昨日家に帰って早速受験番号を確認しました。
「2015番、うん、合格してる!ばんざ〜い!!」
というわけで無事合格できたようです。
そこで今回、簿記試験に向けて勉強する中でなんとなく見えた、日商簿記2級を独学・一発合格する方法をまとめてみることにしました。
■基本的な考え方
- この方法の対象者
- 独学・一発合格は可能か?
- 3級と2級の違い
- 頭ではなく手で覚える
- あせらない、本番までに何とかすればいい
■戦略を練る
- 下準備 - 参考書と過去問を買う
- 計画を立てる
- ヤマを張る
- 家族の理解と協力を得る
■実際にやってみる
- 最初に参考書をざっくり読む
- 解答用紙や問題をコピーしてから過去問を解く
- 最初は参考書を見ながら過去問を解く
- 一度解いた問題に再チャレンジ(確実に解けるまで)
- 過去問を解きながらゴールとの距離を測る
- ターゲットを広げる
- 3級の試験範囲にも要注意
■いざ、本番に臨む
- 100点は目指さなくてよい
- 電卓の四捨五入機能に注意
- 順番に解かなくてよい
- 時間配分を意識する
- 自分の解答を問題用紙にメモする
以下はその詳細です。
■基本的な考え方
この方法の対象者
簿記3級に合格している人でかつ、毎日30分から1時間ぐらい机に向かう時間がある人を対象とします(つまり、おいらみたいな人です)。
独学・一発合格は可能か?
結論から言えばYESです。おいらが実例なので。
ただし、だいぶん苦労しましたよ。
3級から2級への壁はそんなに高くないという噂を聞いていましたが、ウソでした。
ある程度大変なのは確かなのですが、おいらの経験(失敗を含む)を踏まえて、こうやっておけば多少はマシになるかもしれない、というポイントを以下にまとめてみます。
3級と2級の違い
一言で言うと範囲が広くて覚えるのが大変だと思いました。
商業簿記は基本的には3級の応用版です。
仕訳や決算の考え方は3級と変わるものではありません。
しかし、3級の応用とはいえ、その応用パターンが多かったり、ややこしかったりするのでマスターするのに時間がかかります。
工業簿記は2級で初めて出てくる分野なので最初は慣れません。
しかし慣れてしまえば本番の試験では商業簿記に比べて比較的点が取りやすいと思います。
最初はしっくりこなくても、慣れてくるまで何度も問題を解きましょう。
頭ではなく手で覚える
簿記は実際に手を動かして問題を解かないと頭に入りません。
電車の中で参考書を読むだけ、みたいな勉強法では無理です。
ちなみにおいらは参考書を1ヶ月ぐらいかけて読んでいましたが、いざ問題を解こうとしたら全く歯が立ちませんでした(T T)
今思えばほとんど時間の無駄だった気がします。
というわけで、30分でもいいから毎日机に向かう時間を確保しましょう。
本番までにすらすら過去問を解けるようにする
参考書や予想問題集もありますが、おいらが一番重視するのは過去問です。
理想は本番まで過去問の問題集一冊を何も見ずにすべて100点を取れる状態にしておくことです。
実際には無理かもしれませんが、それに近づく努力をするほど点は上がると思います。
あせらない、本番までに何とかすればいい
本番が近づいてくると自分の実力の無さにあせるときがあります。
おいらも本番10日前に試験を受けてたらほとんど0点だったと思います。
しかし、自分とゴールとの距離を見据えて、その距離を縮められるように努力すれば何とかなります。
実際、おいらも何とかしました(ただし、結構キツいラストスパートでしたが)。
本番で実力を出し切れるように自分をコントロールすることが大事です。
■戦略を練る
下準備 - 参考書と過去問を買う
おいらは単純にAmazonで評価の高い参考書と過去問に目を付け、書店で立ち読みして問題なさそうだったので以下の3冊を購入しました。
実際、買ってよかったと思います。
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図が豊富で、初心者に分かりやすく説明するための工夫が凝らされていると思います。
合格するための過去問題集 日商簿記2級 '14年2月検定対策 (よくわかる簿記シリーズ)
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解答用紙がインターネットで入手できるので、プリントアウトすれば毎回新しい解答用紙が手に入ります。
これまでの試験における出題論点一覧表は自分がマスターした論点をチェックしたり、次回出題されそうな論点を予想したりするのに重宝しました。
解答の説明も問題ないと思います。
計画を立てる
試験日から逆算して「この日までにこれをやる」という計画(マイルストーン)を立てましょう。
ざっくりとしたものでOKです。
実際にやってみてペースが速すぎる、遅すぎると感じたら計画を変更してください。
「えいやー」レベルでも構わないのでマイルストーンを作り、予定と実績を比較しながら勉強した方が安定したペースで勉強できます。
「げっ、最近進みが悪いと思ってたら予定からこんなに遅れてる」とか「ちょっと前倒し気味か。もう少し気楽に取り込んでも大丈夫かな」といった考えを持つことが出来ます。
ちなみにおいらの感触では、毎日30分〜1時間のペースで勉強したとして、1ヶ月では超ハード(激辛)、2ヶ月も結構ハード(辛口)、というわけで3ヶ月ぐらいがちょうど良い(中辛)のではないかと思います。
ちなみに4ヶ月なら比較的余裕(甘口)となりますが、緊張感が無くなって中だるみしてしまうような気もします。
ヤマを張る
厳密に言うと「出題されなさそうな論点は優先度を下げ、出題されそうな論点の優先度を上げる」ということです。
過去問の問題集にある出題論点一覧表をチェックしてください。
前回(最新)の過去問が載っていなければネットでどの論点が出題されたか確認してください。
そうするとある程度の規則性が見えてくるので、出そうな問題と出なさそうな問題がつかめます。
たとえば124回試験では精算表が出題されましたが、精算表が2回連続で出題されたことはありません(出題されたのは112回、114回、116回、119回、121回)。
となると125回で出題される可能性はかなり低いです(実際に出ませんでした)。
反対に標準原価計算と本社工場会計はしばらく間をおいて出題されますが、最近は出題されていないため(それぞれ120回と119回が最後)、そろそろ出題されるかもしれない、と予想できます(実際、125回では標準原価計算の差異分析が出題されました)
中には過去問1冊を通してみても全く出題されなかった論点もあります。
そういう論点は「出たら運が悪い」と思って捨てるという手もアリです(最後のほうは時間がなくて、実際捨てちゃいました)。
もちろん出る・出ないの保証は誰もしてくれないので、ある論点を全く勉強しないのはリスキーです。
ただ、時間がなければ「よく出る論点」や「最近出題されていない論点」の優先度を上げ、「出題されなさそうな論点」は時間が余ったら勉強する、という方法を取ることはできると思います。
また、ヤマを張るという意味では直前予想問題集の出題論点も参考になるかもしれません(おいらは結局買いませんでしたが)。
ただし、くれぐれもヤマに頼りすぎないように。。。
家族の理解と協力を得る
おいらのように結婚して小さい子供がいるような人は、資格の勉強を優先させると奥さんや子供たちに迷惑をかけるかもしれません。
事前に理解と協力を得るようにしておきましょう。
おいらの場合、結構迷惑かけちゃってますが、それでも協力してくれた嫁さんに感謝感謝です m(_ _)m
■実際にやってみる
最初に参考書をざっくり読む
前述した通り、頭ではなく手を動かすことが大事です。
参考書は商業簿記と工業簿記を合わせてざ〜っと2〜3日で全体に目を通すぐらいでいいと思います。
過去問を解くときに「そういえばこんな話が出てきてたな〜。どこに書いてあったっけ?」と振り返ることができる程度でOKです。
解答用紙や問題をコピーしておく
空欄補充の問題では解答用紙に最初から数字が入っていることも多いので、問題用紙に直接書き込めるのと書き込めないのでは効率に大きく差が出ます。
必ず毎回新しい解答用紙を使える状態にしておきましょう。
また問題によっては問題用紙にも書き込みしたくなるような設問があります。
問題用紙も事前にコピーしておけば、さらに効率が良くなります。
最初は参考書を見ながら過去問を解く
参考書をざっくり読んで解答用紙を用意したら、さっそく過去問にとりかかりましょう。
あまり古い問題は出題傾向が変わっている恐れもあるので、比較的新しい回から取り組んだ方が良いと思います。
最初は全く解けないと思うので、参考書を見ながらでOKです。
たぶん1つ解くのにすら、30分から1時間かかることもあると思います。
これを何度も繰り返し解いて、「何も見ずにすらすら解ける」ようにするのが目標です。
理想は「本番までに過去問一冊全問100点」ですが、無理そうなら出題論点一覧表を見て、「よく出る論点」や「最近出題されていない論点」を一通り網羅するまで過去問を解きます。
一度解いた問題に再チャレンジ(確実に解けるまで)
ここが一番のキモです。
一通り論点を網羅できたら、今までに解いた問題にもう一度チャレンジします(2回目)。
たぶん、2回目でも何も見ずに解答するのは難しいと思います。
3回目ぐらいからだんだん解けるようになってくると思います
それでも一部は間違うと思うので、小さなミスすらなく確実に解けるようになるまで繰り返します。
そうやっているうちに解法が身に付いてきます。
もちろん数字を丸暗記して解答できるようになっても意味がありません。
数字を覚えていたとしても、毎回ちゃんと計算してその答えを出すようにします。
過去問を解きながらゴールとの距離を測る
ここも非常に重要です。
過去問を解きながら「もし自分が今の状態で本番に臨んだら何点取れるだろう?」というのを意識してください。
最初の感覚は「難しすぎる!これじゃ0点や〜!!」になると思います。
しかし何も見ずに解答できる問題が増えてくると、それがだんだんと「20点ぐらいかな?」「50点ぐらいはいけるかな?」に変わってきます。
また、全くやっていない回の過去問や予想問題集の問題を最初から最後まで自分の実力だけで解いてみて、実際どれくらいの点が取れるのかチェックするのも有効です。
それが20点だったとしてもあきらめないでください。
本番までに何とかすればいいんですから。
自分の苦手な論点や間違いやすい問題があれば重点的にその弱点を克服しましょう。
本番までに「70点ぐらいならいけそう」という感覚になれば自信が持てるはずです。
そして本番までの日数とゴールまでの距離を比較して、勉強のペースを調節してください。
おいらの場合、本番10日前の感覚は「0点かも」でした。
実際、その時点では過去問が全く解けず、愕然としていました。
こりゃあのんきにブログなんか更新してる場合じゃないと思い、ブログの更新やその他のムダな活動はやめて、必死でラストスパートをかけました(下のリンクを参考)。
http://d.hatena.ne.jp/JunichiIto/20100602/1275510320
ターゲットを広げる
余裕が出てきたら、「出題されなさそうな論点」や「違う回の同一論点」の過去問も解きましょう。
70点を超える可能性がさらに高まります。
3級の試験範囲にも要注意
2級ばかりに集中していると3級の範囲を忘れているときがあります。
これは失敗談なのですが、おいらが受験した125回試験では残高試算表の作成問題が出ました。
2級の勉強では伝票組織や特殊仕訳帳ばかりに集中していたので、残高試算表の作成方法を完全に忘れていました、
これは自分でも意外な落とし穴だったので、念のため3級の知識も復習しておくようにしましょう。
ちなみに、残高試算表の作成問題は117回で同じような問題が出ているで、過去問をたくさん解いておけば解答可能だったかもしれない、という見方もできます。
■いざ、本番に臨む
100点は目指さなくてよい
基本がひととおりマスターできていれば(ほとんどの過去問をすらすら解けるようになっていれば)、確実に70点はいけるはずです。
落としてはいけない問題が解答できていれば、難問・悪門・珍問は解答できなくても合格できるでしょう。
電卓の四捨五入機能に注意
これは失敗談なのですが、本番当日の問題を解いている最中に電卓の四捨五入機能がオンになっていることに気がつきました(幸い致命的な計算ミスにはつながらなかったのですが)。
四捨五入機能がオンになっていると、計算結果が小数になっている(つまり間違っている)にも関わらず、その値で計算を進めてしまう可能性があります。
本番前は特に四捨五入機能がオンになっていないか十分注意してください。
順番に解かなくてよい
試験が始まったら問題を一通り見ます。
そして早く確実に点が取れそうな問題から取り組みます。
おいらの場合、4問、5問から始めました。
次に2問を解こうとしたのですが、残高試算表の解き方が分からなくてスキップしました。
なので3問を解き、それから1問の仕訳問題を解きました。
最後に2問に戻ってなんとか残高試算表の問題を解きました。
ちなみに1〜3問は商業簿記で、4〜5問は工業簿記です。
時間配分を意識する
解ける問題も時間切れで解けなくなっては意味がありません。
大体時間配分を決めておきましょう。
途中でつまづいて予定より大きくオーバーしそうな問題はスキップして後回しにしましょう。
おいらの場合、4, 5, 1問で1時間(1問あたり20分)ぐらい、2, 3問で1時間(1問あたり30分)ぐらいという予定で試験に臨みました。
自分の解答を問題用紙にメモする
これは時間が余ったときに限定されます。
解答用紙は提出してしまうので、後で自己採点ができません。
できるだけ解答を問題用紙にメモしておきましょう。
家に帰ったら解答速報をチェックしてドキドキの自己採点です・・・!!
・・・と、おいらの考える理想の勉強法はこんな感じです。
これから2級を受けようとする人の参考になれば幸いです。
P.S.
ちなみに計画を立てる、確実に解けるまで同じ問題を繰り返し解く、ゴールとの距離を意識する、本番までに何とかすればいい、といった内容は他の資格試験や受験勉強などでも使える考え方だと思います。
特に、「確実に解けるまで同じ問題を繰り返し解く」という考えは浪人時代に予備校の先生が教えてくれたことです。