はじめに
2018年5月12日、岡山で開催されたオープンセミナー2018@岡山で、「したたか?天然?なんかうまくやってるITエンジニアの生存戦略」という発表をしてきました。
このエントリでは登壇内容やイベントの感想を書いていきます。
使用したスライド
発表で使用したスライドはこちらです。
僕はスライドにあまり情報を詰め込まず、口頭でたくさんしゃべっていくスタイルなので、当日話した内容のすべてが載っているわけではありませんが、スライドを見ればだいたいの雰囲気は伝わるかなーと思います。
2018.12.05追記:動画も公開しました
当日の動画はないのですが、自宅で発表の練習をしていたときの動画が残っていたので、これを貼っておきます。
喋っている内容は9割方本番と同じです。
www.youtube.com
Q&Aコーナーが意外と好評でした
先日、このブログでみなさん自身の生存戦略やキャリア設計に関する質問を募集していました。
実際、いくつか質問をいただいたので、中盤のQ&Aコーナーにて僕からの回答を述べてみました(スライドの26~35ページ)。
Twitterの反応を見てると、このQ&Aコーナーが意外と好評だったようです。
伊藤さん生電話でお悩み相談してほしい #oso2018
— ᗖᐽᓨᐓᔟᐓᓲᐓᓽᐓᓦᐓᓦᐓᓾᐓᔂᐓᘦᐭᓾᐓᗴᐟᔕᐓᓽᐓᓗᐓ (@razon) May 12, 2018
全編通してQ&Aコーナーやって欲しい(こら #oso2018
— SAWADA STANDARD DESIGN (@SawadaStdDesign) May 12, 2018
質問をくださったみなさん、どうもありがとうございました。
意外と難しい質問が多くて回答を考えるのにちょっと苦労しましたが、僕の回答や登壇内容が何かのヒントになれば幸いです。
僕の回答がちょっとブラックだった?
登壇が終わったあと、「Q&Aコーナー・その2の回答が伊藤さんにしてはちょっとブラックでしたね(苦笑)」という感想を同僚のT氏からもらいました。
該当のQ&Aはこんな内容でした。
うーん、まあたしかにバッサリと言えばバッサリなんですが、この質問内容だと僕からの回答はどうしてもこうなっちゃうかな~、というのが僕の正直な感想です。
でも、「発注者視点」というのは非常に大事だと思うんですよね。
質問者の方は「技術的に広く浅くか、狭く深くか」ということを気にされていますが、もしかすると「発注者視点」で考えると、例えば「メールを受け取ったら素早く返信してくれる人」とかの方が評価が高かったりするかもしれません(あくまで「例えば」の話ですが)。
どの質問者の方もご自身の技術スキルを気にされていましたが、スライドの最後でも語ったとおり「戦略」を考えるのであれば、意外と「技術力以外」の要素が鍵になってくるのかもしれません。
「自分を客観視する=人の目を気にする」ではない
発表後の質問タイムで次のような質問をもらいました。
客観的な視点が重要とのことですが、それがデメリットになって人の目を気にするようになり、かえって自分の行動が制限されることはないですか?
当日はぱっとうまく答えられなかったのですが、あとからいろいろ考えると「客観的な視点」と「人の目」は似て非なる物だという結論に至りました。
僕がスライドで言っている「客観的な視点」は、自分の目的を達成するために必要な要素であり、その視点は自分の利害関係者(ステークホルダー)の視点です。
一方、「人の目が気になる」というときの「人」は、「世間」や「空気」のような、自分と利害を直接共有しないような人たちです。もっと言えば、「自分の足を引っ張る人たち」と言い換えてもいいと思います。
もちろん、客観的な視点で考えた結果、自分の行動を制限することはあります。
ですが、それは人の目を気にしてやめるのではなく、それをやると、自分か利害関係者(もしくはその両方)にデメリットが生じるためにやめるのです。
(たとえば、「こんな発言をツイートすると、怒ったり傷いたりするフォロワーさんが出てくるだろうな」とか。フォロワーさんは僕にとっての利害関係者です。)
逆に「こんなことをする人は滅多にいないから、ちょっと恥ずかしい」みたいな理由で、自分の行動を制限することはほとんどありません。
「恥ずかしい」と思われるのは自分だけですし、見知らぬ人から「あの人、ちょっと変だね」と思われたとしても、その人は自分の利害関係者ではないからです。
自分と無関係な人の存在を気にして、自分の目的達成を放棄する必要はありません。
・・・と、こんなふうにうまく回答できれば良かったのですが、アドリブ力が弱いので当日はなんかちょっと腰砕けな回答になってしまいました(苦笑)。
生存戦略を考える上でオススメの本やネット記事など
スライドの中では、生存戦略を考える参考文献として、以下の本やネット記事をオススメしていました。
- 作者: ジョン・ソンメズ
- 出版社/メーカー: 日経BP社
- 発売日: 2016/06/02
- メディア: Kindle版
- この商品を含むブログ (7件) を見る
- 作者: デールカーネギー,Dale Carnegie,山口博
- 出版社/メーカー: 創元社
- 発売日: 1999/10/31
- メディア: 単行本
- 購入: 174人 クリック: 3,319回
- この商品を含むブログ (615件) を見る
あとで考えると、これに加えて「情熱プログラマー」もオススメしておけば良かったなー、と思いました。
- 作者: Chad Fowler,でびあんぐる
- 出版社/メーカー: オーム社
- 発売日: 2010/02/26
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
- 購入: 24人 クリック: 683回
- この商品を含むブログ (126件) を見る
この本は、スライドにも出てきた「一番の下手くそになろう」という話が載っている本です。
僕はこの本をSIer時代に読み、今後の自分の方向性考えるきっかけになりました。
あと、「SOFT SKILLS」や「人を動かす」はこのブログの中でも紹介しています。
60分ちょうどで発表を終わらせるコツ
この日の僕の持ち時間は60分で、これまで登壇してきた中で過去最長でした。
スライドを作る前は「60分も話す内容あるかな~?」と不安だったのですが、実際スライドを作り始めると余裕で60分を超えてしまい、逆にたくさん内容を削るハメになりましたw
そして、当日はほぼ60分ちょうどで終わらせることができました。
手元のタイマーで見る限り、発表が終わったのは59分台だったと思います。
完璧な時間配分だ! #oso2018
— Takafumi Yoshida (@zephiransas) May 12, 2018
きれいに60分で終わらせることができた理由のひとつは、下の写真のような「時間配分表」を作ってPCの横に置いていたことです。
当日はこれを見て大きく時間が前後していないか確認しながら、話を進めていきました。
あとは念入りなリハーサルですね。
発表をうまくやるには実際に口に出して話すしかありません。
スライドの中で紹介した「パワー・プレゼンテーション」にもそう書いてあります。
- 作者: ジェリー・ワイズマン
- 出版社/メーカー: ダイヤモンド社
- 発売日: 2004/12/04
- メディア: 単行本
- 購入: 8人 クリック: 97回
- この商品を含むブログ (20件) を見る
発表が苦手だと思ってる人も、スライドを1週間前に作って、当日までに5回以上練習すれば絶対うまくしゃべれます!
また、練習していると「なんかこの説明はしっくりこないな」という部分がポロポロ見つかるので、発表内容もどんどんブラッシュアップされていきます。
まさに一石二鳥ですね。
というわけで、僕も家で何度もリハーサルしたので、壇上では落ち着いて時間配分を調整することができました(息は切れてたけどw)。
参加者のみなさんからの反響
当日会場にいた参加者のみなさんの反響は以下のTogetterページにまとめられています。
全体的に好意的な感想が多かったので良かったです。
頑張って準備した甲斐がありました😄
伊藤さんのセッション、めっちゃよかった。改めて色々考えさせられた。 #oso2018
— ぐに (@guni1192) May 12, 2018
今日の伊藤さんのセッションよかったなー。
— Ryuji (@akaryu0206) May 12, 2018
自分も子供が産まれて勉強する時間が確保しにくくなってたので凄いタイムリーな話だった。
Q&Aにも回答してもらえたし、これからも精進します。#oso2018
伊藤さんのセッション、いろいろ考えさせられました。「社外に基準を持つ」は実践していこう。 #oso2018
— コバえもん (@koba_emon) May 12, 2018
その他、イベントの様子など
個性的・魅力的な登壇者の面々
このイベントには僕以外にも個性的で魅力的な登壇者の方が発表されていました。
ひとつずつ感想を述べていくと長くなるので、割愛させてもらいますが、発表を聞きながら僕自身も「へ~」とか「なるほど」とか「そのとおり!」を心の中で連発していました。
とてもいい刺激になりました。
アンチボッチランチ
この日の昼食は「アンチボッチランチ形式」で、初対面の方と食事に出かけました。
アンチボッチランチというのは「ひとりぼっちの昼食」を避けるために、ランダムに(そして強制的に?)参加者をグルーピングして、初対面同士の人たち(4人1組)でランチに出かけてもらうシステムです。
ひとりぼっち集合!
— 湊川あい🌱オープンセミナー岡山🍑登壇 (@llminatoll) May 12, 2018
オープンセミナー岡山での昼ごはんはボッチにならないシステム!
「アンチボッチランチ」
会話に詰まらないためのテンプレートがあるw
人見知りにはありがたい🙏#oso2018 pic.twitter.com/WHQkl6Ww0a
僕は今回初めてこの「アンチボッチランチ」を体験したのですが、思いのほか楽しかったです。
これ、他の勉強会でもどんどん採用するといいんじゃないかなー。
勉強会でひとりで昼食、って僕も何度か経験があるので。
ちなみに、ランチをご一緒させてもらった方の中に、去年まで息子の小学校で使っていたメール連絡網システムの開発会社の方がいました。
すごい偶然でビックリしました!
チェリー本の立ち読みコーナー
当日は受付にて、僕が執筆した「プロを目指す人のためのRuby入門」(チェリー本)を2冊、立ち読み用に置いてもらいました。
受付で立ち読み用の #プロを目指す人のためのRuby入門 置いてますー。ご自由にご覧くださいませ💁 #oso2018 pic.twitter.com/NJlcLKHD9m
— Junichi Ito (伊藤淳一) (@jnchito) May 12, 2018
ときどき立ち読みしてくれている人を見かけたので、声をかけようかな?と思いましたが、「いや、そんなことしたら、無神経に声をかけてくるアパレル店員みたいになってしまうな」と思い、自重しました😅
プロを目指す人のためのRuby入門 言語仕様からテスト駆動開発・デバッグ技法まで (Software Design plusシリーズ)
- 作者: 伊藤淳一
- 出版社/メーカー: 技術評論社
- 発売日: 2017/11/25
- メディア: 大型本
- この商品を含むブログを見る
サイン本プレゼントじゃんけん大会
イベントの最後には、登壇者のサイン入り書籍を参加者にプレゼントするジャンケン大会がありました。
僕も「プロを目指す人のためのRuby入門」に5冊サインを入れて、ジャンケン大会のプレゼンターとして参加させてもらいました。
サイン本あるよ! #oso2018 pic.twitter.com/k7Etzmttje
— Junichi Ito (伊藤淳一) (@jnchito) 2018年5月12日
1人目の方のジャンケンに結構時間がかかっていたので、挑戦者を減らす目的で「書評を書いてくれる人だけが参加してください!」と呼びかけてみたのですが、ほとんど人数が減らず、僕のもくろみは不発に終わりました(苦笑)。
ジャンケン大会に参加してくださったみなさん、どうもありがとうございました。
チェリー本をゲットされた方は、書評を楽しみにしています!
(投稿先はブログ、Qiita、Amazonレビュー、gist、TwitterのDM等、どんな方法でも構いません👌)
まとめ
というわけで、このエントリでは「オープンセミナー2018@岡山」での登壇レポートを書いてみました。
以前から「岡山のエンジニアさんたちって、なんかみんな仲が良さそうだよな~」と思っていたのですが、今回初めて岡山の勉強会に参加してみて、実際にその通りだったなと思いました。
仲がいいだけじゃなくて、すごくチームワークが良い。
とても素晴らしいと思いました。
参加してくださったみなさん、登壇者のみなさん、どうもありがとうございました。
そして、声をかけてくださった実行委員長の吉田さん(@zephiransas)をはじめ、イベントを運営してくださったスタッフのみなさんにも感謝します。
どうもありがとうございました!
エンジニアさんの知り合いも増えたし、非常に楽しいイベントでした。
来年も開催されるようなので、今回参加されなかった方はぜひ次回参加してみてください!
懇親会集合写真 #oso2018 pic.twitter.com/iQRumWJAy2
— トロくん:;((•﹏•๑)));: (@Toro_kun) May 12, 2018