はじめに
昨日の夕方、普段通りに自宅で仕事をしていたところ、社長の倉貫さん(@kuranuki)から「伊藤さんちょっといい?」とSkypeのチャットで話しかけられました。
「何ですか?」と尋ねたら、「今日、大阪で中村洋さん(@yohhatu)と飲むんだけどこない?」と飲み会(?)のお誘いが!
突然のお誘いでちょっとビックリしましたが、レアな機会なのでお邪魔することにしました。
ちょうど10分後に高速バスが近くのバス停に停まるので、急いでそのバスに飛び乗り、2時間半かけて兵庫県西脇市から大阪梅田の居酒屋に到着しました。
飲み会はなんというか、やたら濃くて熱い話が延々と繰り広げられていて、それはそれで何本もブログが書けそうなんですが、今回は洋さんと二人で話した会話を取り上げてみたいと思います。
梅田の居酒屋で話す僕と洋さん(Photo by @kuranuki)
「先のことを考えて行動できるのはなぜ?」
洋さんはその日の朝に発言した僕のこのツイートがすごく印象的だったみたいです。
久々にブログ書こうと思ったけど、あまり良いネタではなかったので、途中で書くのやめました。このネタはお蔵入りだなー。
— Junichi Ito (伊藤淳一) (@jnchito) August 27, 2013
ブログを読んだ人が「もしかして自分のことをdisられてる?」と疑念を抱くようなネタは避けた方がいいですねー。
— Junichi Ito (伊藤淳一) (@jnchito) August 27, 2013
このツイートを目にした洋さんから、次のような質問を受けました。
「伊藤さんとは違って、世の中にはちょっと先のことを考えて発言したり、物事を決めたりすることができない人がたくさんいる。伊藤さんはどうしてそういう考えができるのか?先のことを考えられない人は、どうしたらそういう考えができるようになるのか?個人個人のセンスなのか?」
その場ではあまりいい答えが思い浮かばず、「僕を含めてプログラマだったら仕事柄、ちょっと先のことを考えるのはみんな得意なんじゃないですか?」という程度の受け答えしかできなかったのですが、帰りのバスの中で「もっといい答えはなかったのかな~」といろいろ考えていました。
その中で一つ思ったのは、昔からこういう考え方だったわけじゃない、むしろ昔の自分は何でもかんでも思いついたことはすぐ口にして誰かを傷つけたり、周りとぶつかってきたりしてたよな~、ということです。
では何がきっかけで変わったんだろう、と思い返してみると、ある一つの大きな事件がきっかけになった気がします。
「先のことを考えられない若造」が巻き起こした一つの事件
それはちょっとした人生の挫折というか、自分の不遜な態度が原因で大学卒業後もしばらく続けていた塾講師のバイトを突然クビになった、という出来事です。
当時は「塾講師の仕事は好きだし、自分はこの先も塾講師を続けているだろう」と考えていました。
しかし、ある日突然「明日から来なくていい」宣告を受けて、僕は生徒たちにろくにお別れの挨拶もできないまま塾を立ち去らなくてはいけなくなったのです。
まあ、なんというか、あのときはかなりショックの大きい出来事でした。
ところで、突然クビになったと書きましたが、厳密に言うとちょっと違います。
実は僕のささいな発言が塾長の癇に障り、クビにされる数ヶ月前から僕と塾長の間ではすでに不穏な空気が流れていました。
しかし、当時の僕は塾長に一切歩み寄ろうとせず、関係を放置していました。
そしてそのうちにどんどん亀裂が大きくなり、最後にとうとうクビを宣告された、というのが正確ないきさつです。
詳しい原因は忘れたものの、たぶん僕が100%悪かったわけでもないと思います。
僕に言わせれば、大学出たての若造の失言に、本気で怒り続けて態度を硬化させていた塾長(還暦越え)も大人げない人だったと思いますよ、ええ。
ただ、当時の僕は全くもって「先のこと」を考えられていませんでした。
塾講師の仕事を続けたいのであれば、たとえ自分に非はないと考えていたとしても、自分から多少塾長に歩み寄る努力をするべきでした。
今となってはそう思います。
これは一番強烈なエピソードですが、まあ大なり小なり似たような衝突は学生生活やバンド活動の中で発生していました。
当時はねえ、生意気だったんですよ。自信過剰だったんですよ。自分が一番正しいと思っていたんですよ。
いや、今でも「自分が正しい」と思う場面は多いですが(苦笑)、それをストレートに相手にぶつけることはなくなりました。
ストレートにぶつけて相手と衝突してもお互いしんどいですし、全然良い結果にならないですから。
周りとぶつかって、痛い目を見て、「ああ、これじゃあ何も自分にメリットないわー」と徐々に気付き始め、自分の発言には気をつけるようになりました。
「大人になる」=「本音と建て前を使い分ける」「少年ジャンプの主人公の世界から抜け出す」
ところで、大人になる、って一体どういうことなんでしょうか?
それは「本音と建前を使い分けられるようになること」なんじゃないかと僕は考えています。
別の言い方をすると、「少年ジャンプの主人公の世界から抜け出すこと」とも言えるかもしれません。
少年ジャンプの主人公ってみんな自分の考えに正直に、全部本音で生きてるじゃないですか。
敵の前で本音を隠し、建前の言葉で交渉しはじめる主人公なんていないですよね?
本音で真正面からぶつかって、自分より強い敵をぶち倒す!!というのが、バトルマンガの定番だったりするわけです。
若い頃はそういう考え方にモロに影響を受けて「そうか、よし、自分もそうあるべきだ」と信じ込んでたんですよね~。
でも、それじゃあ世の中に平和は訪れないわけです。
戦争やいざこざしか起きないんです。
平和で幸せな人生を送りたいなら、本音と建前をうまく使い分ける必要があります。
「建前」っていうのはすごくネガティブな言葉ですけど、なんというか、自分のやりたいことがあって、それが相手とぶつかってしまいそうなときは、うまく相手を誘導してあげる必要があるな、と。
大人の世界ではそうやってWin-Winの結果を生み出すのが一番賢いやり方なんだろうな~ということを、僕は20代半ばでようやく学びとりました。
20半ば?いや、正確に言うともうちょっと後ですね。26~27ぐらいかな?(変わらへんやん)
その塾をクビになった後も、数年間はそれほど性格は変わっていなかったかもしれません。
本当に「ああ、今まで僕のやってたことは間違ってたんだ」と思えたのは「人を動かす」という本に出会ったときでした。
「人を動かす」との出会い
はい、このブログでも何度も紹介している名著ですね。
- 作者: デールカーネギー,Dale Carnegie,山口博
- 出版社/メーカー: 創元社
- 発売日: 1999/10/31
- メディア: 単行本
- 購入: 174人 クリック: 3,319回
- この商品を含むブログ (618件) を見る
この本に書かれていた「批判や非難、苦情を言わない」「議論を避ける」「相手の顔をつぶさない」といった人間関係の原則と正反対のことを、自分はこれまでやってきたのかもしれない、とこの本を読んで気付かされました。
それからはかなり僕も人間が円くなったと思います(たぶんね・・・)。
思ったことをすぐ口にするのではなく、ワンテンポおいて「人を動かす」の行動原則に反していないか確認することを心がけるようになりました。
まとめ
で、ようやく最初の話に戻るわけです。
久々にブログ書こうと思ったけど、あまり良いネタではなかったので、途中で書くのやめました。このネタはお蔵入りだなー。
— Junichi Ito (伊藤淳一) (@jnchito) August 27, 2013
ブログを読んだ人が「もしかして自分のことをdisられてる?」と疑念を抱くようなネタは避けた方がいいですねー。
— Junichi Ito (伊藤淳一) (@jnchito) August 27, 2013
昨日の朝に書いてたブログの内容は、客観的に見ると一部の人を傷つけてしまうかもしれないな~と思ったわけです。
というわけで、「伊藤さんはなんでちょっと先のことを考えて行動できるの?」という問いに対しては、上で述べたように「先のことを考えずに行動したことで痛い目を見たことがあるから」「良い本に出会えたから」というのが答えになるのかもしれません。
ただこれは、あくまで「人とぶつからないための先回りの仕方」であって、洋さんが尋ねてきたのは「仕事を進める上で、一歩先、二歩先を見据えた物事の考え方」だと思います。それだとちょっと論点がずれてしまいますね。
でもどっちにしても、何かトレーニングや教育でそういう考え方を身につける方法はあるんでしょうか。
僕の話を教訓にするなら、「一度痛い目を見て自分の間違いに気付く」という結論になるのかもしれません。
いや、それだと教育とは言えないですね。
しかも仕事上の問題だと、痛い目を見るのは自分だけじゃなくて、会社の同僚やお客さんにも迷惑がかかるかもしれないし・・・。
うーん、なんなんでしょ?
何か良い方法を知っている人がいたら是非教えて下さい(笑)。
ちょっときれいにまとまらなかった感もありますが、この問題の答えはこのエントリを読んだみなさんの宿題ということにしておきましょうw
それでは今日はこのへんで。
あわせて読みたい
「人を動かす」について過去に書いたエントリです。ご参考までに。
P.S.
お蔵入りになったネタが気になる方は、PC用画面でウインドウ右下に表示されているMessageLeafから、このエントリの感想と「お蔵入りになったネタが知りたい!」とリクエストを送ってもらったらお答えします(苦笑)。