はじめに
このブログでもすでに何度か紹介していますが、去る2012年11月10日、DevLOVE関西2012 Driveで「なぜ私はソニックガーデンのプログラマに転身できたのか? 」という発表をしてきました。
色々なブログで当日の感想を目にしましたが、中でもこんなふうに書いてくれた方がいました。
めちゃくちゃ面白かった。
【参加報告】DevLOVE関西2012Drive: Meet Up 大阪 @ blog
プレゼンはじめてってほんまですか?
めっちゃ落ち着いてはるし、なにを言いたいのか丁寧に伝えてくださる。
いや〜、どうもありがとうございます。
お礼は別途MessageLeafで送信させてもらいました。
前職では社内プレゼンみたいなことは何度かしたことがありますが、全然知らない人の前で発表するのは本当に今回が初めてでした。
とはいえ、「伊藤さん、やっぱり初めてなんだね。ほほえましい♪」みたいなクオリティではなく、大勢の人が集まることだし、やるからにはちゃんとした発表をやろう!と心に決めて準備を進めてきました。
今回のエントリでは発表当日までにどういう準備をやってきたのか、そのポイントを6つ紹介してみようと思います。
1. 発表内容をレビューしてもらう
まず、資料や発表内容を何度かソニックガーデンのメンバーに何度かレビューしてもらいました。
以前お伝えした通り、最初のテーマは不評だったので、ボツにしました。
それ以外でも発表内容について客観的な意見や、資料を改善するためのアイデア等を色々ともらいました。
自分では「いいのができた!」と思っていても、レビューしてもらうと色々な問題点や改善点が見つかったりするので、第三者にレビューしてもらうのはいいことだと思います。
2. 「誰に何を伝えるか」を明確にする
レビューの中でも特に重要だった指摘が、「誰に何を伝えるか」を明確にすることでした。
最初のテーマはそのあたりが曖昧だったせいもあってボツになりました。
というわけでテーマを刷新し、「5年後の自分に不安を抱いている技術者に情熱をもって行動することの大切さを伝える」という明確なテーマを設定しました。
テーマが明確になっていると主軸がブレないので、発表内容を考えたり、資料を作ったりする時も結構スムーズに進めることができました。
3. 自分の情熱を語れるようにする
こちらもレビューで上がった指摘事項です。
最初のテーマは淡々とソニックガーデンの開発スタイルを紹介する内容だったので、「網羅的すぎて退屈」「伊藤さん以外の人がしゃべってきてもいい内容」といった指摘が入りました。
なので、それとは反対に「伊藤さんにしか話せない内容を話す」「網羅的な内容よりもあるテーマを深く掘り下げた話をする」「自分の情熱を語れるようにする」といったことを勧められました。
僕の発表を聞いてくれた人の感想の中に「熱かった」というコメントがいくつか見られました。
それもそのはずで、今回の発表では「自分の情熱を熱く語る」という方針を立てていたためです。
しかし、その方がしゃべる方も自分自身の考えを素直にしゃべればいいだけなので、結構楽に話せます。
4. 練習を繰り返す
レビューをしたのは資料ができた直後だったので、全く何も練習をしていない状態です。
その状態で資料を見ながらしゃべると、「えー」「あー」「そのー」「まあ」といった意味のないつなぎ言葉が無意識に入ってしまいます。
自分でもわかっているのですが、無意識で入ってくるので無くすのはなかなか厄介です。
対策の一つは「えー」「あー」「そのー」が出そうになったら黙ることです。
沈黙をなくそうとせず、むしろ沈黙を話の間(ま)として活用した方が発表自体もうまくいく、というアドバイスをもらいました。
それ以外の対策法はないものかとネットを探してみましたが、これといった特効薬はなく、「練習あるのみ」といった感じでした。
というわけで練習です。
時間を測りながら本番を想定した練習をします。
最初は「えー」「あー」「そのー」を無くす以前に、そもそも発表の時間が足りないということが分かりました。
そこでまずは資料や発表内容を見直して、発表時間ちょうどで収まるようにしました。(厳密には質疑応答の時間を考慮して5分前に終わらせます)
練習を繰り返すうちに各セクションの所要時間が見えてくるので、「このスライドまでで10分」「ここまでで25分」というようにセクションごとの目安を設定します。
僕は発表の全体像がわかりやすくなるように、全スライドを縮小印刷した紙に所要時間を書き込んでいました。
それから、何度も練習していると頭の中で話の展開や話す内容が定着してきます。
「えー」「あー」「そのー」が出てしまう理由の一つは、「えー、あー (で、次は何しゃべるんだったっけ・・・??)」と自問しているためです。
話す内容が頭の中で定着してくると、自然と「えー」「あー」「そのー」の数が減ってくるようになりました。
練習を繰り返すと、「えー」「あー」「そのー」が減るだけでなく、「これなら本番でもいけそうだ」という自信が徐々についてきます。
時間配分も経過時間を見ながら「ちょっと押してきてるから、この先はもうちょっと巻いてしゃべろう」といった具合に、しゃべりながらその場で時間を調整できるようになってきます。
こういう状態になるまで練習が進めば、落ち着いた話し方で発表できるようになります。
あと、最後は立って話す練習もしました。
立って話すと身体をゆすったり、どこかを触ったりするクセが出てくる場合があるそうなので、自分に変なクセがないかチェックする意味でも立って練習するのがいいと思います。
そんなこんなでおそらく、発表までに10回以上通しで発表の練習をしたと思います。
練習重要です!!
5. 現地で発表資料を修正する
最後の仕上げは本番直前です。
自分の発表までに最後尾の席に座って、他の人の発表を聞きます。
そして、最後尾の席から見えるスライドの文字の大きさや、声の通り方などを確認します。
僕の場合、文字が細すぎたり小さすぎたりする部分があったので、直前に発表資料中のフォントを変更していきました。
スライドを作る時はついつい画面を最大化して作ってしまいますが、時々スライドを縮小し、小さくなってもちゃんと読めるかどうか確認した方がいいと思います。
変更前
変更後
6. 練習通りに本番で発表する
さあ、いよいよ本番です!
しかしいきなり本題に入ってしまうと、会場のみなさんが固くなってしまったり、こちらに注目してもらえなかったりすることがあるので、アイスブレイクになるようなお話を入れます。
僕の場合は本番当日の朝にバスに乗り遅れてしまったエピソードを紹介したり、会場のみなさんにソニックガーデンの知名度を確認するアンケートを入れたりしました。
あとは練習通りに話を進めていきます。
練習と違って本番では目の前にはたくさんの参加者のみなさんがいるので、できるだけ会場を見渡しながら話をします。
僕が当日やったことはこんな感じで、ほぼ練習通りにゆっくり話を進めていっただけです。
練習通りにやった、といえば簡単ですが、発表のテーマを明確にして、事前に何度も練習する、という積み重ねがあって、当日の発表を無事成功させることができました。
まとめ
最後に、今回の要点を簡単にまとめておきます。
- 発表内容をレビューしてもらう
- 「誰に何を伝えるか」を明確にする
- 自分の情熱を語れるようにする
- 練習を繰り返す
- 時間配分を決める
- 話の流れを頭の中に定着させる
- 現地で発表資料を修正する
- 練習通りに本番で発表する
もし、僕と同じように「今まで発表なんてしたことがないから不安だ」と思っている人がいたら、参考にしてみてください。
最初は誰でも不安ですが、しっかりテーマを決めて何度も練習すればきっと大丈夫です。
がんばりましょう!!
Photo: @spring_akiさん
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当日の発表内容そのものについては、こちらのエントリに書きました〜。
初めて人前で発表してきました #DevKan - give IT a try