今回のエントリはDevLOVE Advent Calendar 2012 "Professional"に寄稿するために書いたエントリです。
自己紹介
DevLOVE Advent Calendar 2012 "Professional" 7日目を担当する伊藤淳一(@JunichiIto)です。
文系出身のバンドマンからSIerに中途入社し、外資系半導体工場の社内SEを経て、現在は株式会社ソニックガーデンでプログラマをやっています。
先月、DevLOVE関西2012 Driveで発表させてもらったのが縁で、このアドベントカレンダーの存在を知りました。
アドベントカレンダーに参加するのは今回が初めてですが、ちょっと興味深いテーマだったので参加してみることにしました。
Professional = 自分の仕事に誇りを持つこと
自分にとってのProfessional。
この言葉を聞いて僕が最初に思い浮かんだのは「自分の仕事に誇りを持つこと」でした。
僕が悲しく思うのは、ネットで技術者たちが自分の現場のダメダメ具合をおもしろおかしく揶揄しあう「祭り」が時々起きることです。
自分で自分の仕事を馬鹿にする。
そんな自分に誇りが持てるでしょうか?
Professionalがやるべきことは自分の仕事を馬鹿にすることではなく、自分の仕事を自慢できるように現場を改善していくことだと思います。
もし現場を変えていけないのなら、誇りが持てる別の現場へ移る手段を検討すべきです。
もしもネット上で医者が集まって、自分の現場のいい加減さや、患者への不満をおもしろおかしく報告し合っているようなサイトを見つけたら、どう感じるでしょうか?
医者を信頼できるでしょうか?そんな医者に診てもらいたいでしょうか?子どもや学生は医者になりたいと思うでしょうか?
Professionalであるということは自分の仕事に誇りと責任を持つことだと思います。
現場に対する真剣な問題提起なら良いです。
しかし、悪ふざけで盛り上がっているような「祭り」にはProfessionalは安易に参加すべきではありません。
ところで、ダメな現場、ダメな技術者を揶揄する一方、「意識が高い」技術者も時々嘲笑の含みをもって語られる場合があります。
これも非常に残念なことです。
Professionalであれば意識が高くて当然です。
しかし、「やべー。俺、意識高いww」といった具合に「意識が高い」ことをどこか小馬鹿にしたような発言が増えると、「意識が高い」と思われたくない技術者が出てくるかもしれません。
Professionalであれば意識が高いことを恥じる必要はありません。
むしろ意識の高い自分に誇りを持つべきです。
そして、間違っても他人の意識の高さをからかう側に回ってはいけません。
意識を高く持ったProfessionalであれば、「自分なんか」「自分みたいな」といった自分自身を卑下する発言も極力控えた方が良いと思います。
たとえば、ネットや勉強会等では頻繁に「自分よりすごい人」「自分より有名な人」と接触する機会があります。
そういう人たちを前にすると、自分とのレベルの差に怖じ気づいてしまい、つい「自分みたいな」という言葉を発してしまいそうになるかもしれません。
しかし、相手が自分を何も評価していない段階で、初めから自分で自分の評価を一段下げる必要はありません。
ちょっと気後れするかもしれませんが、相手と自分を対等の関係に置いて、「自分は」と発言しても問題ないでしょう。
それを聞いた「すごい人」が、「お前ごときがぞんざいな口をきくな」といきなり怒りだすとは思えません。
むしろ「自分から見るとすごい人」も、ほとんどの人は自分のことを普通の人間だと思っているはずです。
「すごい人」と自分を対等の関係に置くということは、自分で自分のハードルを上げることでもあります。
内心では「相手の方がレベルが上だ」と思っていても、相手と対等であるように振る舞おうとすれば、自然と自分の中のハードルが上がり、結果として自分を高めることにつながると僕は考えています。
繰り返しになりますが、相手が自分を何も評価していない段階で、初めから自分で自分の評価を一段下げる必要はありません。
それどころかむしろ、自分で自分のハードルを下げていることになるので、成長の機会を失うことにもつながりかねません。
ですから、これからも成長し続けるProfessionalな技術者であろうとするなら、Twitterのプロフィール欄に書いてしまった「ダメプログラマ」「へっぽこSE」みたいなフレーズもこっそり消しておきましょう。
さて、冒頭の言葉に戻ります。
自分にとってのProfessional。
この言葉を聞いて僕が最初に思い浮かんだのは「自分の仕事に誇りを持つこと」でした。
自分の仕事に誇りと責任を持ち、自分の意識を高く保ちながら、昨日より一段高いハードルに毎日挑戦し続ける。
そんな技術者こそが本当のProfessionalではないかと僕は考えます。
Who’s next?
次回のProfessionalは@tetsu_mさんです。
明日のDevLOVE Advent Calendar 2012 "Professional"もお楽しみに!