はじめに
ちょっと前の話になりますが、さる2017年11月24日に地元の西脇市立 黒田庄中学校で中学生向けに講演をしてきました。
対象者は校内の全3年生、66名です。
このエントリではその講演の内容や講演をすることになったきっかけについて紹介します。
講演のタイトルとテーマ
講演のタイトルは「好きな場所に暮らし、好きな仕事に打ち込む働き方」で、以下のような内容をお話ししました。
- プログラマってどんな仕事?
- 働くのって楽しいよ
- 都会もいいけど、西脇もいいよ
- 西脇を出ていかなくても働けるよ
使用したスライドと講演中に見せたデモ
発表で使ったスライドはこちらです。
冒頭の「プログラマってどんな仕事?」では、僕が作った(本当は同僚のakihitofujiwaraがほとんど作った)「ニシワキロゴメーカー」というスマホで使えるWebアプリをその場で動かして紹介しました(アプリについては以下の動画を参照)。
また、その場でソースコードを編集して、アプリの動きを変えたりするデモも見せました。
最後の「西脇を出ていかなくても働けるよ」では、実際のリモートワークのイメージをつかんでもらうためにRemottyを使って日本各地にいる弊社ソニックガーデンのメンバーとリアルタイムでチャットしたり、Zoomを使って東京にいるメンバーとビデオ通話したりしてみました。
チャットやビデオ通話で遠く離れた人とリアルタイムにやりとりする様子は中学生のみなさんにとってすごく新鮮に映ったらしく、教室がかなり盛り上がりました。
僕から中学生のみなさんに伝えたかったこと
簡単に言えば、この講演ではこんなことを中学生のみなさんに伝えたいなーと思っていました。
- 働くのって大変そう、つらそうって思ってない?(僕はそう思ってた)でも実際やってみると意外と面白いよ!
- なんとなく「田舎はダメ、都会がいい」って思ってない?でも都会(大阪)からやってきた僕は西脇の方が気に入ってるよ!
- 西脇に住もうと思っても仕事がないから結局大阪や東京に行かなきゃならない、って思ってない?でもリモートワークっていう選択肢もあるよ!
さらに最後のまとめとしてこういうお話をしています。
- 別に僕と同じことをみんなもやれ、と言ってるわけではないよ。
- でも「仕事はつらい」「都会の方がいい」「都会でしか働けない」としか考えていないとしたら、そうじゃない考え方やそれ以外の選択肢があることも知っておこう。
- 好きな仕事をしながら、好きな場所に暮らす生き方を模索しよう。
- 幸せな働き方や幸せな暮らしは、ぼーっと過ごしていてもやってこない。可能性と選択肢を増やすために、今からたくさん努力しよう。
こんな内容を40分ほど話したあと、最後に生徒のみなさんからの質問に答えて全部の講演を終えました。
「ちょっと待って、なんでそんな講演をやることになったの?」
そもそもなんで僕が中学生向けに講演をやっているのか不思議に思っている人も多いと思います。
今回の講演は僕の方から西脇市に「やりたいです!」と手を上げて、企画してもらいました。
この背景には僕が西脇市のシティプロモーション会議(いわゆる町おこし会議)に参加していたことがあります。
この会議では「西脇市の人口減少や人口流出を防ぐためには、そもそも市民が地元に愛着と誇り(シビックプライドというそうです)を持ってもらう必要がある」という話が重要な課題として挙がりました。
それであれば、これからの未来を担う中学生や高校生にこそ、地元の良さやリモートワークのような新しい働き方を伝える必要があると僕は考えました。
また、僕は大阪の出身ですし、東京にも一時期住んでいたことがあります。
なので、都会にも田舎(=西脇市)にもいいところと悪いところが両方あるよ、という話を自分の経験を交えて話すことができます。
影響を受けた他の方の講演
加えて、僕が勤めているソニックガーデンの社長である倉貫さん(@kuranuki)が宮古島の中学校で「中学生でもわかるシステム開発と新しい働き方」という講話をしてきた、という話にも影響を受けています。
あと、iOSプログラマとして有名な堤修一さん(@shu223)も学生向けに「プログラマとして食べていく」というお話をされています。
プログラマの講演というと同業者向けに話すことが大半だと思いますが、こんなふうに「大人から若者に自分の働き方を伝える」というのもすごくいいなあ、と考えていました。
こういう背景があって、僕も地元の中学生や高校生に何か将来の参考になるような話をしたいなと思い、講演の企画を自ら持ちかけたのでした。
この講演の正確な主旨
この講演はもう少し正確にいうと、西脇市が少子化対策のために取り組んでいる「3世代パパ育て事業」の中の「次世代パパ・ママ講座」という講座の一環、ということになっています。
「次世代パパ・ママ講座」は中高生を対象にした、将来の子育てや夫婦の役割分担について考えてもらうための講座です。
ちょうど僕が話そうとしていた「西脇で住んで、西脇で働いて、西脇で子育てをする」というテーマと、「次世代パパ・ママ講座」の狙いがマッチしたので、西脇市の方からもぜひ、という運びになりました。
講演後のアンケート結果
講演が終わった後に西脇市のスタッフの方がアンケートを取ってくれました。
アンケート結果を見る限り、今回の講演はすごく好評だったようです!
Q. 内容はわかりやすかったですか?
なんと、全部の回答で「はい」が選択されていました!
- はい = 60
- いいえ = 0
- どちらとも言えない = 0
Q. 考え方が変わったところがありますか?
「西脇市にもいいところがあるんだよ」「リモートワークという働き方もあるんだよ」という講演テーマがうまく伝わったようです。
- はい = 54
- いいえ = 3
- どちらとも言えない = 3
Q. 西脇で子育てするのもいいと思いましたか?
講演の中では長男の誕生がきっかけで西脇に移住することを決めたことや、田舎で子育てするメリットについてもお話ししていました。
- はい = 50
- いいえ = 1
- どちらとも言えない = 9
生徒のみなさんの感想
アンケートには生徒のみなさんがたくさん感想を書いてくれました。
その中からいくつかピックアップして載せてみます。
ここに載せた感想はごく一部ですが、「面白かった」「考え方が変わった」といった好意的なコメントがほとんどでした😊
私は「絶対に都会に出る!!」と思っていたので、今日の話はすごく心を動かされました。「ずっと西脇にいたい」とも思わないけど、他の場所から来た人からしたら西脇っていいんだなーと思いました。いつも長く感じる50分間も今日はあっという間でした。今は勉強がんばろっ!って思いました。
この講演を聞くまで、僕は京都や大阪で過ごすことを夢見ていましたが、今日で世界が180度変わったような気がします。きっといつか西脇に帰ってくると思うし、リモートワークというのもとても魅力的に感じました。今日はありがとうございました。
今までは会社で働いて、という考え方だったけど、家で働いて子どもの世話もできるようになってきているので、いい風に変わってきたので良かったです。とても楽しい講座でした。いろいろな可能性を持つために努力を積み重ねていきたいです。
とてもわかりやすかったです。僕はプログラミングはしたことはありませんが、ゲームを作ることはしたことがあります。とても参考になりました。僕も時間があればプログラミングの勉強やプログラミングをしてみたいです。今日はとても楽しかったです。
いろいろな働き方があるんだなと思いました。自分のやりたい方法で能力を伸ばすことをできるのがすごくいいなと思いました。何がしたいのか、どんな風に将来なりたいのか、もう一度しっかり考えていきたいです。都会に行かないと何もできないと思っていたけど、あらためて西脇市の魅力を知ることができました。
講演を聞く前は都会に住みたいと思っていたけど、西脇で暮らしたいなと思いました。将来子育てをするなら西脇やなと思いました。仕事と家事も両立して素敵な家庭を築きたいです。最後の質問タイムでも夫婦の仲の良さを知ることができてすごく楽しかったです(※)。最高の1時間でした。ありがとうございました。
※この講演には妻も同席していて、最後の質問タイムで「奥さんのどこが好きですか?」みたいな質問を出されて2人で夫婦漫才みたいなやりとりをしてました(笑)。
まとめ
というわけで、このエントリでは地元の中学生に向けて講演した話を紹介しました。
中学生向けの講演は今回が初めてでうまく話せるか心配でしたが、黒田庄中学校の生徒のみなさんは熱心に僕の話を聞いてくれてとても嬉しかったです。
どうもありがとうございました!
あわせて読みたい
「好きな場所に暮らし、好きな仕事に打ち込む働き方」という講演タイトルは昔僕が受けたインタビュー記事のタイトルから借用させてもらいました(了承済み)。
西脇市のシティプロモーション活動に関する記事も書いています。
都会と田舎の比較はこちらの記事でもあれこれ書いています。