はじめに
先日、こちらのページでRuby on Rails作者のDavid Heinemeier Hansson (DHH) 氏と、Basecamp (旧37signals) 創業者のJason Fried氏の対談記事を読みました。
「10倍プログラマ」の神話、Ruby on Railsの生みの親が語った高い生産性のカギとは!? | HRナビ by リクルート
なかなか興味深い内容だったので、個人的なメモレベルで日常的な仕事やソフトウェアビジネスの考え方で参考になりそうなポイントをまとめてみました。
10倍の生産性を生み出す考え方
- 200ドルで実装する方法、100ドルで実装する方法、7時間で実装する方法。この中から7時間で実装する方法を選ぶ。
- 同じ仕事を速くやろうとするのではなく、違う仕事をやる。そこに価値を見いだす。
- 周りのできの悪いプロダクトよりもほんの少し良くする。
- 3ヶ月以上かかるようなプロジェクトは生産性が悪いので関わらない。
- 労働時間を浪費せず、全て意味のあるものにする。
- 短期間でリリース可能なプロジェクトに時間を使う。
Basecampではやらないこと
- ミーティング
- 費用対効果(人件費対アウトプット)が悪い。メールで済ませる。
- 新しいプロダクトへの取り組みと、それに向けた新規採用
- より少ない人数でできるように、自分たちが一番よく知っていて一番良い仕事ができるプロダクトに集中する。*1
ソフトウェアビジネスの考え方
- ユーザーは再学習が必要になるような変化は求めていないので、クラシック版を提供し続ける。
- クラシック版のサポートはビジネス的にも費用対効果が高い。
- 大事なことはソフトウェアを使っていない人たちが抱えている問題をソフトウェアで解決すること。
- そういった人たちは競合ソフトウェアとの機能比較なんてしない。クチコミでBasecampを使い始める。
- 「変化しないものにこそ注力する」(Amazon ジェフ・ベゾス)
- 顧客にとって10年経っても変わらない価値は何か?
- Amazonの場合:翌日に配送する
- Basecampの場合:ユーザーの問い合わせにクレイジーなほど素早く対応する。
- ユーザーを丁寧に扱う。使いやすさをおろそかにしない。
- 機能や技術が重要なのではない。
対談記事のまとめは以上です。
その他:YouTubeの字幕機能がなかなか良かった
このエントリを書くにあたって、翻訳記事だけでなくオリジナルの動画も見てみました。
これがその動画です。↓
この動画を見るときに初めて知ったんですが、最近のYouTubeは字幕が付けられるんですね。
自動音声認識による字幕なので100%正確ではないですが、80点ぐらいの正確さはあるんじゃないかな~と思います。
字幕を見ながら動画を見ると英語のリスニング勉強になかなか良いんじゃないかと思いました。
まとめ
Basecampの発信内容は以前から書籍等でチェックしていましたが、こうしてまとめてみると、改めて「目からウロコ」なポイントがたくさんありました。
こういう形で成功するのはプログラマにとってひとつの理想形だな~と思います。
あわせて読みたい
Basecampの哲学をもっと詳しく知りたい方は以下の書籍がオススメです!
小さなチーム、大きな仕事〔完全版〕: 37シグナルズ成功の法則
- 作者: ジェイソン・フリード,デイヴィッド・ハイネマイヤー・ハンソン,黒沢 健二,松永 肇一,美谷 広海,祐佳 ヤング
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 2012/01/11
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強いチームはオフィスを捨てる: 37シグナルズが考える「働き方革命」
- 作者: ジェイソン・フリード,デイヴィッド・ハイネマイヤー・ハンソン,高橋璃子
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 2014/01/24
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*1:2014年、Basecampはメインのプロダクトを1つに絞り込んだ