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give IT a try

プログラミング、リモートワーク、田舎暮らし、音楽、etc.

都会を離れて田舎暮らしを選んだプログラマから見た、都会と田舎の生活の違い

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はじめに

ちょっと前に下のWeb記事を見つけました。


半数が「田舎で暮らしたい」、500人調査(若者、地方へ) 低温世代の経済学パート4(4) :日本経済新聞


僕の場合も都会暮らしをやめて、田舎暮らしを選んだ人間です。
参考までに都会から田舎に移った理由や今どういうことを考えているのかを書いてみます。

僕がかつて住んでいたところ

僕は生まれてから26〜27歳の頃までずっと大阪の豊中市に住んでいました。
梅田へは電車で30分、大阪空港へは車で20分で行けるような場所です。
いわゆる大阪のベッドタウンですね。
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面積: 36.38km²
人口: 390,457人
人口密度: 10,730人/km²
豊中市 - Wikipedia

僕が今住んでいるところ

僕が今住んでいるのは兵庫県西脇市です。
ここは妻の実家があるところで、今も実家のすぐ近くに住んでいます。
基本的に山や田んぼがいっぱいある田舎ですが、"超"がつくほどの「ど田舎」というわけではありません。
神戸、大阪までは車で1時間〜1時間半ぐらいです。
コンビニやスーパーは車で5分〜10ぐらいです。
上下水道は整備されており、トイレも水洗トイレです。
職場さえ近ければ、日常生活を送るのに不便はないと言えるでしょう。
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面積: 132.47km² (豊中市の3.6倍)
人口: 42,214人 (豊中市の約10分の1)
人口密度: 319人/km² (豊中市の約30分の1)
西脇市 - Wikipedia

僕が移住した経緯

西脇に住むようになったのは子どもの誕生がきっかけです。
6年前に息子が生まれて、西脇の妻の実家へ僕も一時的に住み込んでいました。
その頃僕は大阪のSIerに勤めていて、ある程度時間が経ったら当時借りていた神戸のアパートに帰るつもりでした。


しかし、子どもを公園に連れて行ったり、田んぼ道や堤防沿いを散歩させたりしていると、「あ〜、子どもはこういう場所で育てたいなあ」と思うようになり、神戸のアパートへは戻らず、こっちにアパートを借り直して暮らすようになりました。
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その後、地元の半導体工場に社内SEとして転職し、妻の実家が所有していた土地に家を建てて、現在の生活が始まりました。

田舎暮らしのいいところ

僕の考える田舎暮らしのいいところを挙げてみます。
あくまで「僕の場合」であり、住む場所や感じ方は人それぞれなのでご注意下さい。

自然がいっぱい、子どもがのびのび

こちらへ移住するきっかけにもなった「自然がいっぱい」というポイントは、やっぱり選んで良かったなと思います。
子どもたちは外へ出て走り回れますし、きれいな景色を見たり、色んな虫と戯れたりすることもできます。
昔僕の父親が「田舎は空が大きい。都会は空が小さい。」と言っていたのですが、ここはまさに「空が大きい」場所です。
四方が山や田んぼに囲まれているので、当然空気もきれいです。

家が広い、隣の家との間隔が広い

僕が豊中の実家に住んでいて一番イヤだったのは家の狭さと隣の家との間隔の狭さです。
昔は音楽好きだったので、学生時代はギターを目一杯かき鳴らしたかったのですが、隣の家との間隔が2mもないような環境だったので、いつも音量を気にしながら弾いていました。
家の大きさにしても、これぞ「ジャパニーズ・ウサギ小屋」というような小さな家に、家族7人がひしめき合って暮らしていました。
庭?駐車場?
何言ってるんですか?ウサギ小屋にそんなのあるわけないじゃないですか!


今の家は妻の実家が所有していた畑をつぶして家を建てたので、豊中の家に比べて何倍も大きい家と庭(一部は畑)、それと宅地内の駐車場を作ることができました。
というか、宅地内にパン屋まで建ててしまいましたからね〜。
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また僕と同様、妻も音楽が好きなので、音楽専用部屋も作りました。
専用部屋にはドラムとグランドピアノとエレクトーンも置いてあります。
隣の家は何十メートルも向こうにあるので防音工事は一切なしで、好きなように音を鳴らせます。
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色々と昔からの憧れを実現できたのは田舎暮らしならでは、といった感じです。
(もちろん、土地は妻の実家に用意してもらったという点も非常に大きいですが)

車で移動しやすい、GWやお盆の大渋滞に巻き込まれない

大阪の実家近辺を運転していると、すぐ信号に捕まってなかなか先に進めません。
朝、夕は車が特に増えるので、「これなら自転車行った方が早かった」と思うこともしばしばです。


一方、田舎は信号と信号の間隔が広いのですぐ車で遠くに行けます。
都会の「車で10分」は500m、田舎の「車で10分」は5kmぐらいのイメージです。
道によっては朝夕に混み合うところもありますが、都会ほどひどくはありません。


また僕の場合、実家が都会にあるので、GWやお盆の帰省はちょうど世間の進行方向と反対になります。
なので、GWやお盆に高速道路を走っていると「いや〜、帰省ラッシュって大変そうだね〜ww」と対向車線を横目にしながら優越感に浸って車を走らせることができます。(性格悪)

悪いところ

これもまた僕個人の主観です。あくまで一意見であることにご注意ください。

地域の付き合いや消防団活動がある

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悪いところというか、カルチャーショックを受けたのは地域の付き合いが多いことと、消防団に入団させられたことです。


地域の清掃活動や草刈り、秋祭りといった「ムラ行事」が定期的に実施されます。
これらの行事はよっぽどの理由がない限り必須参加です。
大阪ではそんな活動はほとんどなかったので、「貴重な土日の時間が削られる〜!」と思うこともしばしばです。


さらに地元消防団という存在も初めて知りました。
「消防車に乗るのは消防士さんだけ」と思っていたのですが、こっちに来てまさか自分が消防車を運転するとは思いませんでした。
しかも、若い人が入ってこないと退団できないという仕組みなので、僕が退団する時期はまだ未定です・・・。
いつになったら抜けられるのやら。


というわけで、田舎に住むと「仕事とプライベート」に加えて、「地域活動」という項目を日々の生活に加える必要が出てきます。

電車が一時間に一本

地元の阪急電車は10分おきに発着していましたが、こちらは1時間おきです。
しかも各駅停車しかないので、どこかへ行くのにもやたら時間がかかります。
大阪に住んでいた頃は毎日乗っていた電車も、こっちへ来てからは一度しかありません。
(というか、試しに乗ってみて全くメリットが感じられなかった)
大阪行きの高速バスが近くから30分おきに出ているので、大阪へ出て行くならこっちを利用した方がまだ便利です。

車が必須

電車やバスが使えないので、移動は車が必須になります。
都会に比べると近くにある店も少ないので、自転車を日常的に利用する人もほとんどいません。
車が絶対に手放せない田舎暮らしは経済的なのか、エコなのか、環境に優しいのかよくわからなくなる時があります。

仕事の選択肢が限られる、勉強会やIT系イベントに参加しにくい

ここまで全然プログラマとは無関係な話ばっかり続いていましたが、ここでようやく仕事の話です。
IT系の仕事の大半は東京方面に集中している気がします。
あとは、大阪や名古屋といった大都市になるでしょうか。
ただでさえ田舎は仕事が少ないですが、IT系の仕事を探そうとなると、さらに苦しくなります。
地元でいい仕事を見つけることができなければ、不便な公共交通機関を乗り継いで大阪や神戸に出ていかなくてはなりません。


同じ理由でメジャーな勉強会やIT系イベントも東京や大阪といった大都市がほとんどなので、ちょっと仕事帰りに寄ってみる、といったこともしにくくなります。
そうそう、大きな本屋もないので、気になる新刊技術書を立ち読みして帰る、ということもできないですね〜。


プログラマやITエンジニアの観点からすると、都会の方が圧倒的にメリットが大きいと思います。

自然の脅威が身近にある

田舎の自然は「心を癒してくれる存在」でもあり、その一方で「人間の大いなる脅威」でもあります。


まず、大雨や台風が来ると市内を流れる加古川の水位がかなり上昇します。
当時はまだこちらに住んでいませんでしたが、2004年の台風23号ではあちこちで川が氾濫し、かなり大きな被害をもたらしました。


僕が住んでからは川の氾濫は起きていないものの、ヒヤヒヤするぐらいまで川の水位が上昇したことは何度かあります。
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また、地味な脅威でありながら、毎年確実に悩まされるのが「花粉」と「雑草」です。


花粉症と言えばスギ・ヒノキがメジャーですが、こちらではカモガヤやブタクサといった雑草も花粉症の原因になります。
大阪に住んでいる頃は春先だけが花粉症の季節でしたが、こっちに住み始めてからは春が過ぎてもまだこれらの「雑草花粉」に苦しめられています。


さらに、冬が終わると家の周りや庭に雑草がわさわさと生え始めます。
最初の頃はがんばって手で抜いていましたが、さすがに限界が来て最近は刈払い機を使うようになりました。
時代の最先端を行くITエンジニアも、田舎で暮らすにはまず刈払い機を取り扱うスキルを身につけなければいけませんw

RYOBI 刈払機 AK-6000

RYOBI 刈払機 AK-6000

都会が苦手になった

最後に、いつのまにか都会が苦手になってしまったという問題も挙げておきます。
昔は「やーい、田舎もーん!!」と当時付き合っていた妻をバカにしていましたが、僕も今や完全な「田舎もん」です。
梅田の街を歩いていたりすると、「なんで人を避けて歩かなきゃいけないの??」「なんでみんなそんなに早足なん??」「街中が排気ガス臭い。なんか頭が痛くなってきた・・・orz」といった感想を僕も持つようになってしまいました(苦笑)。
もはや大阪の実家に帰って暮らすなんて、とても無理な状態です。

まとめ

なんかいいところより悪いところの方が多くなってしまいましたが、今のところ田舎暮らしを選んだことに後悔はしていません。
僕自身を含めて家族みんなが幸せに暮らせているので、地域の付き合いや消防団もその幸せに対する一種の「税金」だと考えているようにしています。
西脇市ぐらいの田舎なら、車と仕事さえあれば大きな不便なく暮らしていくことができます。


ただし、こういう生活が幸せと思えるかどうかはその人次第です。
僕はもともと「田舎暮らし」に憧れている部分もあったので、それほど無理なく田舎暮らしに移行できましたが、都会の利便性は必要不可欠と考えているような人にとってはこの生活は無理でしょう。


僕と同じように田舎暮らしを検討している都会人がいたら、今回僕が挙げた良いところ、悪いところを参考にしてみてください。

ところで、次の仕事はどうするの?

自宅からわずか2.5kmの場所にあった社内SEの仕事を捨てて、僕は一体どこへ向かおうとしているのでしょうか?
田舎暮らしであるにも関わらず、理想的な新しい職場を見つけることができたのでしょうか?
それはまた近日公開するエントリにて紹介したいと思います。

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