give IT a try

プログラミング、リモートワーク、田舎暮らし、音楽、etc.

あなたのブログに「WIIFY(ウィッフィー)」はありますか? - アウトプットの価値は受け取る側のメリットで決まる、というお話

はじめに

みなさん、お久しぶりです。
なかなかこっちにブログらしいブログを書けず、しばらく放置状態になっておりました。


いろいろ書きたいネタはあるのですが、久々のブログ更新なので読み物的なエントリを書こうと思います。
今回のテーマは僕が何を考えながら、そして何を大事にしながらブログやQiitaの記事を書いているか、というお話です。


f:id:JunichiIto:20140630090547j:plain
https://flic.kr/p/62168f


誰かのためになりそうなことを、読み手の立場に立ってアウトプットする

そもそも僕がブログやQiitaの記事を書いたりするときの動機の多くは、「これを書いたら『参考になった』と思ってくれる人がきっといるはず」というものです。
もっというと、「半年前や2年前の自分が誰かにこれを教えてもらっていたら、絶対参考になってた」と思うようなことを書こうとしています。


つまり「誰かのためになりそうなことをアウトプットする」というのが主な動機になっています。


そして、文章を書くときは常に「読み手の視点や感情」を意識します。


そのテーマに興味を持ってくれそうな「仮想的な読者」を設定する

読み手を意識した文章を書くために一番有効な方法は、「仮想的な読者」を思い浮かべて、その人に「参考になった」と思ってもらえるような文章を書くことです。


「仮想的な読者」はたとえば、「xxxのことが気になっているであろうこの世の誰か」や「去年の自分」のように、本当に「仮想的」な場合もありますし、「あのときxxxで困っていたxxxさん」のように実在の人物を想定する場合もあります。


いずれにせよ、それなりに頭の中でターゲットを絞って、「その人」に向けた文章を書きます。


今回のエントリであれば「伊藤さんっていつも何考えながらブログ書いてるんだろう?」と思っている読者さんや、「ブログの書き方がわからない。書いてもほとんど関心を持ってもらえない」と悩んでいるブロガーさんをターゲットにしています。


一方、「Rubyに関する話題を聞きたい」と考えている読者さんは、申しわけありませんが今回のターゲットから外れています。


仮想的な読者に納得してもらえるような内容を考える

仮想的な読者・Aさんが決まったら、本当にAさんと話すときを思い浮かべてください。


xxxで困っているAさんに「なるほど、わかりました!」と言ってもらうようにするために、あなたはどんなふうに説明しますか?
また、Aさんが具体的に困っていそうなポイントや、つまずきそうなポイントを想像することができますか?


Aさんだとイメージがわかない、という人は「xxxをまだ知らなかった頃の自分」に説明をしてみてください。


自分はxxxを理解するために半年かかったが、もし誰かがこれを自分に教えてくれていたら数時間でマスターできたかも、というポイントはどこですか?
製品Aを買うべきか、やめるべきかで迷っていた「過去の自分」にどんな情報を与えたら、適切な決断を下せていたと思いますか?


このように、「これをこんな感じで説明すればAさんは納得してくれるはず」というイメージが固まれば、ブログの背骨はほぼ完成したと言えるでしょう。


Aさんのために文章を書く

文章を書くときは、モニタの向こうにいるAさんを思い浮かべながら書いてください。
すなわち、自分の言いたいことを一方的に書くのではなく、Aさんが納得するような文章を書いてください。
読者のみなさんに対する「おもてなし感」、すなわち「あなたがこの文章を読んでいることを私は意識していますよ」という雰囲気を文章に含めるのも有効です。


そして、あなたの文章を読み終わったAさんに「ありがとうございます。参考になりました。今日から僕もやってみます!」と言ってもらえるような文章が書ければ合格です!


わかりやすいブログを書くためのTips

Aさんに納得してもらえるような文章を書く、と一言で言っても具体的にどう書けばいいの?という疑問はあると思います。
そのあたりは過去に書いたブログエントリが参考になるかもしれないので、本文の最後にリンクを載せておきます。


それに加えて、「最低限、これだけは意識した方がいいよ」というポイントをいくつか挙げておきます。

  • 適切な内容、適切な間隔で見出しを付ける。
    • 見出しだけ読んでもブログの内容がほぼつかめるようにするのが理想です。
  • 文字を詰めすぎない。改行や空行は多めに入れる。
    • モニタで文章を読むときは文字が詰まりすぎていると読む気が失せます。
  • 文章展開を検証するために、「はじめに」と「まとめ」を書く。
    • 「はじめに」と「まとめ」で同じこと(同じテーマ)を言っているなら、論理的な文章展開になっているはずです。
    • 別のことを言っているのであれば、話が途中で脱線したか、「はじめに」で自分で書きたいことを見誤っていたことになります。
    • 「はじめに」「本文」「まとめ」が論理的につながっていれば、読者にも「うん、納得」と思ってもらいやすいでしょう。
  • タイトルも読み手視点で、「読んでみたい」と思わせるものにする。
    • 「xxxしました」とか「xxxを買いました」だけでは味気ないですし、ブログの内容も想像しにくいです。本文を読み直して一番面白そうな部分や一番伝えたいことをタイトルに含めるようにしましょう。


僕がブログを読みやすく、わかりやすくするために意識しているポイントはこんなところです。


ブログに限らず、情報をアウトプットするときは「WIIFY(ウィッフィー)」が重要

さて、ここまで書いてきたような心がけはブログを書くときだけに限りません。
人前で発表したり、新人に教育したりするような場合もほとんど同じです。


自分から何か情報をアウトプットするときは、あなたの情報を受け取る側の視点や気持ちを意識しながらアウトプットすることが重要です。


こういうときに自分に問いかけてほしいのが「WIIFY(ウィッフィー)は何か?」ということです。


「WIIFY」とは「What's in it for you?」の略で、「相手にとってそれが何の役に立つのか?」「相手にとってのメリットは何か?」という意味です。


つまり、発信者のニーズではなく受信者のニーズを重視する姿勢が大事になります。
そしてA地点(出発地)にいる受信者をB地点(目的地)に誘導できれば、発信者は良い仕事をした、ということになります。


ブログを書いたり何か発表をしたりするときは、「WIIFY(相手にとってのメリット)は何か?」と自問してください。
そしてあなたの情報を受け取る側のA地点とB地点を確認してください。
こうしたポイントが明確になっていれば、あなたのアウトプットは良いブログや良い発表になるはずです。


Twitterで短いツイートを発信するときですら、WIIFYを意識しているかしていないかで、あなたが発した言葉の影響力は変わってくるでしょう。


WIIFYについて詳しく知りたい場合はこちら

WIIFYという言葉は「パワー・プレゼンテーション」という本の中で知りました。

パワー・プレゼンテーション (グロービス思考シリーズ)

パワー・プレゼンテーション (グロービス思考シリーズ)


タイトル通り、プレゼンテーションをする際の話し方や効果的なスライドの作り方を説明した本ですが、本書全体を通じて語られているWIIFYというキーワードは、プレゼンテーション以外の場面でも必ず役立つ考え方だと思います。


まとめ

というわけで、今回は僕がブログ記事を書いたりするときに大事にしているWIIFYという考え方を説明してみました。


読み手の視点や気持ち、読み手にとってのメリットを意識する、というのは当たり前といえば当たり前です。
しかし、それをちゃんと実践するのは意外と難しかったりします。


相手の心に響くブログや、たくさんの人に読んでもらえるブログを書きたいと思っているブロガーのみなさんは、ブログを書き始める前にWIIFYを確認してみることをオススメします。


あわせて読みたい

僕がブログを書く前、書くとき、書いたあと - give IT a try
僕がブログを書くときに気にしている文章テクニック(?)などを紹介しています。


僕がブログを書く理由 - give IT a try
僕がブログを書こうと思うときの動機について詳しく書いています。


僕が実践しているブログの書き方 - give IT a try
こちらも僕がブログを書くときに考えていることを簡単にまとめたエントリです。