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Rubyプログラマが今年は動画で情報モラル講演をしてきたよ

はじめに

このエントリは「子供とネットを考える Advent Calendar 2020 - Adventar」の23日目の記事です。

さて、僕はプログラマの仕事をやっていて、現在中3の息子がいます。
2年前、息子の中学校で情報モラル講演会があり、試しにその講演を聞きに行ったら「いったい、なんじゃこりゃあ!?」と思ったのがきっかけで、子ども向けの情報モラル教育に関心を持つようになりました。

「なんじゃこりゃあ!?」と思ったときの話は以下のエントリに詳しく書いています。
blog.jnito.com

その後、中学校に「もうちょっとちゃんとした講師を呼んだ方がいいですよ」と進言したのがきっかけなのか、翌年は「伊藤さんに講師をやってもらえませんか?」と学校からお願いされて、なぜか僕が息子の前で情報モラルの講演会をすることになりました。
blog.jnito.com

で、今年です。
3月ぐらいの時点で中学校からは「今年も講演をお願いできませんか?」というお話をいただいていました。
ただ、その当時は新型コロナの影響で学校が休校になっていた時期なので、「具体的な日程は新型コロナが落ち着き次第」という形になりました。

が、なかなか学校は再開せず、実際に再開したのは6月からです。
再開しても「なるべく3密を避けましょう」と言われていたことは、みなさんもご存じの通りです。

その結果、今年は「対面での講演はやめて、動画形式にしましょう」という話になりました。
そこで、どんな感じで動画講演を実施したのか、このエントリに簡単にまとめておきます。

スライドは去年使ったものをほぼ再利用した

情報モラル関連の情報は陳腐化しやすいので、スライドもなるべく最新の情報にアップデートした方がいいと思います。
が、ちょっと今年はスライドをじっくりアップデートする時間がなくて、基本的に去年使ったスライドをほぼそのまま使いました。

まあ、スライド的には極端に賞味期限が短い内容はあまり含まれていないので、アップデートしなくても数年は使えるかな〜、と思ったりしています。

動画はZoomで収録した

動画を収録する一番手軽な方法はQuickTime Playerの画面収録機能を使って、スライドを画面に映しながら口頭で話すスタイルだと思います。

MacのQuickTime Playerで画面を収録する - Apple サポート

ただ、これだと話者の顔がまったく写りません。
動画の収録時間は40分ぐらいあるので、画面と声だけだと動画を見ている生徒は途中で飽きて眠くなるんじゃないかと思いました。

そこで画面を写しつつ、自分の顔を見せるために、今回はZoomを使ってみました。
以下の画像のように常に僕の顔が画面の右上に表示されています。

f:id:JunichiIto:20201223075831p:plain

動画収録の手順としてはこんな感じです。

  1. Zoomのミーティングに自分一人が参加する
  2. Zoomのレコーディング機能をONにする
  3. Zoomの画面共有機能をONにする
  4. MacのKeynoteをプレゼンテーションモードにして画面を映しながら話す
  5. 話し終わったらZoomを終了する。すると動画のMP4ファイルができあがる
  6. iMovieを使って動画編集する(無駄な沈黙部分のカットなど)

できればYouTuberみたいに本格的な機材やらソフトやらを買い揃えたいところですが、予算の関係上、こんな方法になりました😅

あと、動画の収録後にmmhmm(んーふー)というアプリの存在を知りました。
このアプリを活用するともうちょっとオシャレに自分の映像を合成できたかもしれません。

lifehacking.jp

動画講演会開催までの流れ

動画を作成してから講演会を開催するまでの流れはこんな感じです。

  1. YouTubeに限定公開モードで完成した動画をアップする
  2. そのURLを担当の先生にメールでお知らせしてレビューをお願いする
  3. 担当の先生からOKをもらう
  4. YouTubeのままだと校内で使いづらいので、動画ファイルをオンラインストレージサイト経由でダウンロードしてもらう
  5. ダウンロードした動画ファイルを使って校内で放映してもらう

ちなみに、iMovieから書き出したMP4だと学校のWindowsパソコンで再生したときに動画と音声がズレる、という報告があったので、VLCを使ってAVI形式に変換しました。
AVI形式だと音声のズレは発生しなかったようです。

話をもらってから動画講演会を実施するまで、学校側とは電話とメールだけですべて完結しました。
やろうと思えば一切顔を合わせずにやれるもんですね〜。

動画講演会の様子

ちょっとわかりにくいですが、息子が学校から持ち帰ってきた学校だよりにこんな写真が載っていました。

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講演を聞いた生徒さんの感想

僕の動画講演を聞いた生徒さんの感想を一部紹介します。
「去年と同じ内容で退屈だった」みたいな感想は見当たらなかったので、ちょっと安心しました。
むしろ、感想を読んでいると僕が伝えたいことをちゃんと理解してくれている子どもたちが多かったので、とても良かったです😊

今までの講演会は「あぶないよ!」「こわいよ!」っていうのしか分からなかったけど、今日の講演会は「あぶないから○○する」「こわいけど付き合っていく」っていうように具体的に言ってくださったからとてもわかりやすかったし、自分のためにもなりました。
スマホやネットは少し遠いところに感じていたけど、飛行機の話とかですごく近くに感じることができました。リスクっていうのは思いのほか近くにあるんだなって実感しました。
(1年生)

色々なことにリスクがあるけれど、正しい使い方をすれば大丈夫だということがわかりました。スマホを使う前はとってもあぶないものだと思っていたけど、使ってみたらとっても便利なものだと気づきました。家ではルールなどが決められているので少しだけ安心です。
今日の話を聞いてちょっと心配だなと思ったこともあったけど、今日の話をしっかり覚えてこれから先のスマホの使い方やSNSの使い方を見直したいです。
(2年生)

私も自分のスマホを持っていて、「勉強しなきゃ」と思っていてもやらなくて気づくと1時間経ってたりすることがよくあって、スマホとうまく付き合えていませんでした。
SNSで何かつぶやくことがあったりするけど、友だちと話していても内容は世界中に広がったりするんだと思うとすごく怖いなと思いました。
国語の授業でも同じような話があって、想像力を働かせて画面の中にはたくさんの人たちがいることを忘れないようにしたいです。
(3年生)

まとめ

というわけで今回のエントリでは対面ではなく動画で中学生向けに情報モラル講演をやってみた、という話を書いてみました。
本当は動画よりも対面でお話しできた方が良いと思いますが、こういう状況下なのでいろいろ柔軟な選択肢をとれるようにしておくことは大事なんじゃないかな〜と思います。
僕と同じように情報モラル講演をやっている方や、動画講演を検討している方が今回の僕のエントリを参考してもらえると嬉しいです😄

(おまけ)
僕の息子が通っている中学校なので、息子も僕の動画講演を聞くはずでした。
ですが、なぜか僕の動画が始まってしばらくしたら急に体調が悪くなって保健室に移動したらしいです。おいっ、なんで!?