を矯正するような子育てはしないように僕は心がけています。
上で挙げた行動指針はあくまで本の見出しをまとめただけです。
見出しを読んだだけでは「?」と思う部分も多いと思います。
「人を動かす」の内容に興味を持った方は是非一度手に取って読んでみてください。
- 作者: デールカーネギー,Dale Carnegie,山口博
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2013.1.31 追記
北風的なアプローチが成功する例外的なケースとして、批判する人が批判される側の人にとって、信頼されてる人、または心から尊敬されている人であれば、「人を動かせる」かもしれません。
逆に言うと全くそうではない人、すなわち会ったこともない、名前も顔もわからないネット上の誰かから直接的な批判を受けると、いくら理屈が通っていても「はい、そうですね」と即答してもらえる確率はほぼゼロに近いのではないでしょうか。
ちなみにブログを書くときも、上に挙げた行動指針を意識しながら書くと、炎上のリスクを減らせるような気がしています。
実際僕自身、ブログを書くときは上の行動指針に反する表現がないか、気を付けながら書いています。
もちろんこれはブログに限らず、TwitterやFacebookなど、ネット上での発言全般に言えることですよね。