プロのミュージシャン、音楽家、といっても色々なジャンルで色々な人がいる。
クラシック音楽のプロミュージシャン。
ロックバンド、パンクバンドのミュージシャン。
DJやダンス音楽のミュージシャン。
たぶん、クラシック音楽のミュージシャンはほとんどの人が音大を出ているはず。
だから専門の楽器だけじゃなくて、ピアノも一通り弾けるはずだし、楽譜が読めないわけはないし、音楽理論もばっちり理解している。
でもロックバンドのミュージシャンで音大出てる人はかなり少ないはず。
専門の楽器はできるけど、それと同時にピアノが弾ける、楽譜が読める、音楽理論を理解している、とは限らない。
楽器の演奏テクニックにしても千差万別で、超絶技巧ミュージシャンもいれば、アマチュアの方がうまいかも、って思うレベルのプロミュージシャンもいる。
DJやダンス音楽を作るミュージシャンの中には楽器すら弾けない人もいたりする。
ターンテーブルやサンプラー、楽曲製作用のパソコンを広い意味で楽器と捉えれば、「楽器が弾ける」のかもしれないけど、まあ一般的には楽器とは言わない。
でも楽器が弾けなくても、音楽は作れる。
こうやってスキルだけ並べて比較すると、クラシック音楽のミュージシャンが一番凄いように見えなくもない。
でもみんなプロのミュージシャンで、それぞれにファンがいて、音楽で生計を立てている。
楽譜が読めなくても、音楽理論が分からなくてもみんなプロだし、ジャンルによっては必ずしも楽譜が読めたり理論を理解している必要もない。
もちろん、楽譜が読めたり、理論を理解していることが問題になることはほとんどない。知っていても損はない。
で、なんでこんな話をし始めたのかというと、プログラマも同じような感じかも?と、ふと思ったわけです。
コンピュータサイエンスとか、複雑なアルゴリズムとか、そういった理論って、ミュージシャンでいうところの楽譜が読める、音楽理論がわかる、っていうスキルに近いんじゃないなかなと思うわけです。
もちろん知っていて損はないし、プロなら知っておくべきだ、とも思います。
重要なスキルの一つです。僕自身ももっと勉強しないとな〜と感じています。
でも正直言って、プログラマの業種によっては基数変換やバブルソートを知らなくても、情報システムを開発できたりします。
GoogleとかTwitterのAPIを組み合わせて、面白いWebサービスを作ったりすることもできます。
基数変換やバブルソートを知らなくても、そのプログラマが作ったものに喜んでお金を出してくれる人がいるなら、それはそれで立派なプロの仕事だし、プログラマと呼んでもいいんじゃないかな〜と思います。
なので、コンピューターサイエンスやアルゴリズムを理解していないプログラマはプログラマではない、という発想は、クラシック音楽のミュージシャンがロックバンドやダンス音楽のミュージシャンを指差して、「あいつらは本当のミュージシャンじゃない」と蔑んでいるのと似てる気がするな〜と僕は感じました。