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【意見】Doorkeeperは定額制ではなくチケット制の料金プランを導入してほしい

はじめに

昨日、イベント告知サイトのDoorkeeperが完全に有料化するという発表がありました。

有料化自体は全く否定しないのですが、料金プランが僕の利用形態にマッチしないのでDoorkeeperを利用し続けるべきかどうか迷っています。
このエントリではDoorkeeperから提示された料金プランが利用形態にマッチしない理由と、それに代わる別の料金プランの提案をします。

TL; TR(長いので最初に結論)

ちょっと長いので最初に結論を書いておきます。
このエントリで言いたいことは以下の通りです。

  • 有料化はかまわない。自分はDoorkeeperの愛用者なので、料金を払う用意はある。
  • ただし、最低でも「毎月1500円で最大5回」は、我々のように非営利で数ヶ月に一度しかイベントを開催しないコミュニティにとって高い。
  • なので、定額制ではなくチケット制を用意してほしい。少なくとも僕はその方がありがたいし、サービス運営者としてもトータルでの収益は上がるのではないか。
  • どうしても今の料金プランにこだわるなら、納得のいく説明がほしい。

その詳細を以下に書いていきます。

あんた誰?

僕は西脇.rbというRubyコミュニティを主催しているDoorkeeperユーザーです。
神戸市内や兵庫県内でときどきRubyの勉強会を開催しています。

西脇.rb & 神戸.rb | Doorkeeper
f:id:JunichiIto:20160726055403p:plain

これまで勉強会を開催するときは毎回Doorkeeperを使ってきました。

完全有料化すること自体は問題ない

僕はDoorkeeperの愛用者です。2013年からずっとDoorkeeperを使っています。
Doorkeeperの代表者であるポールさんと何度かお話ししたこともあって、Doorkeeperというサービスにはとても親近感を感じています。

昨日公開された「有料化する理由」の内容もとても誠実で、ポールさんの真面目な性格がよく表れていると思いました。
完全有料化が必要になる理由もよく理解できました。

いつもDoorkeeperを便利に使わせてもらっているので、無料でやっていけないのであれば、喜んで利用料を払うつもりです。
ですが、今回発表された料金プランはイベント主催者として非常に悩ましいものでした。

困っている点:我々は毎月5回もイベントを開催しない

公開された料金プランを見ると、最低でも毎月1500円の支払いが必要になります(スタータープラン)。

f:id:JunichiIto:20160726073015p:plain

我々のような非営利のコミュニティにとっては、毎月定額の支払いをすること自体が大変ですし、1500円というのはかなり大きな額になります。(毎月1500円ということは、1年で1万8000円、消費税を含めると1万9440円です)

しかも、スタータープランでは開催予定イベント数の上限が5回になっていますが、我々は毎月5回もイベントを開催しません。
コミュニティをスタートさせた頃はだいたい月1回のペースで、最近では3~4ヶ月に1回のペースでイベントを開催しています。

たとえば、以下は今年(2016年)の勉強会開催数です。
今のところまだ3回しか勉強会を開催していません。

1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月
1 0 1 0 0 1 0

2015年は5回、2014年と2013年はそれぞれ9回でした。(参考:過去のイベント履歴

こんな開催頻度なので、「毎月1500円で最大5回」というのはunreasonable(リーズナブルの逆)です。

提案:定額制ではなく、チケット制を導入してほしい

そこで僕が提案したいのは、利用料金を定額制ではなくチケット制にすることです。
たとえば、

  • 1イベントを開催する場合は1チケットが必要になる
  • 1チケットは500円で購入できる
  • 10チケットをまとめ買いすれば4500円で購入できる

といった料金プランです。
もっと収益を増やしたいのであれば、

  • チケットの有効期限は購入後半年とする
  • 定員が20人以上のイベントは2チケット、30人以上であれば3チケット、というように定員に応じて必要なチケット枚数を増やす

といったオプションも考えられます。

これであれば少なくとも我々の活動スタイルにはマッチするので、喜んでDoorkeeperを使い続けることができます。
もし僕と同じように考えているイベント主催者が多ければ(つまり、Doorkeeperに残ってくれる主催者が多ければ)、「毎月1500円で最大5回」の定額制よりも収益が上がるかもしれません。

どうしても今の料金プランにこだわるなら、納得のいく説明がほしい

「定額制ではなく、チケット制が良い」というのはあくまで僕個人の一意見です。
サービス運営者の観点ではチケット制ではなく定額制にするもっともな理由があるのかもしれません。
(実は毎月何度もイベントを開催する主催者が主流で、我々のような開催頻度のコミュニティの方が少数派だとか、非営利団体よりも企業や営利団体向けのイベント告知サイトを目指しているとか)

せっかくあそこまで真摯で誠実なコメントを出してもらったのだから、

  • なぜ定額制しか用意していないのか
  • なぜ最低ラインが「毎月1500円で最大5回」になるのか(「毎月300円で最大1回」があってもいいのでは?)

といった点も説明してもらいたいです。

もちろん、僕がイベントごとに毎回500円を払うよりも、毎月1500円を払う方がサービス運営者としては収益が上がるでしょうが、僕が「Doorkeeperを使い続けるのは無理だ」と思ったら収益はゼロです。
もし僕と同じように考える人が多ければ、薄利多売でもトータルで見ると収益は上がるかもしれません。

ただ、このあたりはサービス運営者でないと傾向がわからないと思うので、「最低でも毎月1500円で最大5回がベスト」と結論付けた理由が知りたいです。

まとめ

というわけで、Doorkeeperの新しい料金プランについて、個人的に思うところをいろいろと書いてみました。
ざっくりまとめると、

  • 有料化はかまわない。自分はDoorkeeperの愛用者なので、料金を払う用意はある。
  • ただし、最低でも「毎月1500円で最大5回」は、我々のように非営利で数ヶ月に一度しかイベントを開催しないコミュニティにとって高い。
  • なので、定額制ではなくチケット制を用意してほしい。少なくとも僕はその方がありがたいし、サービス運営者としてもトータルでの収益は上がるのではないか。
  • どうしても今の料金プランにこだわるなら、納得のいく説明がほしい。

ということです。

サービス運営者としてのポールさんの見解をお待ちしています。

2016.7.26 21:00追記:ポールさんからのコメント(日本語訳)

Facebookグループの「Doorkeeper.jp 友の会」にて、ポールさんからこの件について英語でコメントをもらいました。
すぐに日本語に翻訳する時間が取れないとのことなので、ポールさんの許可をもらって僕が翻訳した内容をこちらに掲載します。
(ポールさんいわく、「できるだけオープンにしたいので、ぜひシェアしてください」とのことです)

原文はFacebookアカウントを持っていればこちらで読めます。

https://www.facebook.com/groups/1541181422773074/permalink/2041972676027277/

Facebookアカウントを持っていない方はこちらのgistページをご覧ください。

https://gist.github.com/JunichiIto/ede7727d4cdbe5b27289780a84fc8c26

それでは以下が僕の翻訳です。
ところどころ意訳していますが、全く違った意味になっている部分があればコメント等でご指摘ください。

あなたのコメントと応援に感謝します!なぜこの料金プランを選んだのかもっとちゃんと説明すべきでしたね。
Doorkeeperに関していうと、我々は定期的にイベントを開催する主催者にフォーカスしています。単発のイベントを開催する主催者ではありません。
これが開催ごとではなく、月額固定の料金プランを選んだ理由です。


Doorkeeperはあなたがイベントを開いていなくても、いくらかの価値は提供していると思いますし(たとえば新しいメンバーがコミュニティに参加したり、メンバーにメッセージを送ったりできますよね)、もっと継続的な価値をコミュニティに届けていきたいと思っています。
もしあなたがイベントを開催していないときでも、Doorkeeperがもっと価値を提供できるようなアイデアがあれば、ぜひ教えてください。


最小のプランで開催予定イベント数を5つに設定した理由は、それが非プロフェッショナルな主催者が開催するイベントの最大件数だと考えたからです。
たとえもし、あなたが1ヶ月に1回しかイベントを開催しなかったとしても、毎月1500円という額は妥当な料金だと我々は考えています。
もっと安いプランを機能させるためには、Doorkeeperはもっと大きくスケールする必要があります。


私たちがちゃんと説明できていないかもしれないポイントの一つは、コミュニティ主催者の誰か一人が料金を払えばよい、ということです。
西脇.rb&神戸.rbが数ヶ月に一度しかイベントを開催しなかったとしても、主催者の方(訳注: おそらく共同主催者のAkiさんのこと)は他のコミュニティを管理しています。
トータルしてみれば、Akiさんは開催予定イベントを3件持っています。なので、月額1500円を複数のコミュニティで割り勘できると考えれば、この料金はよりリーズナブルになると思います。


それでも高すぎるのであれば、自分の会社にスポンサーになってもらい、Doorkeeperの料金を払ってもらうように働きかけるのはどうでしょうか。ビジネスレベルの出費としてみれば、月額1500円は大変小さな額です。


あなたの考えを聞かせてください。私はあなたがDoorkeeperを使い続けられるような方法を探していきたいです。


ポールさんからのコメントは以上です。
このポールさんのコメントに対する僕の返信はまた後ほど書きたいと思います。

2016.7.27 9:00追記:僕からの返信

ポールさんのコメントの要点を僕なりに抜き出すとこんな感じになります。

  • Doorkeeperは定期的にイベントを開催する主催者にフォーカスしている。なので定額制を選んだ。
  • イベントを開催していなくても価値は提供しているはずだ。
  • 1ヶ月に1回しかイベントを開催しなくても月額1500円は妥当な金額だと考えている。
  • もっと安いプランを用意するなら、サービスをもっとスケールさせる必要がある。
  • 複数のコミュニティを掛け持ちしている主催者がいれば、コミュニティ間で利用料を割り勘することもできる。
  • 自分の会社にスポンサーになってもらう方法もある。

結論としては「チケット制を導入する予定は今のところない」ということみたいです(残念ながら)。

続いて、それぞれの要点に対してコメントを付けていきます。

「Doorkeeperは定期的にイベントを開催する主催者にフォーカスしている。なので定額制を選んだ」

西脇.rbの場合、最近は定期的といえるほど頻繁には勉強会を開催していないので、フォーカスからは少し外れてしまいますね。

「イベントを開催していなくても価値は提供しているはずだ」

自分にとってのDoorkeeperの一番の目玉機能は「イベントを告知できる」「イベントの参加者を管理できる」というところなので、それに比べるとイベントを開催していない間の価値は(全くないわけではないが)正直なところ小さいと思います。

「1ヶ月に1回しかイベントを開催しなくても月額1500円は妥当な金額だと考えている」

今まで無料で使えていたサービスが突然1500円に値上がりするというのは、僕の感覚からするとかなりの飛躍があります。

また他の有料サービスと比較しても、最近有料化したEvernoteプラスで月額360円、このブログを書いている「はてなブログPro」も月額1008円なので、それに比べると月額1500円は高額な部類に入ると思います。
(ちなみに僕はEvernoteにもはてなブログにも課金していますし、頻繁に使っています)

ですが、サービス提供者が「1500円は妥当」と考えるのであれば、我々はそれを拒否することはできません。
その額を毎月支払うか、サービスの利用をやめるかのどちらかになります。

「もっと安いプランを用意するなら、サービスをもっとスケールさせる必要がある」

これもビジネス上の判断ですので、そう言われてしまうと我々からはそれ以上強く言うことはできません。

「複数のコミュニティを掛け持ちしている主催者がいれば、コミュニティ間で利用料を割り勘することもできる」

このオプションがあることは僕も予想していました。
たしかに、西脇.rbには「掛け持ち主催者」がいるので、複数のコミュニティで割り勘することはできます。
実際、西脇.rbはこのオプションを使ってDoorkeeperの利用を継続していくつもりです。

とはいえ、完全に一人でやっているコミュニティも多いと思うので、その人たちのことを考えると手放しでは喜べず、複雑な気持ちになります。

また、「お金の話」は往々にしてデリケートな問題なので、よっぽど信頼し合える関係にないと、何かあったときに深刻なトラブルに発展してしまう懸念もあります。

「自分の会社にスポンサーになってもらう方法もある」

もちろん、選択肢の一つとしてはあり得ますが、社員の社外活動を積極的に支援する会社でない限り、ちょっとハードルが高い気がします。

返信のまとめ

西脇.rbに関していえば、先ほども述べたとおり「コミュニティ割り勘」で利用を継続していく予定です。
ですが、もし仮に僕が完全に一人で西脇.rbを主催していたら、Doorkeeperを利用し続けるのはおそらく難しいと思います。

ポールさんのコメントを読むと、Doorkeeperは今後中級者から上級者向けのイベント告知サービスになっていくのかな、という気がします。
ここでいう中級者~上級者というのは、毎週(最低でも毎月)のように勉強会を自分で開いたり、複数のコミュニティを掛け持ちして運営に関わっていたりするような人たちのことです。もしくは完全に企業としてイベントを開く人たちとか。

「初めて自分で勉強会を開催してみたい」「単発のイベントを開いて人を集めたい」という人は、別のサービスを利用せざるを得ないのでは?というのが僕の感想です。(主催者の工夫や努力でDoorkeeperで何とかできる可能性もありますが)

もちろん、これはDoorkeeper株式会社としてのビジネス上の判断ですから、外野にいる我々としてはそれを受け入れざるを得ません。
これまでの無料で便利で気軽に使えていたDoorkeeperがなくなってしまうのは残念ですが、なぜこの判断に至ったのか、そしてどういうユーザーをターゲットにしてサービスを発展させていこうとしているのかが明確になったのは良かったです。

あ、なんか「これでお別れ」みたいな文章を書いていますが、西脇.rbは引き続きDoorkeeperを使っていくので、どうぞよろしくお願いします!(苦笑)

2016.7.28 21:00追記:スポンサー活動が一部で始まっているようです

「勉強会をDoorkeeperで告知したいけど毎月1500円を払うのは厳しい」という主催者さんのために、有志の方々が条件付きでスポンサーになってくれる活動が始まっています。

【Co-Edoで勉強会を開催している主催者の方へ】
昨日 Doorkeeperの運営者とお話し、わたしの感じていることを伝えました。
それとは別に「Co-Edoプラン」のようなものを提供しようと検討しています。Doorkeeperを無料利用(Co-Edoの契約枠で利用)できるようにするものです。条件はこれからですが「3ヶ月に1度以上、Co-Edoの利用料のみの勉強会をCo-Edoで開催するコミュニティ運営者」のようなゆるい感じで考えています。(この条件を満たしていれば、Co-Edo以外の場所を併用するのも自由/このアイディアについてはPaulさんに確認済です)
 

田中 弘治 - 【Co-Edoで勉強会を開催している主催者の方へ】 昨日... | Facebook

いずれも詳細はこれから決めていくようですが、今後は地域や技術分野ごとにこうした動きが増えてくるかもしれませんね。
個人的にはとても良いと思います。

2016.8.3 19:00追記:コワーキングスペース茅場町 Co-Edoさんのサポートプランについて

コワーキングスペース茅場町 Co-Edoさんから「Co-Edoプラン for Doorkeeper」というコミュニティ向けのサポートプランが発表されました。
このプランは「3ヶ月に1度以上、Co-Edoの利用料(1,000円)のみの勉強会をCo-Edoで開催するコミュニティ運営者であれば、無料でDoorkeeperを使い続けられる」というプランだそうです。

詳しい内容はこちらのブログに経緯や思いを含めて掲載されています。
興味のある方はぜひチェックしてみてください。

コワーキングスペース茅場町 Co-Edo: Doorkeeperを使用しているコミュニティの主催者をCo-Edoが支援します

2016.8.10 19:30追記:YassLab さんの「Doorkeeper スポンサーシップ」について

YassLabさんの「Doorkeeper スポンサーシップ」も公開されました。
以下のコミュニティのスポンサーを優先的に行うそうですが、枠が余ればそれ以外のコミュニティもサポートできるかも、とのことです。

  • 沖縄のIT系コミュニティ
  • CoderDojo コミュニティ
  • YassLabさんが関わっているコミュニティ

詳しくは下記ページをご覧ください。

doorkeeper.yasslab.jp

2016.8.10 19:30追記:JJUG さんのJavaコミュニティ支援について

日本Javaユーザーグループ(JJUG)さんもDoorkeeperの利用者を支援する取り組みを始められているそうです。
参加資格は以下の通りですので、Java関連のコミュニティは利用を検討されてみてはいかがでしょうか?

  • 日本国内での活動を中心としているコミュニティ
  • 公式JUG(Java User Group)
  • 公式JUGを目指す団体、もしくは、それに該当するJavaコミュニティ
  • JavaVM上で稼働する言語、フレームワークなどのコミュニティ

詳細は下記ページをご覧ください。

DoorKeeperを利用するJavaコミュニティへ支援について | 日本Javaユーザーグループ

2016.8.24 追記:Doorkeeperのニュースが更新されています

2016年8月22日にDoorkeeperのニュースページが更新され、完全有料化の発表から1ヶ月経った現在の状況や、今回の新料金プランに決まった背景等が説明されています。
こちらもあわせてご覧ください。

無料から有料サービスへ:有料化発表後のDoorkeeper | Doorkeeper

僕がブログや動画に広告を載せない理由、またはブログとお金に関する考え方について

はじめに

僕は最近YouTubeにプログラミング関連の動画をアップしています。
たとえばこんなのとか、


プログラミング初心者歓迎!「エラーが出ました。どうすればいいですか?」から卒業するための基本と極意

こんなのとかね。


これでもう怖くない!?Rails 4.1からRails 5.0にアップグレードする手順を動画付きで解説します

すると、同僚のM氏から「動画に広告は載せないんですか?」という質問を受けました。
(動画を開いてもらうとわかると思いますが、僕の動画では再生前にCMが流れたり、再生中に広告のバナーが表示されたりしません)

はい、広告は載せないです。
僕が動画を作ったのは、別に「YouTuberになって大儲け!!」・・・したいからではなく、あくまで「文章で書くより、画面と口で説明した方が速いから」という理由です。

とはいえ、みなさんの中には「えー、それでもとりあえず広告は貼っておけば?いくらかお金になるかもしれないし」って思う人がいるかもしません。
しかし僕は今のところ動画に広告を貼る予定はないです。
また、動画だけでなく、このブログにもGoogleアドセンスのような広告(「スポンサーリンク」と書かれているリンク画像)を入れる予定もないです。

これはいったいなぜなのか?
このエントリではその理由を書いていこうと思います。

広告を入れない理由は、読者や視聴者にとって邪魔でしかないから

動画やブログに広告を入れない理由はズバリ、読者・視聴者の視点に立つと邪魔でしかないからです。

YouTubeだと、見たい動画を開いたときに5秒とか30秒とか待たされるのはイヤじゃないですか。
5秒待ってから「広告をスキップ」をクリックするのも面倒じゃないですか。
「広告のバナーが動画のいいところを隠すから消したい!」って思ったときに、間違って広告の本体をクリックしないように気を付けながら、右端の「x」マークにマウスカーソルを当てるのって、変に神経使うじゃないですか。

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ブログだとスマホで見たときのGoogleアドセンス広告って、画面の半分近くを占めるじゃないですか。
画面をスクロールさせるときに間違って広告をタップしないように気を遣うじゃないですか。

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しかも、広告が入ると本文が分断されて続けて読めなくなるし、広告が入るタイミングによっては「あれっ、この記事はここで終わり?」って一瞬勘違いすることもあるじゃないですか。

そして何よりも、表示されてる広告を見て「おっ、これいいやん」と思ってクリックすることって滅多にないじゃないですか。
(僕はHaskellで転職する予定はないし、ファブリーズだって別にいらない!)

いや、クリックする人がいるからこそ広告が成り立つんでしょうけど、「この広告が出てきて嬉しい」って思う人と「この広告、邪魔やわー」って思う人を比べたら、たぶん邪魔って思う人の方が多いんじゃないでしょうか?

まあ、僕は広告屋さんじゃないので実際の割合はわかりませんが、少なくとも僕は広告(特にメインコンテンツに堂々と入り込んでくるタイプ)が邪魔だと感じています。
なので、読者や視聴者のみなさんにもイヤな思いをしてほしくないので、広告は入れないでおこうと考えています。

「じゃあ、お金は欲しくないの?」

いや、お金は欲しいです(笑)。
ブログを書いてお金がもらえるなら、もらえるに越したことはないです。

ただ、僕がブログを書く第一の目的はお金ではありません。
僕がブログを書く第一の目的は、読んでくれた人に「役に立った。ありがとう!」と思ってもらうことです。

インターネットを検索すると、役立つ情報がたくさん見つかる。
でも、その情報はどこからともなく自然と湧きあがってくるものではなく、誰かが発信しているからこそ、その情報がネットで見つかる。
じゃあ、自分も情報をもらうだけでなく、発信する側に回ってみよう。
ギブアンドテイクの精神で、「与える側」にも立ってみよう。

・・・これが僕がブログを書き始めた動機です。
そして、この考えは今でも変わっていません。

なので、お金が入ることよりも、ブログを読んでくれた人の「ありがとう」という声が聞こえてくる方が僕にとっては嬉しいです。

邪魔にならない商品リンク・宣伝ならOK

とはいえ、ブログでお金が入る手段を完全に放棄しているわけではありません。
「邪魔になる、役に立たない広告はNG」ですが、「邪魔にならない、役に立つ商品リンクや宣伝はOK」というのが僕のポリシーです。

具体例でいうと、「こんな本を読みました。すごくいい本だったので、みなさんにもオススメです」という流れで、Amazonの商品リンクを載せるのはOKです。
なぜなら、それは本文の一部として必要な情報だからです。
(読者はリンク先に飛んで商品を購入したり、レビューを確認したりできます)

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また、僕は「Everyday Rails - RSpecによるRailsテスト入門」という電子書籍を販売しています。
この電子書籍を購入してもらうために「みなさん、Everyday Railsを読んでテストコードの書き方を勉強しましょう!」という宣伝も積極的に入れています。
なぜなら、翻訳者の一人として書籍の内容に自信と責任をもっているからです。

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こういうケースであれば、読者の邪魔にならない(むしろ役に立つ)と思っていますし、リンク先に飛んで商品を購入してもらえば僕にもいくらか報酬が入ってきます。

「ブログでお金を稼ぐ」という点だけ見ると、Googleアドセンスの広告と変わらないかもしれませんが、読者の立場に立つと見え方は全然違うと僕は考えています。

お金よりもレピュテーション(評価や信頼)を集めたい

僕の職業はプログラマです。
そして、メインの収入源もプログラマとしての仕事です。
ブログで稼いだお金をメインの収入源にする予定はありません。

なので、僕にとってブログは「直接お金を稼ぐ手段」ではなく、「プログラマとして長期的に安定して収入を得るためのサポートツール」であってほしいと考えています。

先ほど「ブログを書く第一の目的は、読んでくれた人に『役に立った。ありがとう!』と思ってもらうことだ」と書きました。
これを続けていると巡り巡って僕自身のレピュテーション(reputation、評価や信頼の意味)につながっていきます。

業界でそれなりに名が知られ、レピュテーションが高い状態を維持できれば、最悪、今働いている会社がなくなっても(縁起でもないけど)、次の会社で職が見つけやすくなるはずです。
(実際はどうなるかはわからないけど、少なくともそうなってほしい)

似たようなエピソードとして、先日、トレタの増井さん(@masuidrive)がインタビュー記事で次のようなことを話されていました。

僕の個人的な目標は、「今僕が持っているものを全てなくしても、明日から普通に暮らせること」です。今日トレタが潰れ、帰ってみたら僕の家が火事になっていて、預金も全部なくなっていた、ということになっても、普通に暮らせる状態ですね。今の僕だったら、他の会社にもいけるだろうし、家もまぁ誰か友達が泊めてくれ、PCも貸してくれるだろうと思います。
 

トレタ増井氏×桂対談 - エンジニアが年収700万円台の壁を越えるためには何が必要?(前編)|転職ドラフトReport

増井さんに比べたら僕なんてまだまだですが、「個人的な目標」として考えていることはほぼ同じです。

雑誌記事の執筆や講演の依頼など、間接的な副収入が入ることもある

ブログで直接お金を稼がなくても、ブログ記事がきっかけでたまに雑誌記事の執筆や講演の依頼が入ってきたりすることもあります。
たとえば、僕は過去に何度かSoftware Design誌に記事が載りましたが、執筆の依頼を受けたのは僕が書いたブログを編集者さんが読んだことがきっかけです。

商業誌に記事を書くと当然、原稿料をいただくことができます。
また「雑誌に載ったよ!」という自分の実績も増えます。

こういう面でもブログは僕にとって「間接的にお金を稼いでくれるツール」になっています。

まとめ

さて、だんだん話があっちこっちに飛び始めてきたので、このエントリの内容を最後にまとめます。

  • 読者や視聴者が「邪魔」と感じるような広告は貼りたくない。
  • 一方で、邪魔にならない商品リンクや宣伝をブログに含めるのは問題ない。
  • ブログでお金を稼ぐことは否定しない。ただし、自分にとっては一番の目的ではない。
  • お金を稼ぐよりも、読者の「ありがとう」という気持ちを集めて、レピュテーションを高めたい。
  • ブログで直接大金を稼がなくても、ブログはメインの収入源を安定させたり、間接的な副収入を得たりするのに役立っている。

僕のブログとお金に関する考え方をまとめるとこんな感じです。
まあ人それぞれ、いろんな考え方があると思いますが、「なるほど、こんな考え方もあるんだなあ」とみなさんがブログを書いたりする際の参考になれば幸いです。

あわせて読みたい

僕がブログを書く動機について、詳しく書いています。

Rails 5への移行手順や、Rails習得で必要な技術要素の話をQiitaに書きました

お知らせ

先日(というか1本は今日)、Qiitaに「これでもう怖くない!?Rails 4.1からRails 5.0にアップグレードする手順を動画付きで解説します」と、「あなたがマスターしたのはいくつ? Railsを習得するために必要な技術要素の一覧」という記事を投稿しました。

このエントリではこれらの記事の内容を簡単に紹介します。

「これでもう怖くない!?Rails 4.1からRails 5.0にアップグレードする手順を動画付きで解説します」について

タイトル通り、Rails 4.1からRails 5.0への移行手順を説明した記事です。
記事だけでなく、スクリーンキャストでも移行の手順を説明しています。(むしろ動画の方が詳しいです)


これでもう怖くない!?Rails 4.1からRails 5.0にアップグレードする手順を動画付きで解説します

記事で使ったサンプルアプリケーションは、Everyday Railsで使用しているサンプルアプリケーションです。

また、動画内ではRubyMineを使っているので、RubyMineの便利機能をチェックしたりすることもできます。

最近Railsを始めたばかりで今までRailsのバージョンを上げたことがない人や、Rails 5に上げたいけど、どれくらい大変かわからなくて腰が重いと感じている人は、ぜひ参考にしてみてください。

「あなたがマスターしたのはいくつ? Railsを習得するために必要な技術要素の一覧」について

こちらは「This is Why Learning Rails is Hard(Railsの習得が大変な理由はこれだ)」という海外記事に載っていたマインドマップを日本語化&リスト化したものです。

f:id:JunichiIto:20160322081032p:plain

上のマインドマップの内容をこんな感じで日本語化しています。

Ruby言語
  • オブジェクト指向プログラミング
    • クラス&モジュール
    • 属性&メソッド
    • 継承&ミックスイン
  • 関数型プログラミング
    • ブロック
    • Proc&ラムダ
  • フロー制御
    • 条件分岐
    • 繰り返し
  • REPL(対話型評価環境)&デバッグ
  • メタプログラミング

独学でRailsを勉強している人がこれから勉強がしなければならない技術要素を確認したり、チームでRailsを開発している人がメンバーのスキルチェックシートとして使ったり、いろんな活用法があると思います。
また、Railsに限らず「Webアプリケーション全般で必要な技術要素」もたくさん載っているので、JavaやPythonなど、Rails以外の言語やフレームワークを使っている方にもオススメです。
ぜひ参考にしてみてください。

まとめ

というわけで今回はQiitaに公開した技術記事を2本紹介しました。
みなさんのお役に立つと幸いです (^^)