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アルテオンのディナウディオ(DYNAUDIO)サウンドシステムを試聴してみた結果

はじめに

最近、車を買い換えました。
新しく買ったのはフォルクスワーゲンのアルテオン(Arteon)という車です。

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ボディカラーはチリレッドメタリック

ところで、アルテオンはメーカーオプションとして、高級オーディオメーカーであるディナウディオ(DYNAUDIO)のサウンドシステムを選択することができます。

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参考:「アルテオン」に新グレード! DYNAUDIOも選択可能に - 8speed.net

僕も妻も無類の音楽好きなので、「ちょっとでもいい音で音楽聴けるなら、このオプションも付けてみたい!」と思いました。
ですが、実際に試聴して比較してみた結果、いくつかの理由があって今回は見送ることにしました。

というわけで、このエントリではディナウディオ製のサウンドシステムを聴いてどう感じたのか、そして、なぜ標準オーディオを選択したのかについて書いてみようと思います。

ディナウディオの第一印象=あれ?音が悪い??

ディナウディオのサウンドシステムは、行きつけの販売店が「1日試乗」として貸し出してくれたアルテオンに付いていました。

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1日試乗で借りた白いアルテオン

「やったー!この試乗車、ディナウディオが付いてる!さぞかしいい音で鳴ってくれるんだろうな〜😆」とウキウキしながらいつも聴いてる音楽を鳴らしてみたところ・・・

あれ?・・・なんか普通?いや、むしろ音悪くない??

と思ってしまいました。

僕だけではなく一緒に乗っていた妻も同じ感想で、「これだったら標準オーディオの方が良くない??」と2人で話していました。

音がこもって聞こえる?

ディナウディオで音楽をかけると、全体的に音がこもって聞こえます。
ボーカルはどこか膜の向こうで歌っているように聞こえて、前に出てきません。

もしかしてイコライザーの設定が悪いのかな〜?と思って、いろいろ設定を変えてみるのですが、大きな変化がありません。
バス・ミドル・トレブルのようなイコライザーは付いているのですが、設定を変えてもそこまで大きく音質が変わらず、「気持ち、変わったかな?」と感じる程度です。

「もう、ディナウディオ、全然ダメじゃん!このオプションはバツ!!」・・・と言いたいところですが、わざわざお金を出して取り付けるオプションの方が標準オーディオよりも音が悪いというのはちょっと不自然です。
なので、急いで結論を出すのではなく、もう少しこのオーディオを研究してみることにしました。

すると、次のようなことがわかってきました。

相性のいい音源と悪い音源の差が激しい

J-POPや洋楽、ジャズやクラシックなど、いろんな音源をディナウディオでかけてみたところ、「お、これはすごくいいじゃん」と思える音源と、「うーん、やっぱりこもって聞こえる」と思う音源がハッキリと分かれました。

最近流行りのJ-POPをかけると、先ほど述べたような「こもって聞こえる」「膜の向こうでボーカルが歌ってるみたい」という聞こえ方をするものが多かったです。

一方、生楽器が中心のジャズや、R&Bテイストのモダンな洋楽などは、「すごく自然に聞こえるし、音の分離や全体的なバランスもいい」と感じました。

どうやら、中音域にいろんな楽器音が鳴っていたりする音楽だと、ピコピコ、ジャカジャカした音がボーカルの邪魔になって、ボーカルを奥に引っ込めてしまう傾向があるようです。
そういった音楽よりも、音と音の間に隙間やゆとりを十分もった音楽の方が、ディナウディオとは相性が良いように思いました。

なんとなくの想像ですが、ディナウディオは元の音源を一切味付けすることなく、フラットかつストレートに出力しているのかもしれません。
それゆえに、相性のいい音源と悪い音源に極端な差が生まれているような気がしています。

なお余談ですが、関係者の方が僕の感想とほぼ同じ内容をコメントしているページも見つけました。

DYNAUDIO JAPAN代表取締役の前田正人氏によれば、同社は「サウンドに手を加えることなく、アーティストがスタジオで耳にしたものだけを、原音に忠実に再生できるスピーカーを開発している」とのことだ。

VWと再タッグを組む「DYNAUDIO」のサウンドは、マニアならずとも感涙レベル! - CARSMEET WEB

音量を上げた方が気持ちいい

そして、相性のよい音楽に関しては、小さい音量で聴くよりも、音量をぐっと上げた方が気持ちよく聞こえました。
というのも、音量を上げた方がサブウーファーから引き締まった重低音をより鮮明に引き出せるからです。

また、音の密度が濃いというか、音の情報量が豊富なので、音量を上げると普段はあまり意識しないリバーブの余韻なども感じ取ることができます。
もちろん、オーディオの基本性能が高いので、音量を上げても音が割れたり、バランスが崩れたりすることはありません。

というわけで、「相性のいい音源」を「大音量」で聴くと、「おお、これはすごい!めっちゃいい音だ!!」とハッキリ感じられました。
まさにこれが「アーティストがスタジオで耳にしている音」なのかもしれません。
(その代わり、ボリュームを50%ぐらいまで上げているので、車外に音が漏れまくってしまいますが・・・😅)

標準オーディオは音源との相性を意識しなくて済む点がマル

一方、ディナウディオではない、標準オーディオはディナウディオの長所と短所をひっくり返したような特徴があります。
すなわち、

  • 音源との相性の良し悪しがほとんど気にならない(どんな音源でも平均点レベルの音がする)
  • でも、ややドンシャリ(=低音と高音を強調)気味に味付けされている気がする
  • 小さな音量で聴いても、まあまあいい音で聞こえる
  • その代わり音量を上げても大して感動は得られない
  • サブウーファーがないので、低域はディナウディオに比べると少しぼやけがち(が、そこまでひどいものでもない)

といった感じです。
また、高音域が少し耳障りに感じることがあるので、僕はイコライザーの設定でトレブルを少し削って聴いています。

最高か?と言われると、最高とまでは言えないのですが、それでも日常的に聴くぶんには必要十分な音で聴ける気がします。
標準オーディオの場合は、何よりも音源との相性を気にしなくて済むところが一番うれしいです。

結論:僕は標準オーディオで十分だと思った

このように比較した結果、僕は標準オーディオで十分だと思いました。

決定的だったのは、やはり相性の良し悪しです。
ディナウディオの場合、相性の悪い音源は明らかに「こもる」「ボーカルが引っ込む」という症状が出てしまうので、音源によってどうしても気持ちよく聴けないものが出てくるのが難点でした。
僕も妻もその日の気分でいろんなジャンルの音楽を聴きたい人なので、相性のいい音源だけをずっと聴き続けることはできません。

ディナウディオの、相性のいい音源をかけたときの気持ちよさや、サブウーファーから聞こえてくるクッキリした重低音はとても魅力的なんですけどね〜。
ですが、車はあくまで車であって、専用のオーディオルームではないので、そこまでがんばって高音質を求めなくてもいいかな、と僕は(そして妻も)思い、今回は標準オーディオを選択することにしました。

とはいえ、自分で試聴してみるのが一番です

このように僕は今回「標準オーディオで良い」という結論を出しましたが、だからといってディナウディオがダメと言うつもりはまったくありません。

普段からディナウディオと相性のいい音源を中心に聴く人であれば、ディナウディオはかなり有力な選択肢になると思います。

また、「こもる」「ボーカルが引っ込む」というのもあくまで僕と妻がそう感じただけなので、人によってはそこまで気にならないかもしれません。
ですので、このオプションを検討されている方は僕のブログを読んで「へー、ダメなんだー」と思うのではなく、実際に試聴して聞き比べてみることをオススメします。

参考:個人的に相性がよいと思った音源あれこれ

参考情報として僕が個人的にディナウディオと相性がよい、と思った音源をいくつかあげておきます。

÷(ディバイド)

÷(ディバイド)

Two Against Nature

Two Against Nature

Quintessence

Quintessence

相性の悪い音楽はあえて載せませんが、「中学生の息子が最近よく聴いてるJ-POP」とだけ書いておきます😅

おまけ:ディナウディオのBluetoothスピーカーが気になる

ディナウディオ自体の品質の良さは今回の試聴でもわかったので、車内以外の場所でディナウディオを聴くのはアリだな〜と思ったりしています。

ネットを調べてみると、どうやらディナウディオからBluetoothスピーカーが発売されているようなので、最近はこれがちょっと気になっています。
今の仕事場にこれを置いて音楽を聴いたらどうなるのかな〜??
これも一度試聴してみたいです。