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HerokuのEco DynoとPostgres Miniプラン(低額プラン)に移行してみた

はじめに

みなさんもすでにご存じかもしれませんが、これまで無料で使えていたHerokuが有料化されます。
このあたりの話は以前、以下のエントリにまとめました。
blog.jnito.com

そのときすでに「低額のEco DynoとPostgres Miniというプランが提供されるらしい」という話を書いていました。
ちょうど今朝、そのEco DynoとPostgres Miniが利用可能になったというアナウンスがあったので、さっそく移行してみました。

blog.heroku.com

移行の方法は結構簡単です。
上記の公式ブログを読むとだいたいわかると思いますが、このブログでも手順を解説しておきます。

免責事項

このエントリの手順や情報に何か致命的な間違いがあっても筆者は責任を取りません。
Herokuの公式ブログ・公式ヘルプの内容が正だという前提で読んでください。

その前に:Eco DynoとPostgres Miniプランって何?

Eco DynoとPostgres Miniプランは簡単にいうと、今まで無料で使えていたプラン(Free DynoとPostgres Hobby Dev)がそのまま有料化されたものです。

Eco Dynoは月5ドル(1アカウントで1000時間ぶんをシェア)

Eco Dynoは1アカウントにつき、毎月1000時間(約41日)ぶんを月5ドル(執筆時点では約733円)で利用できるプランです。

この1000時間というのは自分が利用しているすべてのEco Dynoで共有されています。
(複数のアプリをまたがって合計1000時間利用可能、というイメージです)

30分アクセスがないとDynoは自動的にスリープします。
スリープ中はDyno時間を消費しません。

80%を超えるとメールで通知され、全部使い切るとその月はアプリにアクセスできなくなります。
また、その場合は延長(Eco Dynoの追加購入)ができないため、起動させたいDynoを有料プランに移行させる必要があります。

詳しくは以下の公式ヘルプをご覧ください。

Eco Dyno Hours | Heroku Dev Center

Postgres Miniも月5ドル(アプリ単位での課金が必要)

月5ドル(執筆時点では約733円)で最大1万行 or 最大1GBまでデータを保存できるプランです。

このプランはEco Dynoプランのようにアプリをまたがって共有することはできないため、アプリごとに毎月5ドルを支払う必要があります。

Heroku Postgres - Add-ons - Heroku Elements

ちなみに、上のページではMiniプランは「$0.01/mo」と書かれています。

おそらくこれは「1ヶ月の起動時間が1時間以下だったときの最低料金」を表しているんだと思います。
後述する「プラン移行用の一覧ページ」では、「Hourly Cost = ~$0.007」「Max Monthly Cost = +$5.00」と表示されているので、「1ヶ月ずっと起動した場合は最大で5ドル」と解釈するのが正しそうです(ちなみに 24h x 30days x $0.007/h = $5.04 になります。)。


今移行しても11月中は無料!

Eco DynoとPostgres Miniはすでに利用可能になっていますが、11月中は課金されず、2022年12月1日の利用分から課金が始まるようです。

For customers paying by credit or debit card, the Eco dynos and Mini data plans are free until November 30th, 2022. While our free dyno and data plans will no longer be available starting November 28th, 2022, you can upgrade to our new plans early, without extra cost. You begin accruing charges for these plans on December 1st, 2022.

Eco and Mini Plans Now Generally Available | Heroku

無料プランは2022年11月28日に終了

無料プランは2022年11月28日に終了することがアナウンスされています。

Heroku’s Next Chapter | Heroku

すでにHerokuを利用している場合はこの日までに、

  • 有料プランに移行する
  • Heroku以外のサービスに移行する
  • 運用しているアプリをクローズする

といった対応を取る必要があります。

それでは以下が移行の手順です。

現在利用している無料プランを確認する

無料プランから有料プランへの移行が簡単になるように、プラン移行用の一覧ページが新たに用意されています。
Herokuにログインすると以下のようなメッセージが表示されていると思うので、"Choose Apps to Upgrade"ボタンをクリックします。

もしくは以下のURLを直接開いてもOKです。

https://dashboard.heroku.com/upgrade

すると以下のように自分が今利用している無料のDyno / Postgres / Redisの一覧が表示されます。


Image: https://blog.heroku.com/eco-and-mini-plans-ga

Eco Dynoを利用する手順

Herokuの管理ページを開き、画面右上のAccount Settings > Billingタブを開きます。

画面を下にスクロールすると、「Subscribe to Eco」というボタンがあるので、これをクリックします。

Subscribeボタンをクリックします。

これで設定完了です。

SubscribeしたらFree Dyno(とFree Dyno上で動くScheduler)は自動的にEco Dynoを利用するように切り替わるそうです。

Subscribing to Eco automatically converts your free dynos for all your apps to Eco, along with any Scheduler jobs that were using free dynos.

Eco and Mini Plans Now Generally Available | Heroku

ちなみに僕は試していませんが、上で紹介した無料プラン一覧ページからもSubscribeが実行できそうです。


Postgres Miniを利用する手順

上で紹介した無料プラン一覧ページを開きます。

https://dashboard.heroku.com/upgrade


Image: https://blog.heroku.com/eco-and-mini-plans-ga

Postgres Miniに移行したいアプリの「Upgrade」ボタンをクリックします。

月5ドルのMiniか、月9ドルのBasicか、どちらかを選択するプルダウンが表示されますが、多くの人はMiniを選択すると思います。
右下のProvisionボタンをクリックすれば移行完了です!


Heroku Data for Redis Miniを利用する手順(?)

Redis(Heroku Data for Redis)も無料プランから有料プランに移行する必要があります。
Miniプランは月3ドル(執筆時点で約440円)です。

が、僕はRedisを使ってないので、実際に移行を試せてないです。
画面を見る限り、おそらくPostgresの移行手順とほぼ同じだと推測します。

無料プランのまま放置するとどうなるか?(2022.11.30追記)

Databaseのデータにはアクセスできなくなりました。管理画面にアクセスすると、「復旧させたかったら早急にサポートに連絡しろ」とあります。

また、そういった場合はwebサイトにアクセスしてもエラー画面が表示されます。
たとえば、 https://html2haml.herokuapp.com/ にアクセスできなくなっていますが(2022.11.30時点)、これはおそらく無料プラン終了の影響だと思われます。

もしかすると今後、このエラー画面をちょくちょく見かけるようになって「あー、無料版のHerokuを使っていたのか!」と気付くことが増えるかもしれませんね。。

まとめ

というわけでこのエントリではHerokuのEco DynoとPostgres Miniプランに移行する手順を紹介してみました。
マウスでぽちぽちっとクリックしていけば完了するので、手順自体は非常に簡単ですね!
有料化してでも使い続けたいというHeroku上のアプリがあれば、このエントリを参考にしてプランを移行してみてください。

あわせて読みたい

1ヶ月前ぐらいに書いたエントリです。
個人の趣味で運営しているサービスをどう移行しようかな〜?という話を書いたりしています。
blog.jnito.com