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ITエンジニアがお金に関する本を10冊近く一気に読みあさってみた

はじめに:お金は稼げてるけどお金には無頓着な44歳ITエンジニア

僕はプログラマとして働いていて、株式会社ソニックガーデンのお給料やら、副業のフィヨルドブートキャンプのメンター料やら、執筆・翻訳した技術書(「プロを目指す人のためのRuby入門」と「Everyday Rails - RSpecによるRailsテスト入門」)の印税やらで、日本人の平均からすればそこそこいい年収を得ています。
具体的な金額は書けませんが、ここ数年は毎年1000万以上の年収がある、という感じです(機会があればこのへんの話も詳しく書きたい)。

が、基本的にお金には無頓着で生きておりまして、それゆえに毎年自分でもビックリするぐらいの税金を(泣きながら)払っております😭
あと、資産運用的なこともやっておらず、貯金がメインなので(浪費がメインという説もあり)、「あー、お金は稼いでるけど、そこからあとの使い方はなんかあんまり賢くない気がするな〜」と自覚しています。

いや、税理士さんとかもにも相談して節税の方法とかも聞いたりはしてるんですよ。
ただ、「それ、たしかに節税はできるかもしれんけど、なんか、うーん・・・」と、自分の中でしっくりこない方法だったりしていまいちその節税方法に踏み切れなかったりします(「控除が受けられるが、○○年後まで預けたお金を引き出せない」みたいな節税方法はトレードオフが大きすぎてなんかイヤなんです)。

とはいえ、いつまでもぼけーっと惰性で同じやり方を続けるのも賢くないので、一念発起して「お金についてちょっと勉強してみっか!」と思いました。

そこでお金に関する本を読んでみたよ

僕がメンターをやっているフィヨルドブートキャンプのDiscordに「お金チャンネル」というチャンネルがありまして、そこでお金に関する書籍がいくつか紹介されていたのでその本を片っ端から読んでみることにしました。

今回購入して読んだのは以下の7冊です。

ちなみにどれもKindleで買いました。ビジネス書はどれも1000円台で買えるので「失敗したって別にいいや」という気持ちでどんどん購入ボタンを押していきました。

あと、以前から持っていた以下の2冊もあらためて読み直してみました。

SOFT SKILLSは技術者向けの本なのですが、筆者が資産運用してFIRE(早期リタイア)したときのテクニックも紹介されているので、この本は「お金の本」という側面も持っています。

これらの本を実際に読んでみて、それぞれ僕がどんな感想を持ったのか、簡単に紹介していきます。
個人的オススメ度も「⭐️⭐️⭐️」で載せておきます(3点満点)。

なお、紹介する順番はこの数日で僕が実際に読んでいった順番です。

ジェイソン流お金の増やし方

今回、最初に読んでみた本です。
僕が住んでる兵庫県西脇市という田舎町でも、町の書店に置いてあったので以前からこの本の存在は気になっていました。

投資信託をコツコツと続けて、複利の力で12年でFIRE(経済的独立、早期リタイア)達成、というのが厚切りジェイソン氏の実践例でした。
すごく説明がロジカルでわかりやすいし、「たしかにこれなら自分でもできそう。そして、リスクもそこまで高くなさそう」と思わせるぐらい資産運用のハードルを下げてくれるのはさすがだな、と思いました。

ただ、本を読む限り、厚切りジェイソン氏はかなりの倹約家のようなので、浪費癖のある僕にはちょっと真似しづらいな、と思う部分も一部ありました。

とはいえ、とてもわかりやすいので、僕みたいな初心者が最初に読む本としてはお勧めできると思います。

(個人的オススメ度:⭐️⭐️⭐️)

改訂版 金持ち父さん 貧乏父さん:アメリカの金持ちが教えてくれるお金の哲学

かなり昔からあるベストセラー本です。タイトルだけは聞いたことがある、という人も多いのではないでしょうか。
僕自身もずいぶん前にこの本を買って読みましたが、今回また改めて読み直してみました。

この本は「なぜサラリーマンを続けても一生金持ちになれないのか」という理由をわかりやすく説明してくれる本です。
また、資産と負債という用語を「資産=お金を生むもの」と「負債=お金を奪っていくもの」と定義し、「資産を徹底して増やせ、負債を徹底して減らせ」という一貫したポリシーを発信しています。ちなみに僕は負債の方が圧倒的に多いです😭

厚切りジェイソン氏は草食型というか、あまり手間暇をかけずに、ローリスク・ローリターン(もしくはミドルリスク・ミドルリターンかな?)の資産運用をお勧めしていますが、この本の著者であるロバート・キヨサキ氏はちょっと素人には真似しにくいハイリスク・ハイリターンなテクニックを紹介しています。

ただ、素人から見るとハイリスクでも、いっぱい勉強してプロの投資家になれば「これはいける、いけない」という目利きができるようになるんでしょうね。
肉食型で攻めるタイプなので、ジェイソン氏よりも圧倒的に効率良く大金を稼げるイメージです(実際、著者は億万長者ですし)。
が、僕にはとても真似はできないかな・・・😅

とはいえ、前半の「なぜサラリーマンを続けても一生金持ちになれないのか」とか「資産と負債の違い」みたいな話題は社会人の教養として知っておいて絶対損にはならないので、この本も非常にお勧めです。

(個人的オススメ度:⭐️⭐️⭐️)

SOFT SKILLS ソフトウェア開発者の人生マニュアル 第2版

この本は技術者向けにどういうキャリアを歩んでいくべきかを論じたユニークな一冊です。
その中に「筆者が33歳でFIREした方法」も紹介されています。

筆者のジョン・ソンメズ氏は不動産投資でFIREを達成しました。
具体的にどういう方法で資産を拡大していったのかが、本書の中で紹介されています。
この人も積極的に資産の拡大を目指す肉食型ですね。

「アメリカと日本ではいろいろ事情が違うのでは?」と思うところがあるのと、「これだけ本気で不動産投資に力を入れたら、とてもじゃないけど本業と両立はできんわ」というのが僕の正直な感想です。

なので、お金の話に関しては「へえ、すごいね!僕には真似できないけど」という感想に落ち着いてしまいます。ですが、それ以外の技術者向けのトピックはとても興味深く、有益なものも多いので、「技術者が読む本」としては個人的にお勧めしたいです。

(個人的オススメ度:⭐️⭐️)

なお、本書については以下のエントリでも詳しく紹介しているので、エンジニアのみなさんはこちらもあわせてどうぞ。
blog.jnito.com

図解・最新 難しいことはわかりませんが、お金の増やし方を教えてください!

経済評論家の山崎元氏が対話形式で初心者向けに資産運用に関するFAQについて回答していくスタイルの本です。

僕みたいな初心者が「あー、そうそう、そういうのが気になるんだよねえ」というお金に関するトピックを幅広くカバーしてくれている点と、山崎元氏がズバッズバッと「そういう人にはこっちがオススメ」とか「そういうのは素人が手を出しちゃダメ」と断言してくれるところが読んでいて気持ちいいです(「自信満々に断言する専門家の発言」っていうのはたまに怪しいケースもあることを意識しながら読んだ方がいいかもしれませんが……)。

厚切りジェイソン氏も紹介していたように、資産運用の初心者で時間がない人は米国株の投資信託(インデックスファンド)が向いてるみたいです。

読みながら「へー。へー。なるほど」と思うところがたくさんあったので、この本もお勧め。

(個人的オススメ度:⭐️⭐️⭐️)

節約・貯蓄・投資の前に 今さら聞けないお金の超基本

そもそもお金って何?税金って何?みたいな、「お金に関する基本のキ」を豊富なイラスト付きで易しく説明してくれる本です。

ただ、20年近く社会人をやってる僕みたいなおじさんからすると、「さすがにそれくらいは知ってるわ〜」という話がほとんどだったので、新しい知識はほとんど手に入らなかったです。
逆にこれから社会人になる若い人には参考になる部分が多いかも。

とはいえ、本として見たときに「知識の寄せ集めカタログ」になっている感は否めず、筆者の主張とか、本書の読者をどこに導きたいか、みたいな「本のビジョンやゴール」が見えないので、その点においても若干物足りないかもしれません。

(個人的オススメ度:⭐️)

本当の自由を手に入れるお金の大学

YouTuberとしても有名な「両@リベ大学長」が初心者向けにお金の増やし方を指南してくれる一冊・・・だと思うのですが、すいません、癖の強いイラストと、筆者の怪しい関西弁に拒絶反応が出てしまい、ほとんど内容が頭に入ってきませんでした。

内容自体も上で紹介した本に比べるとやや浅いというか、目新しい内容や筆者独自の観点があまりなかったように感じます(ざっと流し読みしただけですが)。

YouTubeチャンネルの方はとても人気があるようなので、先にYouTubeを見て「面白そう」と思った人が買って読んでみるといいかもしれません。

(個人的オススメ度:⭐️)

忙しいビジネスマンでも続けられる 毎月5万円で7000万円つくる積立て投資術

厚切りジェイソン氏と同じく、投資信託で資産運用しましょう、という本です。
厚切りジェイソン氏の主張ともかなり被っているので、「やっぱり初心者は投資信託がいいんだね〜」と再確認する一冊でした。
ただ、貯める一方ではなく、貯めた資産を「いつ、どんなペースで使うか」という点についても、1章ぶんを割いて説明している点はなかなか良いなと思いました。

(個人的オススメ度:⭐️⭐️)

はじめての人のための3000円投資生活

こちらもやはり「投資信託で無理なくのんびりと資産を増やしていきましょう」という本でした。
すでに同じような内容の本を何冊も読んだので、「初心者が最初に手を付けるなら投資信託。これ一択で間違いない」と確信した感じです。

そういう意味では「ジェイソン流お金の増やし方」はおかしなことを言ってなさそうなので、とりあえず最初の一冊として「ジェイソン流お金の増やし方」を買って読むのは正解なんじゃないかなーと思います。

(個人的オススメ度:⭐️⭐️)

番外編:【お金の授業総まとめ①】計16冊のお金の本を読み込んだ中田の結論は?

フィヨルドブートキャンプのDiscordでは、中田敦彦氏のこちらのYouTube動画もオススメされていました。


www.youtube.com

僕も見てみましたが、中田氏の結論は上で読んできた本の内容とほぼ一致していました。

つまり、「投資信託 x 米国株 x インデックスファンド」が一番確実、ということです。

なので、動画でざっくり理解したい、という人はこの動画を見てみる、というのもいいかもしれません。

とはいえ、本を読んでみて初めて腹落ちする、という部分もきっとあると思うので、何か本を一冊買って読んでみた方がいいかな〜とも思います。

DIE WITH ZERO 人生が豊かになりすぎる究極のルール

最後に読んだのはこの本です。
この本は上で紹介してきた本とはガラッと趣旨が異なり、読者に対して「貯めるだけ貯めて人生を終えるな、ちゃんと使ってから死ね」と訴えてくる本です。
つまり、タイトルの「DIE WITH ZERO」というのは「死ぬなら所持金ゼロで死のう」という意味なんです。

で、実は上で紹介してきた本の中でこの本が一番よかったかもしれません(苦笑)。

ここまでずっと「将来安心して暮らせるように、無駄遣いせずコツコツ資産運用にお金を回していきましょう」という本を読んできたので、「そうかあ、僕も浪費癖をやめてこれからはもっと節約して資産運用をやっていかなきゃいけないなあ」という保守的な気持ちになっていました。

が、この本では「老後にいくらお金を持っていても、若いうちに体験しなければ価値がないものがたくさんある。だから、若いうちに"素晴らしい経験・体験"にお金を使え。人生は一度きり。どうせ死ぬなら素晴らしい思い出をたくさん作ってから死のう」という趣旨の話が展開されていました。

はい、完全に同意、です!!🤩

いやあ、そうなんですよね〜。僕は今までどっちかと言えばそういうスタンスで生きてきた人間なので、「いかんいかん、守りに入りすぎるのもいかん」と、急に考えをリセットされたような気持ちになりました(笑)。

もちろん、筆者は後先考えずに金を浪費しろ、と言っているわけではありません。あくまで「貯めるだけ貯めて、資産が最大の状態で人生最期の時を迎えるようなことはやめろ」という話をしているだけです。「要はバランス」ってやつですね。

「私たちの人生のさまざまな段階は、はっきりとした合図もなく始まり、終わることが多い」というお話

あと、少し話は脱線しますが、「ルール7・やりたいことの賞味期限を意識する」という章で紹介されていた以下のエピソードは子どもを持つ親としてよくわかるエピソードでした。

2人の娘が小さかった頃、私はよく一緒に『くまのプーさんザ・ムービー/はじめまして、ランピー!』を観た。これは友情についての甘く純朴な物語で、とてもよくできた子ども向けアニメだ。私はこの映画が好きで、娘たちと一緒に何度も繰り返し観ていた。

だがある日、10歳の次女にこの映画を観ようと誘ったところ、断られてしまった。どうやら、もうこうした子ども向けの映画は見たくないということらしい。

あらかじめこうなることを知っていたのなら、私はもっと娘たちと一緒にこの映画を観ようとしただろう。

だが残念なことに、私たちは何かをできなくなるときの正確な日付を事前に知ることはできない。大切なものは、知らないうちにゆっくりと遠ざかっていく。にもかかわらず、私たちは何かがゆっくりと終わりに近づいていることに目を向けず、それが永遠に続くかのように思い込んでいる。

(中略)

それぞれの生を豊かにしようとするときに問題になるのは、後戻りができないことだけではない。それがいつ終わるか、とてもあいまいということだ。

過去を振り返ってみよう。幼なじみの友人と最後に外で遊び回ったのはいつだろう?学生時代の恩師が他界する前に、最後に言葉を交わしたのは?正確な日付は思い出せるかもしれない。だが、おそらくそれが最後の機会になるとは事前にわからなかったはずだ。

学校生活や旅行とは違い、私たちの人生のさまざまな段階は、はっきりとした合図もなく始まり、終わることが多い。その期間が重なっていることもあるが、遅かれ早かれ終わりを迎える。

ビル・パーキンス. DIE WITH ZERO 人生が豊かになりすぎる究極のルール

そう、本当にそう。子どもと一緒にお風呂に入ったり、抱っこしたり、っていうのははっきりした終わりがないまま終わってしまうんですよね。最後に子どもを抱っこしたのっていつだったけ?2人とももう中高生になっちゃったな……みたいな気持ちになった点も含めて、とても良い本でした!

これからお金と人生について考えてみたい人は、この本も強くオススメします!

(個人的オススメ度:⭐️⭐️⭐️)

(2022-7-4追記)もう2冊読んでみました

以下の本もお勧めされたので読んでみました。

イラスト図解 絶対トクする! 節税の全ワザ

お金の増やし方ではなく、節税にフォーカスした本です。様々な節税テクニックが紹介されています。

2021年に発売された本なのでまだ比較的情報が新しいところが良いですね。税制って結構頻繁に変わるので。
ただ、僕自身はすでに税理士さんから聞いてたり、個人事業主として何年も副業していたり、上で紹介した本で勉強したりしてたので、あまり新しい知識を仕入れることはできませんでした。

でも節税の制度っていうのは、政府が国民にこう動いてほしいという狙いや意図があって制定されている、というのは初めて知ったので「へえ〜」と思いました。
あと、今すぐ使うことはないかもしれませんが、贈与や相続に関する節税方法も載っていました。このへんの知識はほとんどなかったので、将来もしかしたら役に立つかもしれません。

というわけで、僕個人にとっては役立つ部分は少なめでしたが、「節税なんて全然考えたことがない」という人にとってはいろんな知識がわかりやすくまとまっていて非常に役立つと思います。

(個人的オススメ度:⭐️⭐️)

サイコロジー・オブ・マネー――一生お金に困らない「富」のマインドセット

サイコロジーというのは心理学のことです。つまり、この本はお金にまつわる人間の心理についてフォーカスした本です。

本書を読んでると、「あー、たしかに僕もお金についてそんなふうに考えてるわ〜」と自分の心を見透かされてるような気持ちになることがよくありました。あと、お金に限らず、「人生そのものに対する向き合い方」にも役立つ話題がたくさん載っていました。たとえば、悲観論と楽観論があると、どちらも同じ未来予測なのに多くの人は悲観論だけを真面目に受け取って、楽観論をバカにしがち、というのは「そう言われるとたしかに」と思ったポイントの一つです。

「お金の増やし方」という点においては、ほとんど具体的な手法が紹介されることはありません。本書はお金の増やし方そのものより、もう一段メタな「お金に対する見方や考え方」や「資産を増やしたいと思う人が持つべき心構え」みたいなポイントを豊富なエピソードとともに解説してくれる一冊です。また、そういった話題を通じて「自分がどういう人生を送るべきか」という点についても新鮮な視座を与えてくれる非常に面白い本でした。

ちなみにDIE WITH ZEROとは違って、本書はお金を使うことよりも貯金を重視している印象を受けました。同じお金に関する本でも著者のスタンスが異なるので、両方読んでみるのがいいんじゃないかなーと思います。

(個人的オススメ度:⭐️⭐️⭐️)

まとめ

というわけで、このエントリでは僕がこの数日で一気に読みあさったお金に関する本を紹介してみました。

本を読む前は「もしかして一気に資産が増える夢のような方法があるのかも?」とバカな期待を持ちながら読んでいましたが、さすがにそんな夢のテクニックは載っていませんでした(当たり前)。

もちろん、リスクの高い投機的なテクニックで一発ホームランを出せば一気に資産が増えるのかもしれません。ですが、素人が手を出すのは完全に博打ですし、リスクを減らすために一生懸命勉強をするような時間もないので、これは検討に値しない話になります。

となると、いろんな書籍で紹介されていたように「投資信託 x 米国株 x インデックスファンド」でゆっくりコツコツ、複利の力を借りながら資産を増やしていく、というのが、素人・初心者には一番無難なアプローチと言えそうです。

が、DIE WITH ZEROで書かれていたように、「若いうちにしかできない体験にお金を使って、たくさん素敵な思い出を貯めてから死ぬ」という考えも大事です(個人的にはとっても!!)。

つまり「要はバランス」ということですね(by 要はバランスおじさん)。

ちなみに本はいっぱい買いましたが、まだ具体的なアクションは特に起こしておりません😛
「銀行にある貯金をいくらか投資信託に回してみようかな〜」とは思っておりますが、さてどうなるやら?

もし実際に始めてみて、何か変化があればこのブログで紹介してみようと思います!