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独学の主婦が自宅で開業したパン屋さん「クープ バゲット」の2013年を夫が振り返ってみる

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はじめに: 2年目で黒字達成!

先日、妻のパン屋の確定申告をしてきました。


去年は赤字でしたが、今年はちょっとだけ黒字になりました。
青色申告の65万控除を加味するとすぐゼロになる程度の黒字です。


とはいえ、2年目で早くも黒字を達成できるとは思っていなかったので、ちょっと意外でした。
売上額が少し増えたのと、開業前後に必要だった消耗品の経費や減価償却費が前年度よりも下がったのが黒字達成の要因かなーと思っています。


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ところで、ここ最近「妻パン」ネタを書いてこなかったので、今回は久々に近況報告をしてみようかなと思います。

Coupé Baguette(クープ バゲット)の紹介

妻がやっているパン屋さん、Coupé Baguette(クープ バゲット)はちょっと変わったパン屋さんなので、知らない方のために簡単に紹介しておきます。

  • 妻が完全に一人でやっている。
  • 店舗は非常に小さく、お客さんが3人入れば窮屈になるぐらい。
  • 店舗は自宅の敷地内にあるので、ほぼ「自宅営業」。
  • お店があるのは兵庫県西脇市という神戸から北西に50kmぐらい離れた田舎町。
  • 営業日は毎週金曜と土曜の週2回だけ。
  • 営業時間は朝10時から売り切れまで。しかし、開店直後に売り切れてしまうことも多い。
  • メニューは固定化しておらず、営業日ごとに妻が自分の作りたいパンを作っている。
  • 毎回ほぼ売り切れるので開店以来、一度もパンを廃棄したことがない。
  • 新聞チラシ等の有料広告も利用したことがない。
  • 妻はもともと主婦で、今も家事をやったり、8歳の息子と5歳の娘を育てたりしている。
  • 妻はパン屋を開業する以前に企業に就職したり、別のパン屋で修業したりしたことが全くない。なので社会人歴 = パン屋歴。そして完全独学。
  • もちろん、パンはすべて手作り。派手な味付けはせず、生地そのものの味や食感が楽しめるようなシンプルでおいしいパンを目指している。
  • 田舎のパン屋では珍しく、ハード系のパン(フランスパンやカンパーニュ等)に力を入れている。
  • 武蔵fils(フィス)という小型オーブン2台でパンを焼いている。


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去年(2013年)はどんな一年だったか?

というわけで、ここからが去年一年間の振り返りです。

Facebookページや口コミの効果で人気が安定してきた

2012年の終わり頃にお店のFacebookページを開設しました。


それまではすぐ売り切れる日と、売り切れるまでに時間がかかる日の差が激しく困っていました。
なぜなら、11時を過ぎると「たぶんもう売り切れてるだろう」とお客さんに思われて、客足がガクンと減ってしまっていたからです。


しかし、Facebookページを開設してからは、ページで商品の売れ行きをアナウンスするようにしています。
なので「まだありますよー」とアナウンスすれば、それを見たお客さんが買いに来てくれるようになりました。


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また、Facebookページ開設前は開店直後にパンを早く手に入れたいお客さんが殺到して店内が混雑しがちでした。
しかし、開店前にFacebookページ上にメニューを公開し、電話でお取り置きできるようにしたので、お客さんが余裕を持って来店できるようになりました。
(最近は電話が殺到してなかなか繋がらない、という新たな問題も起きてるんですが・・・)


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もちろん、「いいね!」の拡散効果で他の新しいお客さんを獲得できたり、純粋な口コミでお客さんが広がったりもしています。
(たまに「あなた、どこの国の方?」と思うような外国人の方も「いいね!」してくれます)


そんなこんなで、お客さんの数がちょっとずつちょっとずつ増えてきて、「いっぱい焼いたけど、すぐ売り切れ」となる日が続くようになりました。とてもありがたい話です。


ちなみに「週2回だけの営業&すぐに売り切れ」ということで、店の前を通りかかる人は「営業しているところを一度も見たことがない」という人も多いみたいです(苦笑)。


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が、一方で体調面はちょっと心配

人気が出るのはもちろんありがたい話なのですが、人気と比例させられないのが生産量です。


パン屋の仕込み時間をあまり知らない方から時々言われるのが、「金土だけなんて楽な仕事やね。もっと営業日を増やしたら?」とか「こんなにすぐ売り切れるんだから、もっといっぱい焼けばいいのに」というお言葉です。


事情を知らない方からそういう意見が出るのはもっともなのですが、実はパン屋の仕込みは相当過酷で、すでに生産量はかなり限界に来ています。
パン屋の営業日は妻は深夜1時ぐらいから起きて、仕込みを始めています。


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仮に昼の12時にお店を閉めたとしても、深夜1時起きならすでに12時間近く働いていることになるので、営業終了後には妻はフラフラになっています。


僕も営業日は家事や店の洗い物を極力手伝ったりしていますが、メインで仕込みをするのは妻一人なので、僕の貢献度なんて微々たるものです。


妻の体調面が心配になっている僕は「そこまで無理せずに、すぐ売り切れてもいいから体調を優先して生産量を落としたら?」と提案したりもするのですが、責任感の強い妻はできるだけお客さんのニーズに応えようとして頑張ります。


妻は20代なので今は体力がまだありますが、この先何十年もこんなことやってたらいつか倒れてしまうよな~、どうしたらいいかな~?というのが僕の目下の悩みです。


というわけで、「もっと営業日を増やしたら?」とか「もっといっぱい焼いたら?」といったご意見にお応えするのは、残念ながらちょっと厳しい状況です。


パン教室を開始した

実はもともと、妻はパン屋ではなく、パン教室を開きたいと考えていました。
「YOU、パン屋やっちゃいなYO!」とそそのかしたのは、何を隠そうこの僕です(苦笑)。


しかし、去年は初めてパン教室を開催することもできました。
こんな田舎にどれくらいの人が集まるのか心配でしたが、意外とたくさんの人が集まってくれているみたいです。


妻のパン教室ではパン作りを教えてもらえるだけでなく、妻が作った手作りのランチも食べられるようです。
初心者でも大丈夫みたいなので、もし気になる人がいれば店のFacebookページに「いいね!」したりしてチェックしてみてください。
不定期で募集案内が流れるはずです。


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専門誌や佐々木俊尚さんのメルマガに載ったりした

別に積極的にメディアに出ていくつもりはないのですが、去年は製パン製菓業界向けの専門誌でお店を紹介されたり、ジャーナリスト・佐々木俊尚さんのメルマガにお店の話が載ったりしました。

2013年4月
妻のパン屋が雑誌に載りました - give IT a try
2013年7月
ジャーナリスト・佐々木俊尚さんのメルマガに僕たち夫婦の取材記事が載りました 〜人生を好転させる5つの要素 = 運 + 縁 + 努力 + 勇気 + テクノロジー〜 - give IT a try


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あと、先日僕の仕事の様子が神戸新聞の地方面で紹介されましたが、記者の方は妻の店を紹介することも考えたそうです。
しかし、これ以上お客さんが増えてもいろいろと大変そうに見えるのでやっぱりやめた、とおっしゃっていました。


そうなんです。今はお客さんがあまり増えすぎると、ちょっと困る状況なんです。
非常に贅沢な悩みだとは思うんですけどね。


他にもいろいろトピックはありますが、大きなところだけ取り上げるとこんな感じかな~と思います。


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2014年の展望

すでに3月に入ってしまっていますが、妻には今年新しくやってみたいことが一つあるようです。
それはパンの通信販売です。

遠方のお客さんにも食べてもらえるように通信販売を

「今でも十分忙しいのに、これ以上仕事増やして大丈夫!?」と妻には言ったのですが、妻いわく、「注文を受けてすぐに発送」ではなく、「無理のない範囲で順次発送していって、お客さんには順番が回ってくるまで気長に待ってもらうスタイル」を考えているようです。


これまで通信販売はしてこなかったのですが、ときどき「遠方でお店に行けないので発送してもらえませんか?」という問い合わせは受けていました。
今年はそういうお客さんにも自分のパンを届けてみたい、と妻は考えているようです。


というわけで、今年は遠くの方でもクープバゲットのパンが食べられるチャンスがあるかも!?
現在準備中ですので、気になる方はお店のFacebookページWebサイトをウォッチしてみてください。


レシピ本も書いたらどう?という僕からの提案

先日、僕はLeanpubという自費出版サービスを使って「Everyday Rails - RSpecによるRailsテスト入門」という電子書籍を発売しました。
これと同じ要領で、パンの作り方を電子書籍にして販売したらどう?と僕は妻に言っています。
電子書籍の自費出版ならコストがほとんどかからないので、気楽に発行することができます。


妻自身は今のところ、そこまで乗り気ではないみたいですが、もしかすると「読んでみたい!」という人がたくさん出てきたら気が変わるかもしれません。


もし、このブログを読んでいるパンオタクの方で「妻の書いたレシピ本を読んでみたい」「武蔵filsを使ったパン作りのテクニックを教えてほしい」という方がいたら、Facebookページのメッセージか、webサイトの問い合わせフォームから「読みたい!」というリクエストを投げてやってください。よろしくお願いします (^^)

2015.8.22 追記:レシピ本出ました!

ようやくレシピ本(電子書籍)を発売することができました。
Amazonで購入できます。ご購入いただけると嬉しいです ^^

武蔵Filsで作る美しいバゲット

武蔵Filsで作る美しいバゲット

電子書籍は初めて、という方はこちらの記事をご覧ください。
パソコンやスマートフォンがあれば誰でも簡単に読めます。

blog.jnito.com

本書の詳しい内容はこちらにまとめています。あわせてどうぞ。

blog.jnito.com


まとめ

というわけで今回は妻の店のふりかえりと今後の展望について書いてみました。


お店を始める前は「こんな田舎でいったいどれくらい売れるんだろう?」と少し不安でしたが、実際にやってみると予想以上の人気で夫婦共々たいへん嬉しく思っています。
ただ、前述の通り、あまり無理をすると身体を壊してしまいそうなので、妻には無理のない範囲で今後もみんなを幸せにするパン屋さんを続けていってほしいなと願っています。


そんな妻のパン屋さんを応援したい方がいれば、ぜひFacebookページで「いいね!」をクリックしてあげてください。妻も喜ぶと思いますので!

https://www.facebook.com/coupebaguette
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Shop info
name
Coupé Baguette (クープ バゲット)
address
兵庫県西脇市板波町51-7 (map)
tel
0795-27-7032
open
毎週金・土 10:00 ~ 売り切れまで
web site
http://coupe-baguette.com
Facebook page
https://www.facebook.com/coupebaguette

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