はじめに
2017年8月24日、三木楽器アメリカ村店で開催されたMateus Asatoのギタークリニックに行ってきました。
このエントリではこのギタークリニックの様子と僕の感想を書いてみます。
Mateus Asatoって誰?
Mateus Asato(マテウス・アサト)はブラジル出身の日系人ギタリストです(本人のツイートによると、父方が完全に日本人の家系とのこと)。
1993年生まれの23歳(2017年8月時点)で、現在はアメリカのロサンゼルスを拠点に活動しています。
InstagramやYouTube、Facebook等のSNSで卓越したテクニックと繊細さを兼ね備えたギタープレイを積極的に発信し、多くのフォロワーを獲得しています(Instagramのフォロワーは35万人、YouTubeのチャンネル登録者は12万人)。
- 公式ページ: http://mateusasato.com/
- Instagram: https://www.instagram.com/mateusasato/
- YouTube: https://www.youtube.com/user/Mautaus
- Facebook: https://www.facebook.com/mateusasato
- Twitter: https://twitter.com/mateusasato
僕とMateusとの出会い
僕がMateus Asatoを知ったのはFacebookでした。
たしか「この人のギタープレイはギタリストから見てすごい!と思わせるだけでなく、ギターを弾かない人からもいいね、と思われるようなギタープレイ」というコメントとともにMateusの演奏動画が紹介されていました。
どの動画だったか、はっきり覚えてはいませんが、たぶんこんな感じの動画だったと思います。
本当にそのコメントのとおりで、めちゃくちゃテクニカルなのは間違いないんだけど、メロディやハーモニーがすごく美しくて純粋なインストゥルメンタル曲としても聴いてて心地よい。
「うおー、この人すごい!!」と一気にハマり、Mateusの大ファンになってしまいました。
しかし、Mateusはアメリカで活動しているギタリスト。
SNS上では世界中でカリスマ的な人気を誇っていますが、日本国内の知名度はまだまだ低いです。
「生でギタープレイが見られる機会なんてないんだろうな~」と思っていたら、なんと突然アジアツアーの発表が!!
ASIA 17. 🎸🌷 pic.twitter.com/PSspqiFAOW
— Mateus Asato (@mateusasato) 2017年7月20日
これは何が何でも行かねば!!ということで、速攻でチケットを予約したのでした。
ギタークリニックの様子
僕は当日、2番目に会場に着いていたので、Mateusのど真ん前に座ることができました。
こちらはMateusが登場する前に撮った写真です。
この距離であのMateus Asatoが見られるなんてすごすぎる・・・!!!
Mateusの登場前にスタッフの方から説明があり、「写真撮影、動画撮影OK、SNSへの拡散もどんどんやってMateusを盛り上げてください」とのこと。
なんとSNS拡散までOKとはびっくり!
こんな太っ腹なライブ(正確にはギタークリニックだけど)は初めてです。
そしていよいよMateusが登場し、参加者全員で拍手でお出迎え。
「うおー、本物だ!!すげえ!!」と、年甲斐もなく大興奮してしまいました。
「と、とりあえず、写真を一枚・・・」と、演奏前にギターのチューニングをするMateusをパシャリ。
この日のギタークリニックは最初に2~3曲デモ演奏し、それからギターを始めてから現在に至るまでのギター歴(ギターにまつわるエピソード)をMateusが語り、その後、Q&Aタイムとデモ演奏を2回ほど繰り返して終了、という構成でした。
(ちなみにMateusは英語でしゃべって、主催者の方が通訳していました)
こちらはギタークリニック当日のデモ演奏の一部です。
今日のMateus Asatoのプレイをおすそ分け。この演奏がYouTubeじゃなくて自分の目の前で聴けるなんて夢のよう✨✨✨ pic.twitter.com/SSGl5oqHyU
— Junichi Ito (伊藤淳一) (@jnchito) 2017年8月24日
印象に残ったMateusの話
SNSではギターを演奏している様子しか見ていないので、人となりはわからなかったのですが、本物のMateusはとてもフレンドリーで気さくに話してくれる好青年でした。
Mateusはいろんな話をしてくれたのですが、その中から印象に残っている話をいくつかピックアップします。
- エレキギターが弾きたかったのに最初に渡されたギターはアコギだった。当時9歳か10歳ぐらいだったMateusはFがうまく押さえられなくて泣いたことがある。
- 19歳の時にアメリカへ渡り、ロサンゼルスのMI(Musicians Institute、有名な音楽学校)に入学した。MIに行った意味は非常に大きかった。理論を学ぶことで自分の音楽の幅をすごく広げることができた。
- MIで最初に習ったのは指板上のドの音を全部覚える、というレッスンだった。今まではフォーム(形)で弾き方を覚えていたので、指板を縦(1弦から6弦の方向)に動くことが多かった。しかし、このレッスンを受けてからは指板の上を横方向(ネック側からブリッジ側)にも動けるようになった。
- 曲を作るときは思い浮かんだメロディをループさせながら、意外性のあるコードをいろいろ重ねて実験をする。(実際にやってみましょう、とその場で実演もしてくれた。これがすごくMateusの曲っぽかった!)
- 音作りはオーバードライブが基本。ディストーションは使わない。ギターのボリュームやピッキングの強さ、選択するピックアップで同じセッティングのまま、クリーンサウンドからオーバードライブサウンドまでを弾きわけている。(これは僕が出した質問に対する回答です!)
Mateusの話を聞いて感じたこと
Mateusの話を聞いて感じたのは、「あ、この人も同じ人間なんだ」ということです。
「Fがなかなか押さえられなかった」とか、「MIに入る前はフォームで弾き方で覚えていた」みたいなことはギターを弾く人なら誰でもよくある話です。
Mateusのギタープレイはたしかに「指板の上を自由自在に動くな-」と思っていたのですが、それも「MIで習ったレッスンが役に立っている」と聞いて、「ああ、なるほど」と思いました。
作曲に関しても「どうやったらあんな曲が作れるんだろう?」と思っていましたが、その場で曲作りのやり方を実演してもらうと、「あ、こんなふうにして作るとたしかにMateusっぽくなるなあ」と思いました。
しかも曲作りの実演中、メロディに当てたコードがちょっと外れておかしな響きになってしまい、「実験だからこんなふうに失敗することもあるんだよ」と笑っていたのも「あ、普通の人やん」と感じたところです。
1%の才能・センスと99%の努力
InstagramやYouTubeで見えるのは「完成されたギタープレイ」なので、そこに至るまでの過程は見えません。
なので、「突然現れた天才ギタリスト!!」とか「曲も空から降ってきてるのでは!?」と思ってしまいがちです。
でも、こうやってギターで苦労したエピソードや曲作りの裏話を教えてもらうと、そこに至るまでの過程が見えるので、「努力したからこれだけ弾けるんだ」「試行錯誤を繰り返しながら曲ができるんだ」ということを理解できました。
もちろん生まれ持っての才能やセンスも大きいとは思いますが、エジソンが「天才は1%のひらめきと99%の努力」と言ったのと同様に、Mateusのギタープレイも「1%の才能・センスと99%の努力」の結果なのかもしれません。
本物のMateusに会って、本人の話を直接聞くことで、「天才・神・仙人」みたいなイメージだったMateus Asatoから、自分と同じ「人間」のMateus Asatoに印象が変わったのが、僕にとって一番大きな収穫でした。
最後にツーショット写真とサインをもらった
ギタークリニックが終わった後に全員で集合写真を撮り、それから一人ずつツーショット写真を撮ってもらいました。
Mateus Asatoの三木楽器アメ村店でのクリニック、終了致しました!
— AMSA Records (@AMSA_Records) 2017年8月24日
今晩は京都Room 335でライブです!! pic.twitter.com/dMAHONl2fI
ちなみに僕は仕事で使っているパソコンのキーボードの裏にサインを書いてもらいました。
なんでパソコンのキーボード?と思われるかもしれませんが、キーボードの裏ならずっと使っていても消えにくいだろうと思ったからです。
あと、仕事で使っている道具なので、いつでもすぐに見ることもできますし。
何はともあれ、大満足の1時間半でした。
Thank you, Mateus!!
まとめ
というわけで、このエントリでは三木楽器アメリカ村店で開催されたMateus Asatoのギタークリニックの様子と感想を書いてみました。
Mateus Asatoを知らなかった人はぜひInstagramやYouTubeで彼のギタープレイをチェックしてみてください!
www.youtube.comwww.instagram.com
参考:このブログを書いている人・伊藤淳一
普段はWebプログラマーとして働く、ギター好き・音楽好きの元バンドマンです。
ギターは学生時代に弾いていて、しばらくブランクがありましたが、最近またギター熱が高まりつつある今日この頃。