ぼちぼちBig Surにアップグレードしてみようかな、どうしようかな、大丈夫かな、とお悩み中...。Rubyをメインに使ってる人で「やってみたよ」という方がいたら教えてください〜 🙏
— Junichi Ito (伊藤淳一) (@jnchito) 2020年11月28日
↑昨日こんなツイートをしてみたんですが、なぜか「さっさとBig Surに上げてしまいたい!」という欲求が勝ってしまい、勢いでBig Surにアップグレードしてみました。
自分が人柱になってみたので、人柱情報を書いてみます。
ちなみに、結論から先に書くと、今のところBig Surにアップグレードしたことによる致命的な問題はありません。(注:アップグレードして3時間後の感想です)
事前の情報収集
Big Surに上げたい!といっても、何も考え無しにアップグレードしたわけではありません。
いちおう、情報収集はしておきました。
- 会社の同僚が一人Big Surにアップグレードしていたので、彼の情報から致命的な問題はないことを確認。(ただし、彼の場合はクリーンインストールでBig Surに移行した)
- 1週間ほど前に自宅用のMacをBig Surにアップグレードして、日常的なwebブラウジング等では特に大きな問題が起きないことを確認済み
- 「よく使うアプリ名 + Big Sur」といったキーワードで、Big Sur関連のサポート情報やトラブル情報を検索 → リリース直後はいくつかトラブルがあったようだが、それも解決してるっぽい
上記のような情報収集の結果、総じて「何か致命的な問題が起きることはなさそう」と判断しました。
アップグレード前の準備
アップグレード前に以下のような準備をしました。
- VirtualBoxを最新版にアップデート(バージョンが古いとBig Surで動かないという情報を見つけたため)
- TimeMachineで最新のバックアップを取る
- 一部のファイル群を外付けハーディスクに移動して、SSDの空き容量を100GB以上増やす
SSDの空き容量を増やしたのは以前Catalinaにアップグレードする際に以下のようなトラブルに遭遇したからです。
I-O DATA HDD ポータブルハードディスク 2TB USB3.0バスパワー対応 日本製 EC-PHU3W2D
- 発売日: 2016/04/28
- メディア: Personal Computers
アップグレード実施
以下のような手順でアップグレードを実施しました。(クリーンインストールではなく、データを保持したままのアップグレードです)
- 昨日の晩、10時頃にアップグレードを開始して就寝(インストーラのダウンロードが始まる)
- 今朝の午前3時頃、インストーラを実行(で、また寝た)
- 今朝の午前4時半頃、インストールが完了していることを確認
すぐに動いたアプリ一覧
以下のアプリは特に問題なく起動しました。
- Evernote
- Excel/Word/Powerpoint(Version 16系なのでちょっと古いかも)
- Quiver
- RubyMine
- やるぞ!青色申告
- CotEditor
- Karabiner Elements
- Zoom(最新版にしないとCPU使用率が上がるので注意)
- ATOK
- Kindle
- Krisp
- Docker
- Spotify
- RubyMine
- Railsの開発用サーバー(puma-dev)
- RSpecの実行
- PostgreSQL
- git
- Slack
- MS Teams
- Skype
- Homebrew
- Recordit
- OmniDiskSweeper
あと、USB接続しているHappy Hacking Keyboard(HHKB)もちゃんと動いています。
PFU HHKB Professional2 Type-S 英語配列/白 PD-KB400WS
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- メディア: Personal Computers
最初はトラブったがなんとか起動したアプリ
MacVim
僕は普段macvim-kaoriyaをターミナルではなく、GUIアプリとして使っているのですが、BigSurでは画面が真っ黒になって使い物にならなくなりました。(真っ黒な画面と正常な画面を点滅するように切り替わったりするような動きもしていた)
.vimrcや.gvimrcを削除して完全ノーマル状態で起動しようとしても現象は変わらず。
GitHubのissueも見ましたが、該当するようなissueは見当たらず、というか、「最近あまり活発にメンテされてない?」という印象。
(ちなみにターミナルから起動するVimは普通に動いていました)
というわけで、macvim-kaoriyaではなく、本家MacVimをインストールすることに。
GitHub issueにBig Sur関連のトラブル報告もあったので「大丈夫かな?」と思ったけど、無事に起動しました。
kaoriya版とどれくらいの違いがあるのかはあまりちゃんとわかってないのですが、とりあえず本家MacVimでも普通に使えそうな印象です。
VirtualBox
「Big Surに対応するために」と、事前に最新版にアップデートしていたのですが、Windows 10の仮想マシンを起動しようとしたら、以下のようなエラーが出ました。
Failed to open a session for the virtual machine win-10. The virtual machine 'win-10' has terminated unexpectedly during startup with exit code 1 (0x1). Result Code: NS_ERROR_FAILURE (0x80004005) Component: MachineWrap Interface: IMachine {85632c68-b5bb-4316-a900-5eb28d3413df}
エラーメッセージでググるといくつか情報が見つかるのですが、それを試しても効果無し。
いろいろ情報を探しまくった結果、最終的には以下のページの情報が解決策になりました。
virtualbox.org • View topic - NS_ERROR_FAILURE (0x80004005) on Mac VirtualBox
どうやらMacのSIPという設定を有効化(enabled)にする必要があるみたいです。
僕のMacの設定を見ると一部が無効化(disabled)になっていました。(無効化した記憶がないのになぜ??)
で、以下のページを参考にしてSIPを有効化すると無事にVirtualBoxのWindows 10が起動しました。
OS X 10.11 El Capitanのシステム保護機能「Rootless」を無効にするcsrutilコマンドの使い方。 | AAPL Ch.
一段落したあとにやったこと
万一Macが起動しなくなったときにそなえて、起動用USBメモリを作成しました。
ちなみにUSBメモリは16GB以上の容量が必要です。(8GBだと容量不足で入りません)
まとめ
MacVimとVirtualBoxが起動しなくなったときは「うわ、ヤバい」と思いましたが、なんとか無事に解決できました。
というわけで、今のところBig Surで致命的な問題は発生していません。(繰り返しますが、アップグレードして3時間後の感想です)
もし新たな問題に遭遇したときはこの記事にまた追記していきます!
(独り言)今使ってるMacBook Proはデュアルコアなんだけど、「もっとコア数が欲しい」と思うことが増えてきたので、M1チップのMacBook Proにも移行したい・・・。
最新 Apple MacBook Pro Apple M1 Chip (13インチPro, 8GB RAM, 256GB SSD) - シルバー
- 発売日: 2020/11/17
- メディア: Personal Computers
おまけ
Big Surにアップグレードして何が一番嬉しいかって、Mac起動時の「ジャーーン」音が4年ぶりに復活したことだわー。https://t.co/dFeB54NBr5
— Junichi Ito (伊藤淳一) (@jnchito) 2020年11月29日
あの「ジャーーン」音、単純にMacらしい体験ができるだけじゃなくて、Safeブート起動時にキーボードを押さえるタイミングを把握したり、Macが生きてるか死んでるかを確認したりするのにとても有用なんですよね〜。
いろいろ追記
Big Surを使い始めて困った点と解決策をまとめていきます。
libv8がインストールできない問題
とあるプロジェクトでbundle installしようとすると以下のようなエラーが発生しました。
Installing libv8 3.16.14.19 with native extensions Gem::Ext::BuildError: ERROR: Failed to build gem native extension. current directory: /Users/jnito/.rbenv/versions/2.7.2/lib/ruby/gems/2.7.0/gems/libv8-3.16.14.19/ext/libv8 /Users/jnito/.rbenv/versions/2.7.2/bin/ruby -I /Users/jnito/.rbenv/versions/2.7.2/lib/ruby/2.7.0 -r ./siteconf20201129-8361-165txge.rb extconf.rb creating Makefile Applying /Users/jnito/.rbenv/versions/2.7.2/lib/ruby/gems/2.7.0/gems/libv8-3.16.14.19/patches/disable-building-tests.patch Applying /Users/jnito/.rbenv/versions/2.7.2/lib/ruby/gems/2.7.0/gems/libv8-3.16.14.19/patches/disable-werror-on-osx.patch Applying /Users/jnito/.rbenv/versions/2.7.2/lib/ruby/gems/2.7.0/gems/libv8-3.16.14.19/patches/disable-xcode-debugging.patch Applying /Users/jnito/.rbenv/versions/2.7.2/lib/ruby/gems/2.7.0/gems/libv8-3.16.14.19/patches/do-not-imply-vfp3-and-armv7.patch Applying /Users/jnito/.rbenv/versions/2.7.2/lib/ruby/gems/2.7.0/gems/libv8-3.16.14.19/patches/do-not-use-MAP_NORESERVE-on-freebsd.patch Applying /Users/jnito/.rbenv/versions/2.7.2/lib/ruby/gems/2.7.0/gems/libv8-3.16.14.19/patches/do-not-use-vfp2.patch Applying /Users/jnito/.rbenv/versions/2.7.2/lib/ruby/gems/2.7.0/gems/libv8-3.16.14.19/patches/fPIC-for-static.patch Compiling v8 for x64 Using python 2.7.16 Using compiler: c++ (clang version 12.0.0) Unable to find a compiler officially supported by v8. It is recommended to use GCC v4.4 or higher Beginning compilation. This will take some time. Building v8 with env CXX=c++ LINK=c++ /usr/bin/make x64.release ARFLAGS.target=crs werror=no GYP_GENERATORS=make \ build/gyp/gyp --generator-output="out" build/all.gyp \ -Ibuild/standalone.gypi --depth=. \ -Dv8_target_arch=x64 \ -S.x64 -Dv8_enable_backtrace=1 -Dv8_can_use_vfp2_instructions=true -Darm_fpu=vfpv2 -Dv8_can_use_vfp3_instructions=true -Darm_fpu=vfpv3 -Dwerror='' CXX(target) /Users/jnito/.rbenv/versions/2.7.2/lib/ruby/gems/2.7.0/gems/libv8-3.16.14.19/vendor/v8/out/x64.release/obj.target/preparser_lib/src/allocation.o clang: warning: include path for libstdc++ headers not found; pass '-stdlib=libc++' on the command line to use the libc++ standard library instead [-Wstdlibcxx-not-found] In file included from ../src/allocation.cc:33: ../src/utils.h:33:10: fatal error: 'climits' file not found #include <climits> ^~~~~~~~~ 1 error generated. make[1]: *** [/Users/jnito/.rbenv/versions/2.7.2/lib/ruby/gems/2.7.0/gems/libv8-3.16.14.19/vendor/v8/out/x64.release/obj.target/preparser_lib/src/allocation.o] Error 1 make: *** [x64.release] Error 2 /Users/jnito/.rbenv/versions/2.7.2/lib/ruby/gems/2.7.0/gems/libv8-3.16.14.19/ext/libv8/location.rb:36:in `block in verify_installation!': libv8 did not install properly, expected binary v8 archive '/Users/jnito/.rbenv/versions/2.7.2/lib/ruby/gems/2.7.0/gems/libv8-3.16.14.19/vendor/v8/out/x64.release/obj.target/tools/gyp/libv8_base.a'to exist, but it was not found (Libv8::Location::Vendor::ArchiveNotFound) from /Users/jnito/.rbenv/versions/2.7.2/lib/ruby/gems/2.7.0/gems/libv8-3.16.14.19/ext/libv8/location.rb:35:in `each' from /Users/jnito/.rbenv/versions/2.7.2/lib/ruby/gems/2.7.0/gems/libv8-3.16.14.19/ext/libv8/location.rb:35:in `verify_installation!' from /Users/jnito/.rbenv/versions/2.7.2/lib/ruby/gems/2.7.0/gems/libv8-3.16.14.19/ext/libv8/location.rb:26:in `install!' from extconf.rb:7:in `<main>' extconf failed, exit code 1 Gem files will remain installed in /Users/jnito/.rbenv/versions/2.7.2/lib/ruby/gems/2.7.0/gems/libv8-3.16.14.19 for inspection. Results logged to /Users/jnito/.rbenv/versions/2.7.2/lib/ruby/gems/2.7.0/extensions/x86_64-darwin-19/2.7.0/libv8-3.16.14.19/gem_make.out An error occurred while installing libv8 (3.16.14.19), and Bundler cannot continue. Make sure that `gem install libv8 -v '3.16.14.19' --source 'http://rubygems.org/'` succeeds before bundling. In Gemfile: therubyracer was resolved to 0.12.3, which depends on libv8
こちらのissueに「このシェルスクリプトを使え」という参考情報が載っていますが、僕が使っているlibv8は3.16.14.19 というかなり古いgemなのでこのスクリプトが使えませんでした。
いろいろ探した結果、こちらのページに載っていた以下のインストール手順が役に立ちました。
$ brew install v8@3.15 $ bundle config build.libv8 --with-system-v8 $ bundle config build.therubyracer --with-v8-dir=$(brew --prefix v8@3.15) $ bundle install
Bug Surでお仕事したけどトラブル無し
Big Surで初めて仕事に挑みましたが、コードを書いたりビデオ会議をしたりする上で特にトラブルは発生しませんでした😄
一日Big Surでお仕事しましたが、今日は特に困った問題は起きませんでした〜。
— Junichi Ito (伊藤淳一) (@jnchito) 2020年11月30日
Rubyプログラマが勢いで仕事用のMacをBig Surにアップグレードしてみた - give IT a try https://t.co/YYm8s8Mnd4
月〜水と3日間仕事で使ったけどトラブル無し
3日間仕事でバリバリ使いましたが、特にトラブルは起きませんでした。
僕の開発環境においては、ふつうに使えると言っても大丈夫そうです ✌️
1週間使っても問題なし
でした!