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ソニックガーデンに入社して変わった3つの印象

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はじめに

先週からソニックガーデンのオフィスにて研修を受けています。
まあ研修といってもかっちりとカリキュラムを組んでやっているわけではなく、浅く広く色んなことをやって仕事の進め方や考え方を身につけてもらおう、みたいなスタンスです。
とはいえ、こちらもこの業界で長年やってきているいい大人なんで、手取り足取り教えてもらわなくても自分で吸収できることは自分で吸収していこうと思っています。


ところで入社報告時のブログにも書きましたが、選考期間中から一緒に仕事っぽいことをやってきているので、「わ〜、なんて新鮮!!」みたいな感覚が今さらあまりわかないんですよね〜。
とりあえず一週間が過ぎましたが、環境の違いに戸惑ってくたびれてしまうこともなく、楽しみながら研修を受けている感じです。


研修はそんな感じで進んでいますが、選考期間中から感じていたことも含めて、実はソニックガーデンってこんな会社だったのか!と意外に思ったことを3つ挙げてみます。

1. 「アジャイル」なんてどうでもいい!

僕が入社前に抱いていたソニックガーデンの印象は「倉貫さん=ソニックガーデン=アジャイル開発」みたいな感じでした。
僕自身もアジャイル開発にはある種の憧れみたいなものがあって、色々とアジャイル関連の本を読んだり、職場でデイリースクラムやタスクボードなんかを導入したりしていました。
なのでXPやスクラムの思想やプラクティス等も大体理解しているつもりでした。


さあ、ソニックガーデンの開発スタイルはXPかな?それともスクラムかな?・・・と思っていたのですが、どちらでもありませんでした。
もちろん、その他のアジャイルの流儀に則っているわけでもありませんでした。
ソニックガーデンの開発スタイルは完全にソニックガーデン流であり、倉貫さんの言葉を借りれば「ソニックガーデンはアジャイル原理主義ではありません」ということです。


非常に言葉にしにくいのですが、実践しているのはお客さんも開発者も無駄なく効率よく開発が進められる合理的な仕事の進め方です。
無理にジャンル分けするなら、おそらくこれはアジャイル開発の一種だと思うのですが、中で仕事をしているとアジャイル開発かどうかとか、どうでも良くなってきます。
あえて名付けるなら「自分たちで独自に発展させた、ソニックガーデン流の合理的な仕事の進め方」なんだと思います。


しかも、文書化された静的なプロセスなんかではなく、案件によってやり方も多少変わるし、非効率なところがあればすぐやり方を改善するし、形のない生き物みたいな感じです。
なので、中で仕事をしていると「これぞまさにあの本で読んだアジャイル開発だ」とか「次はXPで定められているxxxというプラクティスを実践しなければ」みたいな感覚が皆無です。


もちろん、「実践の中で身につけてることは、アジャイルの基本的なことを応用したことがほとんどです (by 倉貫さん)」ということなので、既存のアジャイル開発を全く参考にしていないわけではありません。
しかし、何かしらの教科書を忠実に守るような進め方は全くしていないですし、もはやアジャイル開発の基本は完全に消化しきってしまい、もはや応用しか残っていないんじゃないか、というのが外から入ってきた僕の感想です。

2. 高い技術力がソニックガーデンの売り・・・ではなかった!

入社前、ソニックガーデンといえばアジャイル開発の次に思い浮かんだのが、「RubyRailsのエキスパート集団」という印象でした。
小さい会社なのに、多くのメンバーが技術書を執筆したり、技術系サイトに連載を載せたりしているのを見れば、いやが上にも「バリバリの技術者野郎たち」が集まっている、そんなイメージを抱いてしまいます。


ところがところが、ソニックガーデンの他のメンバーと一緒に仕事をしていても、誰に対しても「四六時中技術のことしか考えていない、トンガった技術者野郎ども」というような印象は全く受けませんでした。


でも、みんな開発スピードはめっちゃ速いです。
RubyRailsのコアな部分だけでなく、インフラからUIまで、技術的な守備範囲も非常に広いです。
技術ネタを持ちかけると、普通にディープな回答を提供してくれます。


はい結論。やっぱりみんなバリバリの技術者でした!


違う違う。話はまだ続きます。
みんなバリバリの技術者ですが、「典型的なコンピュータおたく」や「浮世離れしたハッカー」みたいなイメージからはほど遠いです。
一体なぜなんでしょうか?


それはソニックガーデンが一番大事にしているのは自分たちのビジョンやビジネスモデル、そしてお客さんとのパートナー関係だからです。
技術力ももちろん重要なのですが、それ以上に大事なのがビジョンやパートナー関係なんです。
いや、倉貫さんの言葉をまた借りるなら、「プロなんだから技術力はあって当たり前」なんです。
技術力は「重要事項」というよりも、むしろ「当たり前」というスタンスなので、仕事を進めていても「技術臭」がそこまで前に出てこないんです。


これは選考期間中から感じていたことなんですが、倉貫さんや副社長の藤原さんと話していると頻繁に「ビジョン」や「ビジネスモデル」といったキーワードが出てきました。
僕はプログラマという職種に応募したので、自分に必要とされているのは技術力がメインであり、ビジョンやビジネスモデルの理解なんかは、参考程度でもいいんじゃないかと思っていました。
しかし、入社してみるとプログラマであっても重要なのは明らかに「技術力 <<< ビジョン、ビジネスモデル、お客さんとのパートナー関係」でした。
「技術臭」が前に出てこない代わりに、「ビジネスモデルやパートナー関係」に関する話題やディスカッションは仕事中でも食事中でも頻繁に出てきます。


というわけで、バリバリの技術者集団なのに技術臭が前に出てこない原因はこれです。
「技術力はあって当たり前」というスタンスだから。
プログラマであっても技術力よりビジネスモデルやパートナー関係を重要視し、話題に上げるから。
そして、「高い技術力がソニックガーデンの売り」なのではなく、それ以上に「ビジョンの実現に向かってみんなで進んでいくところ」「自分たちのビジネスモデルを常に意識して改善していくところ」「お客さんとの友好的なパートナー関係を重要視しているところ」・・・これこそがソニックガーデンの売りであり、強みなんだと感じました。


こうやってみると、選考期間中から「ビジョン」や「ビジネスモデル」といったキーワードが頻繁に登場してきていたことにも納得がいきます。

3. 死にものぐるいで働かなくてよい。なのに成果が出せる!

ソニックガーデンのオフィスで一週間過ごしましたが、ここでは納期に苦しめられてみんなが毎晩遅くまで残業したり、赤字になりそうな案件をマネージャーが必死にやりくりしたりするような光景とは全く無縁です。
そもそも業界で一般的な「一括請負い方式の受託開発」をソニックガーデンでは採用していないので、そういう問題が起きにくくなっています。(起きない、と言い切ってしまっても良いのかも)


また、ベンチャー企業でありながら急成長やIPO(株式公開)を目指しているわけでもないので、辛口に設定された売上目標に向かって社員を死にものぐるいで働かせるようなこともありません。
「目指すのは急激な拡大やIPOではなく、ビジョンを実現させること。30年ぐらいかかってもいい。どうせ時間はかかるんだから今から猛ダッシュしたって体力が続くわけがない。」
・・・というのが先日のディスカッションで出てきたみんなの見解です。


こうやって書くと、このご時世においてそんなスタンスで大丈夫なのか?と少し不安になるかもしれません。
しかし、前年度の業績は創立1年目でありながら十分すぎるものでした。
優秀なメンバーやユニークなビジネスモデルがあれば、ヘトヘトになるまで働かなくてもこんなに結果が出せるんだと僕はちょっと驚きました。


もっとも、初年度の業績に僕は全く関わっていないわけで、今はまだ完全に他のみなさんの成果にぶら下がっているだけの状態です。
来年度は僕自身の貢献度も業績に反映させてやるぞー!!というのが僕のこれから一年の目標です。
小さい会社なんで、そのへんは結構シビアに見えちゃうんですよね。
これも今まで僕が勤めていた会社とは異なるところです。

おわりに

というわけで、今回は入社してみて最も印象的だったことを3つ挙げてみました。
他にも色々ありますが、そのへんはまたそのうち書いていきたいと思います。


本文中ではソニックガーデンのビジョンや受託開発の提供スタイル等についてはあまり具体的に書きませんでした。
ソニックガーデンに興味を持たれた方は以下のWebサイトを訪れてみてください。


SonicGarden 株式会社ソニックガーデン
株式会社ソニックガーデンを設立しました〜退職から独立の経緯と起業への思い - Social Change!
オフェンシブな開発〜「納品しない受託開発」にみるソフトウェア受託開発の未来 - Social Change!
高速で無駄のないソフトウェア開発を実現するための7つのポイント - Social Change!

P.S.

今回僕が挙げた話にほぼ合致するような話が倉貫さんの過去のブログに載っているのを見つけました。
独立した時点ですでに今の基盤ができあがっていたということですね。

未来に成し遂げたい「ビジョン」、今を一緒に戦ってくれる「仲間」、未来と今を繋ぐ「ビジネスモデル」この3つが揃ったことで、ようやく会社としての第一歩を踏み出すことになりました。なので、今回の独立にしても一か八かの大きな賭けという感じでもなく、割と現実を見据え堅実にいけるところは堅実にいっています。

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